チャットボット25社を徹底比較|AIの有無・解決できる課題別の選び方

チャットボットに興味があって探し始めたものの、「種類が多すぎてどれを選べばいいか分からない」「そもそも何を基準に選べばよいか見当もつかない」という方も多いのではないでしょうか。
比較は重要なことですが、行うにしてもなるべく短い時間で済ませたいですよね。
この記事では、企業の担当者様が導入を失敗せずスムーズに実施できるよう、「チャットボットの分類と比較ポイント」を解説いたします。
分類別のおすすめチャットボットも紹介いたしますので、ぜひ最後までお付き合いくださいませ。
チャットボットとは?簡単におさらい

チャットボット(Chatbot)とは、「チャット(会話)」と「ロボット」を組み合わせた造語で、問いかけに対して自動返答を行うプログラムのことです。
歴史は古く、初代チャットボットは1966年に誕生したといわれています。
2016年より注目を集め始め、以降AI(人工知能)の発展に伴い飛躍的に拡大していきました。
また、2020年からテレワークの普及でさらに引き合いが増え、2021年現在も市場は拡大し続けています。
チャットボット導入で解決できる課題とメリット

チャットボット導入によりどのような課題を解決して、その結果どんなメリットがあるのでしょうか。
具体的には「お客様対応の負担軽減」「社内問い合わせ対応の負担軽減」「Webサイトのパフォーマンス向上(CVR改善)」の3つの場面で使われることが多いので、それぞれみていきましょう。
お客様対応の負担軽減
該当する部門
カスタマーサポート・コールセンターなどの顧客対応部門
解決できる課題
いままで担当者が一件ずつ手動で対応していた電話やメールの問い合わせ対応を自動化することが可能です。
FAQページに掲載しているような定型的な問い合わせであれば、お客様とチャットボットのコミュニケーションのみで自己解決へ導くことができます。
メリット
問い合わせ対応の自動化により、担当者の負担軽減につながります。
また、時間を捻出できるようになるため、親身な対応が必要なお客様にきちんと稼働をかけられるだけでなく、アップセルや顧客満足度を向上させる取り組みなどの「攻めのサポート」に着手することが可能です。
一方で、お客様にとってもメリットがあります。
営業時間外であってもいつでも回答が得られるようになるため、待ち時間なしですぐに疑問を解消できるようになります。
社内問い合わせ対応の負担軽減
該当する部門
情報システム・総務・人事・経理・労務などの管理(バックオフィス)部門
解決できる課題
内線やメール、口頭で担当者に寄せられる社内問い合わせ対応を自動化することが可能です。
マニュアルを作成しても見てもらえずに内線がかかってくる…といった課題に対して、チャットボットが回答の提示やマニュアルへ案内を行うことで、従業員を自己解決へ導きます。
メリット
自己解決率の向上により、社内問い合わせ対応の負担が軽減されます。
また、担当者が業務を中断されることが少なくなるため、本業務に集中できる環境整備につながります。
一方で、問い合わせをする従業員にもメリットがあります。
管理部門が離席や休暇取得をしている場合、いままでは返答がくるまで業務の手が止まってしまう状況でした。
しかし、チャットボットを利用していつでもすぐに回答が得られるようになるため、従業員の生産性向上にもつながります。
Webサイトのパフォーマンス向上(CVR改善)
該当する部門
マーケティング・プロモーション・営業推進・広報などの企画/広報部門
解決できる課題
WebサイトやLPにチャットボットを導入することで、離脱やカゴ落ちを防止してCVRを改善することが可能です。
例えば、ECサイトで商品を購入しようとした際、送料や配送日などについて疑問が発生した場合は解消されるまで購入に至るユーザーは少ないはずです。
チャットボットの導入により、ユーザーはいつでも気軽に疑問を解消できるようになるため、購入への障害が取り除かれCVR向上につながります。
メリット
チャットツールは、電話やメールと比較して問い合わせしやすい性質を持つため顧客との接点を増加させます。
属性や会話情報を元に顧客それぞれに適した情報を提示するなど、Web上でアクティブに関わることが可能なため、需要の喚起や満足度の向上にも繋がります。
実は2種類だけ!チャットボットの種類
ツール自体の数が多いので種類も沢山あるように思えるチャットボットですが、どのような用途で利用したいかの視点でみるとわずか2種類に分類できます。
サポート型(問い合わせ対応のコストを削減するタイプ)
1つめは、サポート型です。
お客様対応と社内対応問わず、問い合わせ対応の効率化を主目的としているタイプです。
自動回答によるコスト削減をメインに利用されますが、チャットボットで回答できない場合のフローとして有人チャットと併用されるケースも多く見られます。
サポート型の特徴的な機能として、自動回答の精度向上に役立つ「レポート機能」やチャットの評価を集計する「アンケート機能」などが挙げられます。
マーケティング型(CVRを改善して売上に貢献するタイプ)
2つ目は、マーケティング型です。
購入やリード獲得を後押しして、売上への貢献を主目的としています。
蓄積した顧客情報に応じて話しかける内容や提示するポップアップを最適化したり、チャットウィンドウ自体が問い合わせフォームになっているようなチャットボットが多いです。
マーケティング型の特徴的な機能として、フォームの完了率をあげる「EFO機能」やキャンペーン情報を提供する「ポップアップ(バナー)機能」などが挙げられます。
チャットボットが適さないケースを知り導入失敗を防ぐ
チャットボットで解決できる課題や種類をみてきましたが、比較ポイントを紹介する前に導入が適さないケースを確認しておきましょう。
もしかすると、こちらのケースに当てはまっている場合、せっかくチャットボットを導入しても思ったような成果が得られず失敗してしまうかもしれません。
まずは試してみる、という考えも大切ですが、一度確認することをおすすめします。
Webサイトのアクセス数自体が少ない
チャットボットは基本的にWebサイト上へ設置して利用します。
そのため、設置元のアクセス数が少ない場合、チャットボットの利用率を改善したとしても得られる効果は限られてしまうのです。
結果、チャットボットの利用にかかる費用を回収できず、最低利用期間で解約に至るお客様も少なからずいらっしゃいます。
定型的な問い合わせが少ない
アクセス数は十分あるものの、定型的な問い合わせが少ない場合は注意が必要です。
チャットボットが回答できるのは、FAQページやマニュアルに掲載しているようなよくある質問に限られます。
そのため、個別の対応が必要だったり、ユーザーによって回答が異なるような問い合わせが大部分を占めている場合も、得られる効果が限られてしまいます。
アクセス数があるから問題ないと捉えるのではなく、「チャットボットで自動回答できる問い合わせがどのくらいあるか」をベースに、費用対効果のシミュレーションをすることが重要といえるでしょう。
絶対に外せないチャットボットの比較ポイント
いよいよチャットボットを比較する際のポイントを紹介いたします。
もしかすると会社特有の必須要件がある場合もありますが、基本的にご紹介する4点を確認すれば大きく想定とずれることはありません。
チャットボットの種類は希望の用途に合っているか?
チャットボットの種類は、用途に応じて「サポート型」と「マーケティング型」に分けられると紹介しました。
自社が解決したい課題は何か?と改めて確認を行い、課題を解決できる種類のチャットボットを選びましょう。
なお、両方の用途で利用したい場合もあるでしょう。
その場合、より優先度の高い用途を選択することが導入成功につながりやすいです。
AI(人工知能)を搭載しているか?
AIの有無は、チャットボットの費用や導入コスト、対応できる範囲など広範囲に影響を及ぼします。
一般的にAI搭載型のほうが費用や導入コストは高くなる傾向があります。
一方で、チャットボットが対応できる範囲は広くなるため、AIを搭載していないタイプに比べて、機能面では優秀な場合が多いです。
それぞれのイメージは下記の図をご覧ください。
AI有り | AI搭載の有無 | AI無し |
---|---|---|
10万円~100万円がボリュームゾーン | 費用 | 数千円~10万円がボリュームゾーン |
多め 学習データの投入&チューニングが必要 ※事前学習済みのツールも存在 |
導入コスト | 少なめ 設定が完了すれば公開可能 |
高機能 対応できる範囲が広い |
機能 | AI有りと比較すると劣る 決められたルールに沿ってのみ対応 |
AIを搭載していると何ができるのか
AIといっても具体的にどの部分で力を発揮しているか解説いたします。
下記において、蓄積されたデータを元に自動で学習を行う点でAIが活用されており、利用頻度に応じて精度が向上します。
-
入力された文章の解釈
ユーザーが入力した文章に対して、文章を正しく解釈して回答を提示できるか
-
表現のゆらぎを吸収
「Excel」と「エクセル」といったユーザーごとに異なる表現を同一のものだと認識できるか
PDCAを回せる機能を搭載しているか?
チャットボットの公開後は放置でOK!という認識は大きな誤りです。
むしろ、公開して実際に利用されてからが重要といえます。
ユーザーの動きを想定してチャットボットの設定をするのはもちろんですが、必ずしも想定通りになるとは限りません。むしろ想定外の確率のほうが高いです。
そのため、実際に利用データを集計・分析できる「レポート機能」や、分析結果を元に「簡単に設定を修正できるか」といったPDCAを回せる機能が備わっているかは必ず確認しましょう。
アクティブなサポートを受けられるか?
普及し始めているとはいえ、チャットボットの導入経験がある方はまだまだわずかです。
また、チャットボット運用に知見がある方も少ないでしょう。
そのため、導入初期から伴走してリードしてくれるようなアクティブサポートの有無は非常に重要になってきます。
初期設定方法はもちろんのこと、チャット公開後に実際の数値を見ながら効果検証を行い、課題の見つけ方や改善アクションを提示してくれれば安心できるでしょう。
なお、1点だけ注意が必要なのが、アクティブサポートがオプションの場合です。
ツールの費用は割安でも、オプションでサポートを付与すると高額な場合もあるのでよく確認しておきましょう。
おすすめチャットボット25社を徹底比較
最後に「サポート型」「マーケティング型」に分類して、25社のチャットボットを比較ポイントに照らし合わせてご紹介いたします。
自社の比較ポイントを明確にした上で、要件に合うチャットボットがみつかれば幸いです。
無料トライアルをお試しできるツールもあるので、気になったらぜひ話を聞いてみることをおすすめいたします。
サポート型チャットボット13社の比較
サポート型チャットボット13社を比較ポイントに照らし合わせてご紹介いたします。
チャットディーラー

種類 | サポート型 |
---|---|
費用 | 要問い合わせ |
AIの有無 | 無し(チャットディーラーAIというAI搭載型も提供) |
レポート機能 | 〇 |
アクティブサポート | 〇(無料) |
<出典>チャットディーラー
https://www.chatdealer.jp/
KARAKURI

種類 | サポート型 |
---|---|
費用 | 要問い合わせ |
AIの有無 | 有り |
レポート機能 | 〇 |
アクティブサポート | 〇 |
<出典>KARAKURI
https://karakuri.ai/
HiTTO

種類 | サポート型 |
---|---|
費用 | 要問い合わせ |
AIの有無 | 有り |
レポート機能 | 〇 |
アクティブサポート | 〇 |
<出典>HiTTO
https://hitto.jp/
tripla

種類 | サポート型 |
---|---|
費用 | 初期費用:30万円/月額費用:15万円~(リクエスト数で変動) |
AIの有無 | 有り |
レポート機能 | 不明 |
アクティブサポート | 不明 |
<出典>tripla
https://tripla.io/
OKBIZ. for AI ChatBot

種類 | サポート型 |
---|---|
費用 | 初期費用:50万円~/月額費用:13.2万円~ |
AIの有無 | 有り |
レポート機能 | 不明 |
アクティブサポート | 不明 |
<出典>OKBIZ. for AI ChatBot
https://okbiz.jp/solutions/okbiz-ai-chatbot/
hitobo

種類 | サポート型 |
---|---|
費用 | 要問い合わせ |
AIの有無 | 無し |
レポート機能 | 不明 |
アクティブサポート | 不明 |
<出典>hitobo
https://hitobo.io/
KUZENサポート

種類 | サポート型 |
---|---|
費用 | 要問い合わせ |
AIの有無 | 有り |
レポート機能 | 〇 |
アクティブサポート | 不明 |
<出典>KUZENサポート
https://www.kuzen.io/support.html
sAI Chat

種類 | サポート型 |
---|---|
費用 | 初期費用:30万円~/月額費用:8万円~(プランで変動) |
AIの有無 | 有り |
レポート機能 | 〇 |
アクティブサポート | プランにより異なる |
<出典>sAI Chat
https://saichat.jp/saichat/
サポートチャットボット

種類 | サポート型 |
---|---|
費用 | 要問い合わせ |
AIの有無 | 有り |
レポート機能 | 〇 |
アクティブサポート | 不明 |
<出典>サポートチャットボット
https://chatbot.userlocal.jp/
AIさくらさん

種類 | サポート型 |
---|---|
費用 | 初期費用:90万円/月額費用:38万円~(プランで変動) |
AIの有無 | 有り |
レポート機能 | 不明 |
アクティブサポート | 不明 |
<出典>AIさくらさん
https://tifana.ai/
COTOHA Chat & FAQ

種類 | サポート型 |
---|---|
費用 | 初期費用:不明/月額費用:19.5万円~ |
AIの有無 | 有り |
レポート機能 | 不明 |
アクティブサポート | 不明 |
<出典>COTOHA Chat & FAQ
https://www.ntt.com/business/services/application/ai/cotoha-cf/lp.html
PEP

種類 | サポート型 |
---|---|
費用 | 要問い合わせ(メッセージ送信数に応じた段階式従量課金) |
AIの有無 | 無し |
レポート機能 | 〇 |
アクティブサポート | 〇 |
<出典>PEP
https://pep.work/
AI Messenger Chatbot

種類 | サポート型 |
---|---|
費用 | 要問い合わせ |
AIの有無 | 有り |
レポート機能 | 〇 |
アクティブサポート | 〇 |
<出典>AI Messenger Chatbot
https://www.ai-messenger.jp/
マーケティング型チャットボット12社の比較
マーケティング型チャットボット12社を比較ポイントに照らし合わせてご紹介いたします。
BOTCHAN

種類 | マーケティング型 |
---|---|
費用 | 初期費用:不明/月額費用:5万円~ |
AIの有無 | 無し(応相談) |
レポート機能 | 〇 |
アクティブサポート | 〇 |
<出典>BOTCHAN
https://botchan.chat/
Zeals

種類 | マーケティング型 |
---|---|
費用 | 初期費用:無料/月額費用:無料(CVの成果報酬) |
AIの有無 | 無し |
レポート機能 | 不明 |
アクティブサポート | 不明 |
<出典>Zeals
https://lp.fanp.me/
qualva

種類 | マーケティング型 |
---|---|
費用 | 要問い合わせ |
AIの有無 | 無し |
レポート機能 | 〇 |
アクティブサポート | 不明 |
<出典>qualva
https://qualva.com/
chamo

種類 | マーケティング型 |
---|---|
費用 | 初期費用:不明/月額費用:6,500円~(プランにより変動) |
AIの有無 | 無し |
レポート機能 | 〇 |
アクティブサポート | 無し |
<出典>chamo
https://chamo-chat.com/
AI.BiS

種類 | マーケティング型 |
---|---|
費用 | 初期費用:不明/月額費用:2.98万円~ |
AIの有無 | 有り |
レポート機能 | 不明 |
アクティブサポート | 無し |
<出典>AI.BiS
https://aibis.info/
ChatBook

種類 | マーケティング型 |
---|---|
費用 | 初期費用:不明/月額費用:10万円~ |
AIの有無 | 無し |
レポート機能 | 不明 |
アクティブサポート | 〇 |
<出典>ChatBook
https://chatbook.ai/jp/
hachidori

種類 | マーケティング型 |
---|---|
費用 | 要問い合わせ |
AIの有無 | 有り |
レポート機能 | 〇 |
アクティブサポート | 不明 |
<出典>hachidori
https://hachidori.io/
sinclo

種類 | マーケティング型 |
---|---|
費用 | 要問い合わせ |
AIの有無 | 無し |
レポート機能 | 不明 |
アクティブサポート | 不明 |
<出典>sinclo
https://sinclo.medialink-ml.co.jp/
SYNALIO

種類 | マーケティング型 |
---|---|
費用 | 要問い合わせ(メッセージ送信数に応じた段階式従量課金) |
AIの有無 | 無し |
レポート機能 | 〇 |
アクティブサポート | 〇 |
<出典>SYNALIO
https://synal.io/
Engagebot

種類 | マーケティング型 |
---|---|
費用 | 要問い合わせ |
AIの有無 | 無し |
レポート機能 | 不明 |
アクティブサポート | 不明 |
<出典>Engagebot
https://www.engage-bot.asia/
Parot

種類 | マーケティング型 |
---|---|
費用 | 初期費用:無料/月額費用:1万円~ |
AIの有無 | 無し |
レポート機能 | 〇 |
アクティブサポート | × |
<出典>Parot
https://parot.jp/
Revive

種類 | マーケティング型 |
---|---|
費用 | 初期費用:無料/月額費用:不明 |
AIの有無 | 無し |
レポート機能 | × |
アクティブサポート | × |
<出典>Revive
https://revive-chat.io/
まとめ
チャットボット導入を成功させるため、本記事では「チャットボットの分類」や「比較のポイント」を解説し、種類別におすすめチャットボットを紹介いたしました。
ここまで読んでいただいた方は、ある程度の目星をつけられたかもしれません。
しかし、Webサイト上に公開されている情報は限られており、費用や機能の詳細などを知りたい場合、各サービスサイトより資料請求する必要があるのが現状です。
そのため、目星をつけた中で、まずは1~2社に問い合わせをしてみることをおすすめします。
まとめて請求すると電話が鳴り止まなくなる可能性があるので、まずは小さく初めて見るとスムーズに検討を進められるはずです。
手前味噌で恐縮ですが、弊社もチャットディーラーというチャットボットを提供しております。
「はじめてのチャットボット」というコンセプトで、はじめて導入を検討される方に選ばれる機会が多いです。
もう少しチャットボットについて知りたい!とお考えならぜひお気軽にご相談ください。
チャットボット導入により、貴社の課題が解決され、目的を達成するきっかけになれば幸いです。
※本記事を元に、チャットボットの選び方フローチャートを簡単に作成してみました。
よろしければご活用くださいませ。
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この記事を書いた人
川口 雄治
法人向けクラウドサービスを提供する株式会社ラクスで、製品プロモーション・営業支援を担当。前職は無印良品の店長という少々変わった経歴。