「チャットボット」は〇〇に悩みを抱える企業に導入されていた!

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チャットを利用してユーザー対応を自動で行えることができる「チャットボット(chat bot)」。
ユーザーと企業間のコミュニケーションを円滑にしたり、人件費のコスト削減に役立ったりと、近年は広く用いられるようになりました。
実際にチャットボットを利用して、分からないことを質問したり、申し込みの手続きをしたりした経験がある方も多いでしょう。

今回は、そんな便利なチャットボットが、どのような悩みを持つ企業に多く導入されているのかを解説します。
また、実際の活用事例やその効果、導入にあたってのポイントもご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

この記事の目次

    チャットボットを導入しているのはこんな企業が多い!

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    まず、チャットボットを導入している企業の特徴についてご紹介します。導入企業が抱える悩みをおさえておくことで、チャットボットのメリットについても深く知ることができます。
    同じような悩みを抱えている企業は、これを機にぜひチャットボットの導入を検討してみてください。

    人材不足に悩む企業

    チャットボットを活用するメリットの1つに、「顧客対応の効率化」があります。ユーザーが問い合わせをする段階で、オペレーター対応が必要な複雑な内容と、チャットを通しての簡易な対応で済む内容とを切り分けることで、対応業務の効率化が期待できます。

    実際にオペレーターが対応する問い合わせが減ることで、オペレーターの配置人数や対応時間を減らせるだけでなく、より多くの質問を素早く処理できるようになります。加えて、対応時間が削減されることで、従来ユーザー対応に従事していたスタッフを、他業務に配置できるといったメリットもあります。

    このようなメリットから、チャットボットはオペレーターの人員不足に悩む企業や、人件費に課題を感じている企業に多く導入されています。
    特にECサイトを運営する企業では、ユーザーからの問い合わせが多く、人手不足に悩む企業も多いでしょう。そんな企業がチャットボットを導入することで、業務体制上の課題を解決できます。

    働き方改革を推進したい企業

    チャットボットの導入は、働き方改革を推進したい企業にもおすすめです。
    働き方改革の施行により、リモートワークなどさまざまな働き方を取り入れる企業が増えつつあります。そんな中でもカスタマーサポートチームは、顧客と電話でやり取りすることも多く、柔軟な働き方を取り入れることが難しいとされています。

    しかし、チャットボットを導入すれば、カスタマーサポートチームでもリモートワークを取り入れることができます。チャットボットは、チャット上でカスタマーサポートスタッフが顧客とやり取りを行う「有人チャット」にて対応を行うことも可能です。有人チャットを導入すれば、わざわざ会社に出社せずとも、顧客とやり取りができるようになります。
    チャットボットは、カスタマーサポートチームのフレキシブルな働き方の手助けとなるツールでしょう。

    顧客満足度を向上したい企業

    チャットボットは、顧客満足度の向上を目指す企業にとても有効です。チャットボットの導入により、オペレーターの対応時間が削減されることで、直接対応が必要なものに専念することができ、カスタマーサービスの品質向上が期待できます。

    また、チャットボットであれば、24時間365日のフルタイムでユーザーの対応をすることも可能です。そのため、「今すぐに解決したい」「回答が欲しいが通話ができる環境じゃない」といった、顧客の要望にいつでも応えることができます。スピーディーな回答は、顧客にとって嬉しいもので、満足度の向上が期待できます。

    加えて、気軽に利用できるチャットボットには、「問い合わせのハードルが低い」といった利点もあります。今までは質問したくても、手間を考えるとなかなか問い合わせに踏み切れなかったというユーザーでも、チャットボットになら気軽に問い合わせができるのです。

    サイトの離脱率やCV率を改善したい企業

    チャットボットは、Webサイトの離脱率低下やCV(コンバージョン)率改善の助けにもなります。ユーザーとの対話データを活用することで、今まで見えていなかった新たなニーズを発見することができます。

    チャットボットを活用することで得られる、より実地に即したデータを活用して、ユーザーに対するアクションや訴求をブラッシュアップすれば、離脱率の低下、CV率の改善を目指すことができます。

    チャットボットを導入すべき企業の業種は?

    コールセンターをなくすのはNG

    前章では、どのような課題をお持ちの企業に、チャットボットの導入がおすすめなのかを解説しました。チャットボットを導入することで、さまざまな課題を解決できることがお分かりいただけたかと思います。

    ここではさらに、「チャットボットを導入すべきなのは、どのような業種の企業なのか」について切り込んでいきます。

    ECサイトを運営する企業

    ECサイトを運営しているのであれば、チャットボットの導入はマストといってもいいでしょう。

    ECサイトのカスタマーサポートには、毎日数多くの問い合わせが寄せられます。その問い合わせの多くは、「送料について」「配達について」など、同じような内容がほとんどで、そういったパターン化された質問への対応で、業務がひっ迫してしまうことも多いようです。

    そこで、パターン化される簡単な問い合わせに関しては、チャットボットが自動対応できるようにすることで、カスタマーサポートの大幅な負担軽減が期待できるでしょう。

    また、ECサイトは、夜間や休日といった営業時間外の利用率が高い傾向があります。従来、営業時間外に問い合わせが寄せられると、すぐに対応できず、機会損失につながるといったケースも見られました。しかし、先述した通り、チャットボットであれば24時間365日対応が可能であるため、こういった損失リスクの発生を抑えることができるのです。

    このように、ECサイトを運営するのであれば、チャットボットの導入を一度検討してみるべきでしょう。

    IT企業

    チャットボットは、何らかのシステムを提供しているようなIT企業にもおすすめです。

    システム等を提供している場合、設定方法や使い方などの質問を受ける、カスタマーサポートを設置することが一般的でしょう。そしてECサイトと同じく、毎日同じような質問が寄せられ、その対応に追われているというケースも少なくないはずです。

    そこで、チャットボットで一部の対応を自動化することで、業務負担を減らすことができます。

    また、システムの操作などは、口頭で説明しにくい部分もあるでしょう。そういった場合でも、チャットボットであれば、画面のスクリーンショットなどを用いりながら説明することができるので、ユーザーにとっても分かりやすいというメリットがあります。

    教育関連企業

    学校や塾といった教育関連のビジネスでは、学生に対するサポートを適切に行い、サービスに対する評価を向上させることが大事です。そこで学生からの質問をチャットボットで対応できるようになると、学校のブランド力向上や職員に対する負担軽減といったメリットが得られます。

    例えば、入学前のシーズンは問い合わせが集中しやすく、学生に対して十分なサポートを行うことが困難です。しかし、オープンキャンパスの日程や服装に関する問い合わせなど、定型化できる質問をチャットボットで対応すれば、対応を維持しつつ業務負荷を抑えられます。

    また、塾は新規顧客に向けたサポートや見込み顧客へ向けたマーケティングなど、チャットボットを活用できる場面が多いです。24時間対応が可能なチャットボットを導入することで、学生や保護者からの質問に対してスムーズに回答できるホームページを構築できます。時間帯を問わずに応対できるチャットボットを導入することで、学生の疑問を直ぐに解決できるようになり、評価も高まるでしょう。

    士業

    士業では、税務・法律といった専門的な知識を要する問い合わせに対して、適切なサポートを行うことが求められます。チャットボットを導入するおもなメリットは、問い合わせ件数が多い質問や定型化できる質問への対応を自動化できることです。

    専門性が高い質問や複雑な問い合わせに関しては従業員が直接対応を行うなど、問い合わせを切り分けることで業務効率の向上と顧客満足度の向上を図れるメリットもあります。また、チャットボットで対応しきれない質問は電話による直接対応や問い合わせ窓口に誘導することで、従業員とクライアントの双方に掛かるストレスを軽減できるでしょう。

    医療現場

    医療施設のホームページにチャットボットを導入する場合、受けられる治療内容や治療方法などを一般の人に分かりやすい言葉で案内することが大事です。専門用語を多用してチャットボットを構築した場合、医療施設を探している患者にとって利便性が低いサービスになってしまいます。

    チャットボットはシステムによる自動応答を行うことが特徴となっているサービスです。電話で話しづらい内容でも気軽に問い合わせをしやすい特徴があるため、適切に運用することで医療施設の評判向上が見込めます。

    また、一部自治体や行政などでも活用されていますが、チャットボットを活用すれば緊急時の無料相談サービスなども展開できます。例えば、利用者が症状を選択したりフリー入力をすると、想定される疾患をレコメンドしてくれたり、次に取るべき対応策を提示したりすることも可能です。特に緊急性が高いような医療の現場において、適切な初期対応を教えてくれるサービスは重宝されるでしょう。

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    チャットボットを導入した企業の事例

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    ここまで、チャットボットのメリットと共に、導入している企業の特徴をご紹介しました。
    次に、実際の活用事例とその効果について詳しく見ていきましょう。

    よくある問い合わせが50%も削減できた事例

    株式会社NORGは、オンラインゲームで貯めた仮想通貨を使って賞品を獲得できるゲームサイト「ミリオンゲームDX」や、オンライン上で多数のユーザーと交流ができるコミュニティサイト「デジカフェ」を運営しています。

    元々、毎日のように同じ内容の問い合わせを受けたり、定休日である土日の間は返事を返せなかったりと、さまざまな課題を抱えていました。課題解決のために、よくある質問と答えをまとめたFAQページを用意するなどの対策を図ったものの、思ったような成果が出ず、チャットボットの導入に踏み切りました。

    導入当初はよくある質問の設定などを行い、設定した通りにチャットボットが稼働するかどうかのテストを行い、質問に対する返答文が分かりやすい内容になっているかどうかなど、試行錯誤してみたそうです。

    その結果、導入前に比べて問い合わせ数を50%削減できた質問もありました。全体では30~40%の問い合わせが削減できるなど、対応業務量の大幅カットを実現しました。
    問い合わせが減ったことから、スタッフが他の業務に専念する時間が増えたことに加え、チャットボットの利用データから、「実際にユーザーが求めている情報」を明確にすることで、FAQページの改善にも役立ちました。今後は他のサービスにもチャットボットを活用して、さらなる満足度向上を目指したいそうです。

    顧客ニーズが顕在化できた事例

    多くの女性に親しまれる老舗通販ブランドの、「ニッセン」を運営する株式会社ニッセンは、従来のカスタマーサポートのあり方の脱却を目指していました。顧客対応を行うコンタクトセンターでは、人手不足が深刻化しており、管理職の従業員も自らが手を動かすような状況が続いていました。

    また、当時は基幹システムの刷新の最中で、システムの切り替えに際して、手動で返品対応を行ったり、メール業務が大幅に増大したりと、数多くの課題を抱えていました。
    経営層からの、「いつまでも“人ありき”で考えるのではなく、今はコストパフォーマンスの高いITツールがあるのだから活用したらどうか」といった助言もあり、今後の見通しも含めて「自動化」や「セルフサービス化」といった、体制の刷新を考えるようになったそうです。

    こういった背景から、ニッセンでは労働集約型の業務体制の改善を目指し、チャットボットの導入に踏み切りました。チャットボットは、既存のQ&Aをベースに設定をし、結果的に問い合わせの15%の削減に成功しました。

    加えて、チャットボットを導入したことで、今までは気付くことのできなかった、顧客の本当の声も把握できるようになりました。こういったデータを日常的に活用することで、さらなるサイト改善や顧客満足度の向上に役立てているとのことです。

    現場の負担軽減が実現された事例

    一般診療や美容系診療を行う山本クリニックでは、電話による予約や問い合わせ対応が集中することで従業員に負担がかかることを課題としていました。利用者が知りたい情報をすぐ把握できるようにホームページを改良する施策も考えていたそうで、従業員と利用者にとって快適なサービスを実現したいという目標を掲げていました。

    そして、展示会をきっかけとしてチャットボットの導入を検討するようになり、数社のシステムを比較検討した中で、コストパフォーマンスに優れたチャットボットを選んで運用を開始。

    チャットボット導入後は、診療時間や営業日の確認といった定型化できる問い合わせが減ったそうです。チャットボットを経由した予約が増え、ホームページのサービス向上を実現することができました。

    コストカットに成功した事例

    オンライン英会話サービスを展開する株式会社レアジョブでは、カスタマーサポートの効率向上を目的としてチャットボットを導入しました。当時はサービス利用者数の増加に伴って問い合わせ件数が増加し、従業員に負担が集中する状況が続いていたそうです。

    そこで、定型化できる質問をチャットボットで解決できる体制を構築することで、カスタマーサポートの品質向上と従業員の負担軽減を図りました。チャットボットを導入した後は、業務効率の向上によってコストカットを実現。時間外の問い合わせ対応が行えるようになったことで、顧客満足度の向上も叶ったそうです。

    CV率の改善に成功した事例

    就活サポートサービスを展開するレバレジーズ株式会社では、学生に対するマーケティング施策としてメールに代わる方法を探していました。他のマーケティングツールとチャットボットを連携させることによって、マーケティング効率の向上が見込めることからチャットボットの導入を決めたそうです。

    実際、チャットボットを導入後は従業員に掛かる負担を軽減しながらマーケティング効率を向上させられたそうで、コンバージョン率の改善やクリック率の向上を実現しています。

    また、こちらの記事でもチャットボットの導入事例をご紹介しています。ぜひあわせてチェックしてみてください。

    チャットボット比較表

    チャットボットを導入する企業がすべき5つのこと

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    ここまでの説明で、チャットボットの有用性についてご理解いただけたことでしょう。では、いざ導入するとなった際に、どのようなことに気を付けるべきなのでしょうか?具体的に5つのポイントをチェックしていきましょう。

    <その①>具体的な目標を立てる

    1つ目のポイントは、「具体的な目標を立てる」ことです。

    まず、現在どのような課題を抱えていて、チャットボットを導入することでどれだけの改善がはかれる見込みなのか、あらかじめ具体的な目標を立てておきましょう。具体的な目標を立てておくことで、効果を測定しやすくなったり、ボトルネックの発見がしやすくなったりします。より具体的な数値を設定することで、よりクリティカルな改善ができるはずです。

    <その②>運用体制を整える

    2つ目に押さえておきたいポイントは、「運用体制を整えておく」ことです。体制をしっかり整えないままチャットボットの導入を進めていくと、余計な手間が増えてしまったり、アップデートの人員を確保できなかったりと、失敗の元になってしまうことも少なくありません。

    質問に応じて返答をあらかじめ用意しておく”シナリオ型”のチャットボット、ディープラーニングなどの機会学習を通して自己アップデートを行う”AI型チャットボット”、いずれの場合でも運用体制を整えておくことは大切です。

    回答の精度や運用後のシナリオ・返答文の改定など、導入初期はさまざまなチューニングが必要になります。そのため、「チャットボットを導入したら終わり」という考えではなく、導入後の設定や改善作業などを無理なく行えるよう、充分な体制を整えておくようにしましょう。

    <その③>定期的にアップデートを行う

    最後におさえておきたいポイントは、「定期的にアップデートを行うこと」です。前述したように、チャットボットでの業務効率化を最大化する場合には、導入後の改善運用プロセスがとても重要です。

    例えばECサイトでは、季節によってユーザーが問い合わせる質問の内容が変化するケースがあります。導入当初は用意していなかった回答が必要になったり、用意していた回答では顧客の課題を十分に解消できなかったりすることもあるでしょう。
    そのため、シナリオや登録データを見直すほか、質問の解決率・顧客満足率を測定して、定期的なチューニングを欠かさずに行う必要があります。

    <その④>収集データをもとに商品・サービスの品質向上を行う

    チャットボットを通じた対話データを集積し、自社サービスや製品のさらなる品質向上に役立てるのも効果的です。顧客の生の声を聞くことで、新たな顧客層の発掘や新製品の開発に役立つヒントも見つかるかもしれません。
    会話データを通して、顧客が求めている本当のニーズに注目して分析し、商品・サービスの品質向上を目指しましょう。

    <その⑤>チャットボットツールはさまざまな角度から比較する

    チャットボットの導入方法として、ツールを使うことが一般的とされています。
    このチャットボットツールを選ぶときは、「機能性」「操作性」「費用」など、さまざまな角度から比較するようにしてください。

    例えば、「機能はとても豊富だが、操作が難しい」「費用は安価だが、機能性に欠ける」といったツールを導入しても、チャットボットの効果を最大化することは難しいでしょう。
    ひとつの視点で比較するのではなく、さまざまな角度から比較し、自社に最適なツールを見つけ出してください。

    まとめ

    今回はチャットボットが導入されやすい企業の特徴について、チャットボットのメリットと共にご紹介しました。人材不足に悩む企業、労働集約型の作業に追われて顧客満足度が下がってしまった企業、顧客の潜在的なニーズを今ひとつ掴めていない企業などは、チャットボットの導入で改善が期待できることは多くあります。

    まずは今抱えている課題を整理し、解決に向けてどのようなチャットボットを導入するのが相応しいのか、業態やジャンルに適しているかを吟味しましょう。すでに利用しているシステムがある場合は、チャットボットと連携が取れる仕様かどうかも確認してみることがおすすめです。
    また、導入する際には「健全な管理体制を築けるか」「無理なくチューニング作業ができる人材を確保できるか」といった部分にも留意するようにしてください。

    今回ご紹介したような課題を抱えている方は、ぜひ導入を検討してみてはいかかでしょうか。併せてご説明したチャットボットの導入ポイントや活用事例などを元に、業務の効率化を図ってみてください。

    チャットボットで問い合わせをラクに。
    • 執筆者:ボットマガジン編集部
    • この記事を書いた人

      ボットマガジン編集部

      ボットマガジン編集部です!チャットボットについて、タイムリーでお役立ちな情報をお届けします。

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