チャットボット導入の成功事例と失敗事例を業界別・シーン別に紹介

様々な業界でチャットボットの導入が進んでいます。
しかし、自社に導入してどのようなメリットがあるのかを具体的にイメージできない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、業界別・利用シーン別にチャットボットの導入事例を紹介いたしますので、自社に近しい事例からイメージを膨らませるのにお役立ていただけます。
チャットボット導入のメリット
チャットボット導入にどのようなメリットがあるのかを「企業のメリット」「ユーザーのメリット」の両面から解説いたします。
企業のメリット
ユーザーからの問い合わせに自動回答できるようになるので、「スタッフの対応負担を軽減&人件費の圧縮(コストカット)」が可能になります。
また、Webサイト訪問中の潜在ユーザーにもアプローチできるようになり、離脱防止やCVR向上に貢献して「売上アップ」にもつながるでしょう。
加えて、自動回答によるレスポンスの速さや手厚いWeb接客によって、顧客満足度の向上にも同時に寄与します。
ユーザーのメリット
ビジネスタイム以外によく閲覧されるサイトの場合、回答は翌営業日以降になることが多いため、ユーザーは一般的に待たされてしまいます。Webサイトにチャットボットがあることで、24時間365日いつでもすぐに疑問を解消できるようになるため、ユーザーの待ち時間を削減します。
また、従来の電話やメールに比べて、チャットボットは問い合わせの心理的ハードルが低いため、気軽に相談できるようになる点もユーザー側のメリットといえるでしょう。

業界別のチャットボット導入事例
チャットボットが各業界でどのように使われているかを実際の導入事例を元にご紹介いたします。
EC・通販業界

メルカリは、お客様増加の影響で有人対応だけでは限界があると感じ、24時間対応できる機能が欲しいという社内ニーズからチャットボットを導入しました。
メルカリのガイドページに設置されており、選択肢かフリーテキストの入力で気軽に質問が可能です。
また、梱包の仕方などを質問すると、商品のカテゴリごとに分岐していき、最終的に画像付きで回答を得ることができます。
自分の知りたい情報をピンポイントでわかりやすく教えてくれるので、ユーザーにとって非常に親切なサポートを実現しているといえるでしょう。
<出典>株式会社メルカリ
https://jp-news.mercari.com/articles/2018/11/14/chatbot/
自治体

神奈川県海老名市は、市のWebサイトとLINEで市民の問い合わせに対応するチャットボットを導入しました。
市のイメージキャラクター「えび~にゃ」が、ごみの分別方法や届け出、防災情報などについて自動で回答してくれます。
質問方法は、チャットウィンドウのメニューから選択するかフリー入力が可能です。
また、市のWebサイトではコンシェルジュ機能も搭載しており、「調べたいことがあるけど見つからない」「どこを探せばいいかわからない」などのお悩みも解決してくれるので、市民にとって便利なサービスになっているといえるでしょう。
<出典>神奈川県海老名市
https://www.city.ebina.kanagawa.jp/koho/1008945.html
医療・福祉業界

山本クリニックは、予約と問い合わせ電話の負担削減を目的にチャットボットを導入しました。
Webサイトに設置されており、選択肢形式で診療内容や予約などのお悩みをすぐに解決できます。
また、チャットボットだけでは解決できない場合、問い合わせフォームを表示されるので、改めて電話やメールをする必要がない点は親切でしょう。
利用者は追ってクリニックから電話やメールで回答がもらえるので安心できます。
Webサイトだけだと埋もれがちな「男性外来」のカテゴリについて、チャットボットの選択肢として表示しておくことで問い合わせにつながるなどプロモーションにも効果がでているようです。
利用者によっても、クリニックにとっても良い効果がでている事例といえるでしょう。
<出典>人気クリニックが負担軽減とサービス向上を同時に実現した秘訣|チャットディーラー導入事例
https://www.chatdealer.jp/case/interview_yamamotoclinic/
学校・教育業界

法政大学の入試課では、受験生や保護者向けの入試情報サイトを運営しています。
しかし、情報量の増加に伴い、受験生に見てほしいコンテンツまで辿り着きにくい状況だったため、ナビゲーションを目的にチャットボットを導入しました。
受験シーズン以外でもWebサイト内に埋まっている情報を押し出すことを目的に、チャットボットを使って学部診断などで魅力を伝えるようにしています。
また、LINEでもチャットボットを利用しており、友だち登録してくれる方は志望度が高いとのこと。
そのため、Webサイトと併用することでより広くアプローチできるメリットがあるようです。
<出典>法政大学様・活用事例インタビュー | チャットボット型マーケティングツール「SYNALIO」
https://synal.io/interview/hosei/
運送業界

ヤマト運輸では、集荷や再配達の問い合わせ対応にチャットボットを導入しています。
WebサイトとLINE、それぞれでチャットボットによる自動対応を行うことができます。
筆者も再配達で個人的に利用しますが、使い勝手がよく非常にありがたいと感じています。
また、LINEではヤマト運輸の黒猫にちなんで「ねこ語」に対応していると話題です。
ユーザーが語尾に「にゃ」を付けたり、「にゃーん」などと話しかけると、ねこ語で返事をしてくれるというものです。
サービスに親しみをもってほしいという目的で取り組んだとのことだが、チャットボットはいかに利用してもらうかが非常に重要なため、成功事例の1つといえるでしょう。
<出典>ヤマト運輸株式会社
https://chat.kuronekoyamato.co.jp/yamatoytc/traina-front-chat/FR04/FR0400
不動産業界

株式会社アエラスでは、物件リクエストや来店予約としてチャットボットを導入しています。
例えば、物件リクエストでは、物件の種類や最寄り駅までの徒歩件数、沿線などを選択していくと、追って条件に沿った物件をメールなどで紹介してもらえます。
チャットボットの質問に答えていくだけで入力が完結するので、さくさくと進められることが魅力です。
また、来店予約もチャットボット経由で簡単に行えるので、予約のハードルがぐっと下がります。
ユーザーにとっては手間なく、企業にとっては来店いただける確率が高まるため双方にメリットがあるといえるでしょう。
<出典>株式会社アエラス
https://www.aeras-group.jp/
シーン別のチャットボット導入事例
チャットボットが各シーンでどのように使われているかを実際の導入事例を元にご紹介いたします。
社内の管理部門(バックオフィス・コーポレート)

経理や総務など管理部門でのチャットボット導入事例です。
株式会社ラクスの経理では、社員からの問い合わせ対応を削減する目的でチャットボットを導入しました。
使い方は、経費の申請や精算を行うシステム上にチャットボットを設置し、「請求書や領収書について」「精算や支払依頼の操作について」など、申請業務にかかわる問い合わせ対応に活用しています。
また、マニュアルがみたいと思っても探すのが面倒な方に向けて、マニュアル自体を案内することで社員の自己解決率を高めるように工夫しています。
<出典>経理プラス
https://keiriplus.jp/efficiency/interview_rakus_chatbot/
BtoB

クラウド受付システム「RECEPSIONIST(レセプショニスト )」では、自社サイトのCVRを高めるためにチャットボットを導入しました。
チャットウィンドウを開くと、資料請求でもらえる資料のサムネイルが表示され、かつ「Webで非公開の料金も掲載されている」と訴求しており動機付けに効果がありそうです。
また、個人情報の入力も質問に答える形で回答できるので、通常のフォームに比べて申し込みまでのハードルが低い印象も受けます。
チャットボットの導入で資料請求の心理的ハードルを下げたことで、Webサイトからの離脱を防止しCVRを改善することつながった事例といえるでしょう。
<出典>導入事例詳細|| | BOTCHAN
https://botchan.chat/case/receptionist
LINE

LINE公式アカウントにチャットボットを導入している事例です。
画面下部のコンテンツ枠をタップすると、チャットボットが自動応答してLINE上で疑問の解消や依頼などを行うことができます。
また、フリーメッセージで質問を投げかけることも可能です。
慣れ親しんだLINEというインターフェース上にチャットボットを導入することで、ユーザーの利便性を高めているといえるでしょう。
<出典>LINE公式アカウント(ライフネット生命/ヤマト運輸)
チャットボットの失敗事例
チャットボットの成功事例の裏には、数々の失敗事例が隠れています。
特に、チャットボットはある種トレンドでもあるため、きちんと目的を持って導入していないケースは失敗が多いです。
ここでは、チャットボットの導入に失敗してしまう事例を紹介いたします。
そもそもチャットボット導入が向いていなかった
問い合わせ対応件数の削減を目的にチャットボットを導入したものの、チャットボットで回答できる質問がほとんどなかったという失敗事例です。
チャットボットが回答できる領域は、FAQに掲載しているような「よくある質問」です。
しかし、本事例では、お客様の現状をきちんとヒアリングしたうえで提案を行う必要のある問い合わせ内容ばかりで、チャットボットで解決に導くことが困難でした。
そのため、結局はスタッフが手動で対応することになり、チャットボットの費用対効果が出せずに失敗してしまいました。
訪問ユーザー数が少なくてチャットボットが使われなかった
CVRの改善を目的にチャットボット導入を目的としたものの、Webサイト自体の訪問ユーザー数が少なく、ほとんど利用されなかった失敗事例です。
チャットボットはWebサイトの訪問者に対して働きかけるため、そもそも訪問ユーザー数が少なければ効果は限定的になってしまいます。
そのため、費用対効果がでるほどの成果を上げられずに導入に失敗してしまいました。
チャットボットの導入失敗については、下記コラムで詳しく紹介しておりますので興味のある方はコチラからご覧ください。
まとめ
チャットボットの業界別・シーン別の事例を多数ご紹介しましたが、自社に導入した際のイメージが湧きましたでしょうか。
もしチャットボット導入を小さく始めたいという方はチャットディーラーというツールをぜひ検討くださいませ。
「はじめてのチャットボット」というコンセプトで、どなたでも簡単にすぐにご利用いただけます。
詳細は下記よりご確認いただけます。
▼はじめてのチャットボット「チャットディーラー」
https://www.chatdealer.jp/
また、シーン別の導入事例で紹介した「管理部門(バックオフィス・コーポレート)」での利用をお考えの際は、管理部門に特化した種類も提供しておりますので下記をご覧ください。
▼管理部門向けチャットボット「チャットディーラーAI」
https://www.chatdealer.jp/ai-chatbot/
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この記事を書いた人
川口 雄治
法人向けクラウドサービスを提供する株式会社ラクスで、製品プロモーション・営業支援を担当。前職は無印良品の店長という少々変わった経歴。