社内ヘルプデスクに「AI」の導入で大幅な業務改善?期待できる効果と導入方法を解説!

社内ヘルプデスクに「AI」の導入で大幅な業務改善?期待できる効果と導入方法を解説!

社内ヘルプデスクは、社員が困った時の問い合わせ窓口として、常に多種多様な問い合わせの対応をしています。いつ問い合わせがくるか予測がつかない中で、その他の業務と並行して対応しているというケースも多いでしょう。また、中にはヘルプデスク業務に追われて他の業務が滞り、やむなく残業をして対応しているという担当者もいるはずです。

近年、業務効率化や人手不足の課題を解決するために、AIを活用した技術やツールの利用が浸透しつつあり、これは社内ヘルプデスクも例外ではありません。

この記事では、社内ヘルプデスクにAIを導入することで業務改善にどのような効果があるのか、そしてAIを導入する具体的な方法について解説します。

この記事の目次

    社内ヘルプデスクが抱える課題とは?

    社内ヘルプデスクが抱える課題とは?

    社員からの問い合わせに対応する「社内ヘルプデスク」は、社員が円滑に業務を進める上で重要な役割を担っています。そんな社内ヘルプデスクが抱える課題や悩みには、どのようなものがあるのでしょうか。

    中でも大きな課題は、「業務が逼迫することで、抱えている業務が時間内に終わらないこと」でしょう。業務が逼迫する原因の一つに、頻繁に寄せられる問い合わせに対する「繰り返し対応」が挙げられます。

    特に、マニュアルやFAQで解決できるような質問が何度も寄せられると、対応が追いつかなくなる恐れがあり、担当者が感じるストレスも無視できません。

    社内ヘルプデスクで業務改善を行わないと…?

    社内ヘルプデスクが抱える課題をそのままにしておくと、どのようなことが起こるでしょうか。ここでは、2つの問題についてみていきます。

    1つ目の問題点は、残業時間の増加です。「社員からの問い合わせに対応するだけで、一日が終わってしまう」なんてことがあると、その他の業務は残業でカバーせざるを得なくなるでしょう。

    2つ目の問題点は、「顧客や取引先への対応遅延」です。問題の解決に時間がかかることで顧客へスムーズに対応できなくなり、結果として顧客へ迷惑をかけてしまうといった懸念もあります。

    社内ヘルプデスクでは、限られた人数で全社員からの問い合わせへの対応にあたっているケースが多いでしょう。対応が後ろ倒しになることで、自らの業務の進捗が遅くなるだけでなく、顧客へ悪影響を及ぼすことにもなりかねません。

    そのため、改善が急がれるといえるのではないでしょうか。

    社内ヘルプデスクにAIを導入する方法

    AIを活用する方法はいくつかありますが、最も多くとられている方法は「AIチャットボット」として導入する方法です。

    AIチャットボットとは、チャット画面上で利用者側が質問を入力・選択すると、AIが自動で回答を提示してくれる仕組みのことをいいます。

    あからじめ想定される質問に関するデータを登録しておくことで、AIが「最も適切」と判断した回答を送信、対応の一部自動化が実現するのです。また、AIが学習を繰り返すことで、回答精度の向上や、より人間に近い会話ができるようになります。

    このようなAIチャットボットは、カスタマサポートの分野を中心に多く利用されていましたが、近年社内ヘルプデスクでの活用も進んでいます。手間をかけずに業務改善をしたい社内ヘルプデスクにとっては、導入を考えるべき選択肢の一つであるといえるでしょう。

    また、以下の記事でもAIチャットボットについて詳しくご説明しています。AIチャットボットについて、もっと詳しく知りたいというかたは、ぜひこちらもご一読ください。

    >>チャットボット導入のメリット・デメリットとは?活用例まで徹底解説!

    社内ヘルプデスクにAIチャットボットを導入するメリット

    社内ヘルプデスクにAIチャットボットを導入するメリット

    社内ヘルプデスクにおいてAIチャットボットを導入することには、どのようなメリットがあるのでしょうか?
    期待できる効果を、具体的に3つの例を挙げてご説明します。

    対応スピードの向上

    AIチャットボットを導入することで、対応スピードの向上が期待できます。社内ヘルプデスクに届く質問は、すぐに解決できるものから調査に時間を要するもの、難易度の高いものなど、さまざま混在しています。

    その中で、すぐに解決できる簡単な問い合わせは、AIチャットボットで解決してもらうことで、ヘルプデスクでは重要性の高い質問に集中して対応できるようになります。より迅速な対応が可能となり、対応業務以外に割ける時間も増えるでしょう。

    また、質問する側の社員は希望する回答をすぐに得られることになるため、双方にとって大きなメリットがあるといえるのです。

    社内ヘルプデスクへの負担軽減

    これまで対応していた問い合わせの一部をAIチャットボットが代わりに対応してくれることになるので、必然的に社内ヘルプデスクの対応件数が減ることになります。負担が軽減されることで業務に余裕が生まれるので、多忙によって生じるミスを防げるでしょう。

    また、他の業務に充てられる時間が増えることで時間内に必要な業務を終えられるようになり、残業時間の削減も期待できます。

    さらに、AIチャットボットが活用されることで、何度も同じ質問をされることによって生じていた心理的な負担からも解放されます。社内ヘルプデスクへの問い合わせの質が上がることで、重要な業務へ集中して対応できるようになるというメリットも得られるのです。

    高い利用率

    AIチャットボットは、社員の高い利用率が期待できます。

    AIチャットボットの特徴として、会話形式で気軽に質問できることと、即座に回答を得られるという点があるため、社員が気軽に利用してくれるようになるためです。

    対人での会話ではないため、チャット感覚で気軽に質問できる上に、時間や場所を気にせずいつでも利用できます。すぐに回答を知りたい社員にとっては利用するハードルが低く使いやすいツールといえるでしょう。

    課題解決のツールとしてFAQを導入して運用している企業も増えていますが、社員の利用率が低いことに悩みを抱えているケースも多いようです。FAQの導入も社員の自己解決を促す面で効果的ではありますが、目当てのFAQを見つけられず結果的に利用が定着しない傾向があります。

    その点、AIチャットボットは誰でも気軽に利用できるため、高い利用率が期待できるでしょう。

    利用データの活用

    AIチャットボット活用する際には、利用データを活用してみましょう。そもそもAIチャットボットは、膨大なデータを蓄積することで回答精度を高めています。特にチャットボットは電話や社内メールよりも気軽に利用できるため、データもより集めやすいでしょう。

    例えば、サイト訪問者の行動データやチャットボットを使用した会話データ、Cookie情報を活用してユーザーを匿名状態のままラベリングし、それらユーザーデータからニーズを予測できます。

    設置者側がこれまで気付かなかった潜在的なニーズを発見でき、新たな発見を改善に活かすことも可能です。

    また、問題を未然に防ぐことも社内ヘルプデスクの業務ですが、トラブル発生時の統計をとることでボトルネックを可視化できます。普段は気付きにくい細かな問題を発見し、再発防止に役立てられるでしょう。このように、機能的なメリットだけに留まらず、データ活用を通じて改善していけることは大きなメリットです。

    他ツールとの連携

    AIチャットボットには、他ツールとの連携が可能なものがあります。該当するツールにはメールシステムやチャットSNSなどがあり、社内で利用するビジネスチャットへの設置も可能です。

    ITツールはインターフェースによって操作性が変わりますが、それぞれが使い慣れたチャネル・デバイスでチャットボットを利用できるようになります。また、問い合わせを受ける側も一元管理が可能です。対応するデバイスを分散させることなく、メイン業務に集中できるようになるでしょう。

    社内ヘルプデスクでAIチャットボットを有効活用するには?

    社内ヘルプデスクでAIチャットボットを有効活用するには?

    ここまで、AIチャットボットを導入するメリットを見てきました。それでは、そのメリットを生かしながら有効に活用するためには、どのようなことに気をつける必要があるのでしょうか?

    ここからは、導入にあたって抑えておくべきポイントをご紹介します。

    社内周知を徹底する

    継続的にAIチャットボットを利用してもらうためには、いかに社員への周知を徹底し、利用を促進できるかが大きなポイントとなります。AIチャットボットの準備ができたからといって急に社員へ通達するだけでは、せっかくツールを設置しても社内に浸透せず、効果を十分に発揮できない可能性があります。

    そうならないために重要なことは、あらかじめ「AIチャットボットをどこに設置するか決めること」と「AIチャットボットがどのような質問に対応できるのか説明できるようにしておくこと」です。これらが明らかになっていないと、活用してくれる社員を増やすのは難しいかもしれません。

    社員にとってAIチャットボットが「身近で役に立つ存在」として実感され認識されることで、「まずはAIチャットボットで質問してみよう」という気持ちが生まれます。その結果、社内ヘルプデスクへの問い合わせが徐々に減っていき、業務負担の軽減につながるでしょう。

    定期的にチューニングを行う

    AIチャットボットを社員に周知したら、あとは使ってもらって終わりかと思えば、そうではありません。社員がAIチャットボットを使えば使うほど、AIには学習データが蓄積されて回答の精度が高まっていきます。しかし、そのままAI任せにしてしまうと学習内容にズレが生じて、正確な回答を提示できなくなることもあるのです。

    回答の精度を高めていくためには、AIが学習した内容をチェックしてチューニングする作業が必須です。例えば月に一度などの頻度で、前月分の利用履歴を確認して、どのような質問に対してAIがどのように回答しているかをチェックします。この作業をしていくことで、質問する人によって同じ意味の言葉でも異なる表現をする場合があることに気がつくことでしょう。これに対しては、AIの学習データを追加・更新することで臨機応変に対応できます。

    そして次回のチューニングの際に、思うような回答ができているか確認するというサイクルを繰り返すことで、AIチャットボットを成長させることが重要です。利用者である社員も手軽に的確な回答を得られることで満足度が高まり、AIチャットボットの利用促進へとつながっていくでしょう。

    すべての対応を任せることはNG

    精度が高まったら、あとはどのような問い合わせにもAIチャットボットを使ってもらうだけで良いのでしょうか?残念ながら、AIチャットボットに全ての問い合わせ対応を任せることは難しいでしょう。

    どうしても、AIチャットボットが的確な回答を提示できる質問と、そうでない質問があります。そのため、利用者である社員に対しては状況による使い分けのしかたについての周知も重要です。前者の質問は積極的にAIチャットボットを活用してもらい、後者の場合はヘルプデスクに問い合わせをしてもらうよう周知することで、ヘルプデスクに届く問い合わせ数を減らすことができるでしょう。

    AIチャットボットを導入したからといって社内ヘルプデスク部門も無くしてしまうのではなく、お互いに補完しながら対応していくことが社内ヘルプデスクにとって理想の姿なのではないでしょうか。

    次のステップを用意しておく

    前章で挙げたように、AIチャットボットを導入したからといってすべての対応をAIチャットボットにお任せすることはおすすめできません。

    確かに、AIチャットボットが問い合わせ担当者の業務負担を減らすことで、担当者・オペレーターはより高度なサポート業務に集中することができるでしょう。しかし、業務の担当者でなければ解決できない問題も中にはあるはずです。AIチャットボットで対応が難しいケースを見越し、電話や社内メールといった次の問い合わせステップを提示し、スムーズに解決できる体制を整えましょう。

    チャットボットツールによっては有人対応・無人対応が切り替えられる機能が使えるものもあるため、解決できない場合や特定の質問内容に応じて、切り替える選択肢を提示するよう設計しておくのも良いかもしれません。

    アンケートを提示する

    AIチャットボットはユーザーの言葉に応答するだけでなく、任意のテキストや選択肢を表示することができます。そこで、会話終了後にはアンケート調査を実施してみましょう。チャットボット上のアンケートであればユーザーは気軽に回答しやすく、企業にとって役立つデータを収集できます。

    実際に問題が解決したかどうか、対応の満足度に関する選択肢などを提示し、現状のユーザーニーズを把握してみましょう。対応への感想や細かい疑問を吸い上げ、忌憚のないフィードバックをもとに改善を繰り返すことで、より良いサービスへと昇華できるはずです。

    社内ヘルプデスクにAIチャットボットを導入するには?

    一般的には、AIチャットボットの専用ツールを導入します。システムを構築して自社サイトに埋め込むこともできますが、膨大な開発工数がかかる上に専門のノウハウも必要となり、よほど余裕のある企業でないと実現は難しいでしょう。

    一方、AIチャットボットのツールであれば専門知識がなくても手軽に設置できますので、どのような企業でも安心です。次の章ではおすすめのツールをご紹介しますので、「どのようなツールを選べば良いかわからない」という方はぜひチェックしてみてください。

    AIチャットボットを選ぶときのポイント

    AIチャットボットツールには様々なものがあり、搭載機能やサポート体制、価格なども様々です。

    ここからはAIチャットボットの導入にあたり、選ぶときに気をつけたい3つのポイントを紹介します。

    導入にかかる手間

    AIチャットボットが最適な回答を行うためには大量の教師データを登録し、学習させる必要があります。というのも、正答率が低ければユーザーから利用されなくなってしまうからです。そんな回答精度に関わる教師データですが、イチから用意するには手間も時間もかかります。そのため、教師データの準備や導入・稼働までのフローを事前に確認しておきましょう。

    ちなみに、導入の際にはまずは質問の洗い出しから始めます。社内ヘルプデスクで発生するQ&A型の会話のやり取り、シナリオのパターンを構築します。次に会話パターンを辞書登録して、学習データを蓄積、そしてデータチューニング・動作確認・サイトへの設置を経て本格稼働です。一連の作業には数ヶ月を要することもあるので、稼働開始予定日から逆算して予定を組むと良いでしょう。

    サポート体制の充実度

    チャットボットを選ぶ際にはサポート体制の充実度もチェックしておきましょう。

    なぜなら、ここまで紹介したようにAIチャットボットの構築・運用には定期的なチューニングが欠かせないからです。そして裏を返せば、定期的なチューニングができなければ、あまり効果を発揮することはできません。

    自社にある程度知見のある社員がいたり、万全の運用体制が整っていたりすれば問題はありませんが、「社内のITリテラシーが低い」「AIチャットボットの導入が初めて」「社内の運用体制が整っていない」などの課題を抱えているのであれば、サポートサービスが充実しているベンダーを選ぶようにしましょう。提供先の会社によって、コンサルティングだけをサポートするケース、基礎的な設定だけで終わるケース、運用のPDCAを含め一連のプロセスを全て伴走してくれるケースなど様々です。

    一番安心なのは、全てのプロセスを伴走支援してくれるような場合ですが、自社とって何が一番適したサポートなのか、改めて考え直し、そのうえで選定してみましょう。

    コストパフォーマンス

    そして最後に忘れてはならないのが、コストパフォーマンスです。AIチャットボットの導入コストは比較的高くつく傾向があるため、コスト面はしっかり確認することが大切です。

    ちなみに、導入前後でどれだけの費用対効果が出ているかを確かめるためには、現在の状況を把握する必要があります。まずは解消したい課題を洗い出し、どれだけの工数削減を目指しているか、そして工数削減によってどの程度の時間単価が浮くかを明確に算出してみましょう。

    そして、短期目標と長期目標をそれぞれ立てて、導入した後に定期的に効果を振り返れるよう、あらかじめ指標を立てておくことも大切です。事前にきちんとした目標を設定しておくことで、コスト計算もしやすくなるはずです。

    トライアルなどを提供しているツールであれば実際に利用してみて、どれだけの効果があるか契約前に確認しておきましょう。

    社内ヘルプデスク向けAIチャットボット「チャットディーラー」

    チャットディーラー

    チャットディーラーAI」は、社内ヘルプデスク向けのAIチャットボットツールです。

    チャットディーラーAIは、あらかじめAIがヘルプデスクの問い合わせに特化して学習済みであるため、初期設定に時間がかからないという特徴があります。また、AIチャットボットの初期設定時には、膨大な学習データを必要とするため、このデータを用意する手間がかからないという点も嬉しいポイントでしょう。

    ただ、「あらかじめ学習されたデータが、自社に合うか分からない」と不安に感じる方もいるかもしれません。チャットディーラーを提供する株式会社ラクスは、「楽楽精算」や「楽楽明細」など、バックオフィス業務をサポートするクラウドシステムを提供。そこで培ったノウハウを活用しているため、この点安心できるでしょう。

    また、初期導入から効果検証まで、専属のコンサルサポートが追加費用なしで受けられることもチャットディーラーの特徴。チャットボットを含む、ITシステムの活用に慣れていない場合でも、安心して導入をすることができます。

    下記のページでは、チャットディーラーの資料を無料でダウンロードすることができます。ぜひ、チェックしてみてください。

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    • 執筆者:ボットマガジン編集部
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      ボットマガジン編集部です!チャットボットについて、タイムリーでお役立ちな情報をお届けします。

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