他社はどうなの!?ECサイトにチャットボットを導入する効果とは?

自宅にいながら、または自由な場所で好きなときに買い物ができる「Eコマース」。
近年は気軽に問い合わせしたり、商品を効率的に検索できるコミュニケーションツールを導入しているECショップが増えています。
それを実現しているのが「チャットボット」というテクノロジーです。
チャットボットによる無人対応で問い合わせに自動返信したり、商品の絞り込みを行うことができます。
では、導入すると一体どのような効果があるのでしょうか。
ECショップにチャットボットを導入するメリットと使用方法を実際の事例をもとにご紹介します。
そもそもチャットボットとは

チャットボットは、コミュニケーション手段のチャット機能とロボットのテクノロジーを組み合わせたもので、お客様からの問い合わせに対して自動で応答してくれるプログラムのことです。
その起源は、1966年にジョセフ・ワイゼンバウムが開発した「ELIZA(イライザ)」という自然言語処理プログラムだと言われています。
近年は、AI技術の発展により、人間に近い会話を可能とするAI型チャットボットも存在します。
チャットボットの種類
チャットボットには、複数の種類があります。
ここでは一般的に利用されている「選択肢タイプ」と「ログタイプ」についてご紹介します。
選択肢タイプ
チャットボットの画面上に、あらかじめ設定された質問等の選択肢を表示し、それをユーザーが選択することで会話が進むタイプです。
例えば、「どんな質問ですか?」という問いかけを表示し、「送料」「支払い方法」「その他」などの選択肢を表示します。
ユーザーはその中から自分の希望に近いものを選択します。場合によっては次の選択肢が表示され、さらにユーザーが選択することで会話が進み、ユーザーの疑問を解決します。
チャットボット内で解決しない場合は、お問い合わせフォームや問い合わせ電話番号を表示させて対応します。
ログタイプ
ユーザーとの会話を「ログ」として蓄積し、その記録を元にしてチャットボットの精度を上げていくタイプです。
人工知能の「AI」を利用することで、より人間に近い会話が可能となります。
ただし参考となるログ自体が少ない場合、会話が続かなくなる可能性があります。
またAIを導入するため、コストも高額になりがちです。
チャットボットで何ができる?導入のメリット
チャットボットをECショップに導入するメリットは、大きく3つあります。

メリット① サポートスタッフの対応負担削減
よくある問い合わせに自動対応してくれるので、カスタマーサポートを担当するオペレーターの負担が大幅に軽減されます。
メリット② 24時間365日の問い合わせ対応
チャットボットは24時間365日対応できます。
営業時間外や深夜でもお客様の「今、知りたいこと」にすぐに回答できるので、お客様の満足度が高まります。
メリット③ Web接客による離脱防止、購買率アップ
電話での問い合わせは「面倒」「そこまでじゃない」と感じる利用者も、チャットなら気軽に問い合わせできます。
敷居の低さが利用者の使い勝手を高めるので、サイトの離脱を防ぎます。
また、満足度が高まるとファンになってもらいやすいので、再訪問が期待でき、売上アップにもつながるでしょう。
続いてチャットボットの導入事例を見ていきましょう。
導入事例
【導入事例①】株式会社ユニクロ
どんなECサイト
カジュアル衣料品のオンラインショップ
課題
モバイルベースのEC利用が主流になり、実店舗で買い物するようにコミュニケーションツールを通じて対話しながら買い物ができる購買体験の提供を模索。
現状のECの課題は、実店舗との融合、グローバル展開、お客様との良好なコミュニケーションの3つ。
導入効果
公式アプリにチャット接客機能「UNIQLO IQ」を搭載。
チャットボットにより問い合わせ対応件数は前年比の2倍に増加。
電話応対に比べて30~40%の時間コストの削減を実現している。
【導入事例②】株式会社ファンケル
どんなECサイト
無添加化粧品、健康食品・サプリメントのオンラインショップ
課題
通販の売上が好調で、問い合わせ件数が倍増。
電話やメールの対応が遅れて長時間待たせてしまったり、FAQへ誘導するも回答までたどりつけず離脱したりということが多く、問い合わせ品質の低下が課題に。
導入効果
FAQページをチャットボットと連携させることで、スムーズにページ誘導ができるように。
お客様の自己解決を後押しすることに成功した。自動対応により、待たされるストレスも軽減できた。
【導入事例③】株式会社千成亭風土

どんなECサイト
近江牛の通信販売を行うオンラインショップ
課題
オフィシャルサイトにFAQページを用意してもなかなかお客様に見てもらえない。
同じような問い合わせ件数が減らず受注担当者に負担がかかっていた。
導入効果
問い合わせ対応が自動化され、1カ月に約150件あった問い合わせ件数を9割削減。
繁忙期の残業時間を計70時間減らすことに成功した。
【導入事例④】株式会社ヴィレッジヴァンガードコーポレーション
どんなECサイト
クリエイター雑貨、おもしろ雑貨、プレゼントなどのオンラインショップ
課題
常時5万点以上の商品を展開しているが、発掘されず日の目を見ない商品もある。
検索機能や商品紹介機能を拡充して、オンラインを利用するお客様に新しい購買体験を提供したい。
導入効果
AIチャットボットがおすすめの商品を探してくれたり、お宝商品がランダムに表示されたり、EC利用のショッピングに新たな付加価値をプラスできた。
【導入事例⑤】株式会社MIRISE

どんなECサイト
イヤホン・ヘッドホンといったポータブルオーディオブランドQCYのオンラインストア
課題
問い合わせの9割を占めるのが、ワイヤレスの接続方法など商品の使用方法といった定型的な質問。
よくある質問への対応の負担を削減することが課題。
導入効果
1日あたり約30件あった問い合わせが2~3件に激減。
解決方法を探しにサイトへ訪問したお客様をQ&Aページへ誘導し、リアルタイムで自己解決させることができた。
ECサイトへのチャットボット導入を成功させるコツ

業種問わず、さまざまな企業がチャットボットを導入している事例をご紹介しました。
では、ECサイトへチャットボットを導入しようと考えている場合、成功させるコツにはどのようなものが考えられるのでしょうか。
ここではチャットボット導入のコツについてご紹介します。
次のステップを用意する
チャットボットでは、ユーザーの質問に答えて終わりではなく、常に次のステップを用意するようにしてください。
ユーザーはチャットボットで回答を得て終わりではなく、次のアクションを求めています。
例えば、チャットボット上でユーザーの疑問を解決できなかったとします。
「解決できなかった」で終わるのではなく、お問い合わせフォームへの導線を用意する、問い合わせ窓口ダイヤルを表示させるなどといった、ユーザーにとって便利な次のステップを用意する必要があります。
チャットボットを設定するにあたって、ユーザーが求めている次のアクションを予測、次のステップを用意することで、ユーザーにとって便利なチャットボットが完成します。
定期的なメンテナンスを行う
チャットボットを導入したら、定期的なメンテナンスを行いましょう。
チャットボットを継続的に利用することで、さまざまなユーザーのニーズ情報を収集することができます。
収集した情報はそのままにするのではなく、それを元に会話内容を追加したり、選ばれていない選択肢を削除したり、定期的にメンテナンスを行いましょう。
また、よく選ばれている選択肢の内容を、さらに詳しく説明することもおすすめです。
定期的なメンテナンスを行うことで、精度の高いチャットボットを作成することができます。
データはマーケティングにも活用
チャットボットを活用することで、顧客とのやり取りをデータとして蓄積できます。収集したデータは、ECサイトのマーケティングに活用することが可能です。
チャットボットは、気軽に利用できるという利点から、多くのユーザーと接点を持つことができるようになります。また、ユーザーが「わざわざ電話やメールで問い合わせるのは面倒だ」と感じる細かい質問を、拾えることもあるでしょう。
多くの潜在的なニーズ情報を回収できるようになれば、今まで見出せなかった新たなマーケティング施策を立案できるかもしれません。
ECサイトにチャットボットを導入したいなら?

自社のECサイトにチャットボットを導入するには、さまざまな方法があります。
大きく分けると、自社で1から開発する、チャットボット作成ツールを使うの2種類の方法があげられます。
自社で開発する場合は、デザインや会話内容まで全て思い通りに作れるのがメリットです。
ただし、高度な専門的知識がないと難しく、人件費など多くのコストがかかることも予測されます。
そのため、チャットボット導入には「作成ツール」を使うのがおすすめです。その理由について、次でご紹介します。
チャットボットの導入はツールを使うことがおすすめ
「比較的コストを抑えながらチャットボットを導入したい」「何から始めたらいいか分からない」という場合は、作成ツールを使うのがおすすめです。
ツールを使うメリットは、以下のようなものがあげられます。
専門知識がなくても利用できる
チャットボットを1から自社で開発しようとしたら、高度なプログラミングの専門知識が必要になります。
その点、チャットボット作成ツールは、高度な専門知識がなくても簡単に利用できるものが多いです。
複数サイトに設置可能
ツールや契約によっては、複数のサイトにチャットボットを設置できます。複数の商材を扱う企業に便利です。また、1つはユーザー向けのWebサイトに、もう1つは社内のヘルプデスクに活用するといったことも可能です。
もちろん、サイトごとに内容を変えることができます。
複数のサイトに設置できる場合でも、1つにまとめて管理ができるので、手間をかけずに管理することができます。
サポートがある
チャットボット作成ツールを提供している企業の多くは、サポートサービスも同時に提供しています。
いざチャットボットを導入しようと思っても「どんなシナリオ設計をしていいか分からない」「本当に効果が出ているのだろうか」「どのようにチャットボットを改善していけばいいかわからない」など、不安に思うことがあるかと思います。
そのため、サポートサービスの有無はとても重要です。導入前・導入後どちらのサポートしてくれるサービスを選べば、初めてチャットボットを利用する場合でも安心です。
チャットボットツールの選ぶときのポイント
ここからは、チャットボットツールを選ぶときのポイントをご紹介します。
ECサイトの課題を明確化
チャットボットツールを選定するには、まずECサイトの課題を明確化しましょう。選んだツールが自社の目的を果たせるのかを判断するためには、何のために導入するのか課題をはっきりさせる必要があります。膨大な数のチャットボットツールがあるので、目的を設定し判断基準を決めないと、最適なツール選定は行えません。
例えば、問い合わせ件数が増えているのか、離脱率が増加しているのか、といった課題があるはずです。その課題をチャットボットの導入でいかに改善でき、業務効率化・コスト削減・顧客満足度向上・売上向上などにも繋がるかをよく検討しましょう。
次に、チャットボットツールを選定する際に気をつけるべきポイントとして、具体的にどのようなシーンで活用できるか追求することが挙げられます。誰が、どこで、どのようにチャットボットツールを利用するのかを明確にできれば、より具体的に課題に対しての効果測定が可能です。
ECサイトの課題を明確化し、活用シーンをはっきりさせることで、必要な機能が備わった選ぶべきツールが見えてくるうえ、運用によって生じた課題を解決するためへの道しるべにもなります。どのようなタイプのチャットボットが自社に適しているかを判断し、使いやすいツールを導入しましょう。
操作性を確認する
チャットボットを導入したとしても、操作性が悪ければ現場でツールは浸透しません。
さまざまな機能が搭載されているツールは魅力的に見えますが、操作性に問題があると業務効率の悪化などが懸念されます。メンテナンスや分析作業がスムーズに行うことができず、チャットボットの導入が負担となってしまう恐れがあるでしょう。
また、操作性に優れないと、管理・運用が属人化し、決まったスタッフしかツールを使えないという状況になり得ます。
全社的にチャットボットを有効活用していくためには、誰でも直感的に操作できるツールの選定が好ましいといえます。
既存システムと連携できるか
チャットボットツールを選定する際には、ほかのツールとの連携性を事前に確認しましょう。
例えば、顧客管理システムなどをすでに利用していて、追加でチャットボットの導入を検討する場合には双方の連携が可能かどうかを事前に確認することをおすすめします。使うツールと連携が簡単できれば、導入の手間を掛けずに稼働し始められます。「このツールと連携できれば売上につながる」「どう連携すればコストを抑えられるか」など、運用へ向けてツール同士の連携性を確認できれば導入したいツールも絞られてくるでしょう。
より具体的には、社内向けチャットボットの場合に、SlackやChatworkなど使用しているツールと連携できれば作業効率もアップし、ツールを使い分ける必要がなくなります。また、APIと連携させる際には、他社の事例を真似てみることや、クリエイティブなアイデアを生み出すことも必要です。
対してBtoCで使いたい場合は、LINEやFacebookなどSNSと組み合わせられるかを確認できれば利便性が上がります。実務を想定して、どういった既存システムと連携できるかを事前によくチェックしておきましょう。そうすれば、導入した際に「既存ツールと併用できない」「Webサイト以外で使えない」といったトラブルを防げます。
チャットボットの導入にかかる料金相場
チャットボットの導入にかかる料金相場は、安価なもので10万円、高価なもので100万円ほどです。料金相場に開きがある要因はAI型などのタイプによる違いか、機能や性能に依るものです。高性能な機能を搭載するチャットボットでは、費用が高額になる傾向にあります。
対して一番安価なチャットボットだと、月額1万円以下のものもあります。また、月間費用と年間費用が両方ある製品の場合は、一般的には年間契約の方が割安です。ただし、オプションの費用によって高額になる場合もあるので注意しましょう。
新規にチャットボットの導入を検討する際には、予算や導入目的、欲しい機能などをリストアップして、複数のツールを比較して選定することをおすすめします。「安いから」「高いから」という理由で安易に導入を決めてしまい、チャットボットを導入したが期待していた効果は得られなかったと失敗する企業も少なくありません。
そうならないためにも、事前準備に力を入れましょう。ツールとのミスマッチを防ぐために、チャットボットによっては、無料トライアル期間を設けています。トライアルでは2週間~1ヶ月程度の間、製品を思う存分試せます。この期間でチャットボットの使い勝手などをよくチェックし、正式導入の検討材料に加えてみるのもいいでしょう。
費用については、こちらの記事で詳しく解説しています。気になる方はぜひご覧ください。
ツールなら『チャットディーラー』
チャットボット作成ツールはさまざまな会社が提供していますが、ここではその中の「チャットディーラー」についてご紹介します。
チャットディーラーにはECサイトを運営するにあたって便利な機能がたくさん備わっています。
2種類のチャットボット
「シナリオ型」と「一問一答型」の2つのタイプから選べます。
シナリオ型は、選択肢を表示し、ユーザーが選択していくことで会話が分岐します。まるで人間と会話しているかのように対応します。ルールベース型とも呼ばれます。
一問一答型は、直接ボットに入力された質問文に含まれたキーワードに反応し、質問文をいくつかピックアップして、ユーザーに選択してもらい会話が成り立ちます。一問一答型は、ユーザーの表現のゆれにも対応しています。このタイプは、Excelファイル(CSV)をインポートするだけで作成可能です。
営業時間ごとに対応方法を分けられる
チャットディーラーはチャットボットだけの回答だけで会話を進める無人チャットと、チャットボットの中でスタッフが対応する有人チャット、どちらも利用できます。
営業時間内は有人対応を行い、休日や夜間などの営業時間外はチャットボットが対応するなど、使い分けをすることができます。
また、営業時間内でもチャットボットだけで解決できなかった場合は、有人対応チャットに移行するといった使い分けも可能です。
レポートの機能
ユーザーがどの選択肢を選んでいるか、どこで離脱しているかなどが一目でわかるレポーティング機能があります。
レポートの結果や、チャットボット利用後に表示されるアンケートの結果を分析することで、チャットボットの改善案が見えてくるはずです。
サポートも充実
導入前の段階から、専任のコンサルタントがサポートしてくれます。設定方法だけでなく、チャットボット運用に関する相談は何でも受け付けています。
また導入後も、改善点やより効果的にするための支援も行ってくれます。
チャットボットで新しい顧客体験を!
さまざま企業の導入事例から、運用方法と効果をご紹介しました。
チャットボットはお客様が必ず閲覧するトップページや商品ページに表示されるため、確実にお客様の目に触れることで、コンスタントな利用を期待できます。
また、新しい購買体験を提供できるだけでなく、問い合わせ対応を自動化することでサポートスタッフの負担を軽減したり、離脱を防いだりもできます。
サイトへの評価がアップすることでリピート購買につながり、売上増加も期待できるでしょう。
さらに注目したいのは、チャットボットによって顕在層のお客様だけでなく、潜在層とコミュニケーションを図ることができ、新たな顧客獲得やニーズの発掘ができる点です。
問い合わせへのハードルを下げることで、初訪問のお客様からも気軽に質問してもらえる環境が構築できますし、お客様の新しいニーズを引き出すことが、対応ノウハウの蓄積にもつながります。
チャットボットは、ECサイトが抱える業務効率の課題解決や最先端のカスタマーエクスペリエンスの提供を実現します。
自社の課題・要望にマッチしたチャットボットの導入を検討してみませんか?
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この記事を書いた人
ボットマガジン編集部
ボットマガジン編集部です!チャットボットについて、タイムリーでお役立ちな情報をお届けします。