チャットボットはノーコード(プログラミングなし)で導入可能?おすすめツールもご紹介
接客や問い合わせ対応の窓口の一つとして、注目を浴びているチャットボット。
チャットボットの構築には、時間もコストもかかるイメージがあるでしょう。プログラミングが必要で気軽には導入できない、というイメージを持っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
近年、チャットボット市場の拡大にともない専用のツールは増え、選択肢も広がってきました。一言でチャットボットのツールといっても、その種類や特徴はさまざまです。
今回は、中でも導入における技術面でよくある悩みを解決する、ノーコード(プログラミングなし)での導入や、導入するうえでおすすめのツールをご紹介していきます。
チャットボットとは
チャットボットとは、チャットとボットを組み合わせたワードで、自動で会話を行うことができるプログラムのことです。カスタマーサポートやヘルプデスクの業務を代替させることで業務効率化・生産性向上を図れることから、多くの企業で導入が進められています。
チャットボットを作成する方法は、大きく分けて以下2つの方法があります。
- プログラミングを行ってイチから開発する
- ノーコードツールを活用して作成する
ノーコードツールとは、プログラミングを行うことなく管理画面上で必要な機能やパーツを組み合わせて開発を行う手法のことです。近年ではチャットボットを手軽に作成できるノーコードツールが数々のベンダーからリリースされており、効率性・利便性の観点からチャットボット導入時にはツールを活用することが一般的となってきます。
チャットボットができること
チャットボットでは、具体的に次のようなことができます。
-
問い合わせ数削減
ストレスも疲労も感じることなく常に一定の対応を行えるため、問い合わせ数の削減に貢献することができます。
-
対応品質向上
時間・曜日に関わらずいつでも速やかな対応ができるため、対応品質を向上させることができます。
-
販売促進・顧客満足度向上
顧客データをもとに対話を通じて最適な提案や案内ができるため、販売促進や満足度向上に寄与することができます。
-
データ収集・分析
会話・対応のデータを自動で収集できるため、データを分析することでビジネスの改善につなげることができます。
チャットボットには大きく分けてAI搭載型・AI非搭載型の2種類がありますが、前者では自然言語・文脈を理解した質疑応答など、より高度な対応を行うことが可能です。
チャットボットの浸透
株式会社矢野経済研究所が2018年に実施した調査(※)では、チャットボットの市場規模は2017年時点では11億円、その後も右肩上がりで推移し、5年後の2022年にはおよそ10倍以上の132億円という規模にまで成長するということが明らかになりました。
働き方改革も、市場規模の拡大に大きな影響を与えています。接客対応に限らず、社内で発生するさまざまな問い合わせ対応にもチャットボットが活用される傾向が見られてきました。
これらのデータからわかることは、今後もチャットボットの普及スピードは上昇し、チャットボットが日常の中に溶け込む存在に変わっていく、大きな可能性を秘めているということです。
今でこそチャットボットは「新しいもの」という感覚がありますが、ものの数年後には、チャットボットでの問い合わせ対応は、今の電話やメールのように普通のものとなっていくことでしょう。
(※)対話型AIシステム市場に関する調査を実施(2018年)|矢野経済研究所
チャットボットの活用場面
問い合わせツールの一つとして、急成長しているチャットボットですが、実際にその力を発揮し活用できるのはどのような場面でしょうか?
一つずつ見ていきましょう。
社内ヘルプデスク
社内ヘルプデスクとは、総務・経理・人事等のバックオフィス部門に寄せられる社内手続きや問題解決等の問い合わせに対応する業務のことです。企業活動を円滑に進めるにはスムーズな対応を行うことが重要ですが、実際には問い合わせが集中したり兼任によるリソース不足に陥ったりと、業務効率化・負荷軽減の課題を抱えているケースが多くあります。
社内ヘルプデスクにチャットボットを導入すれば、定型的な問い合わせや頻度の高い問い合わせに自動対応することができるため、大幅な業務効率化・業務改善を行うことが可能です。バックオフィス部門が問い合わせ対応を兼任している場合においても、負担が軽減されることにより本来の業務にも無理なく取り組むことができます。
また、ヘルプデスクの利用者側も、時間や曜日に関わらず速やかに回答を得ることができるようになるため、企業全体の生産性も向上させることができるでしょう。
社内ヘルプデスクの課題を人的リソースで解決することは困難ですが、チャットボットであれば効果的・効率的な課題解決が可能であることから、導入を進める企業は増え続けています。
カスタマーサポート
チャットボットは、社内ヘルプデスクのような社内向けの用途だけでなく、社外の顧客からの問い合わせ対応を行うカスタマーサポートでも活用されています。
従来型の電話・メール等を用いた有人でのカスタマーサポート業務は、業務効率の悪さや精神的負担からの離職など、多くの課題を抱えていることが一般的でした。問い合わせを行う側も、営業時間の制約や回答のレスポンスの悪さに不満を募らせるケースも少なくありませんでした。
チャットボットを導入すれば、24時間365日自動対応を行うことで、カスタマーサポートの業務効率化・負担軽減を図り、多くの課題を解決することができます。また、時間帯に依らず素早い回答ができることで、サポート品質も高めることも可能です。
近年のビジネスシーンでは顧客満足度向上・リピート率向上のためにカスタマーサポートが重要視されており、業務改善・対応品質向上のためにチャットボットを活用する企業も増加傾向にあります。
営業・接客
チャットボットは、製品・サービスを紹介するWebサイトや直接商品を販売するECサイトに設置して、Web接客ツールとしても活用することもできます。
従来はサイトを訪れたユーザーは掲載されている画像・テキストからしか情報を得ることができず、疑問や質問がある際には電話・メール・フォーム等で問い合わせを行う必要がありました。
サイト上にチャットボットを設置しておけば、ユーザーは疑問・質問が生じた際にはいつでも手軽に回答を得ることができるため、提供できる情報の質や量が向上して販売促進や満足度向上といった効果が期待できます。
顧客体験の向上が重視される現代においては、単に画像やテキストで静的に情報を提供するだけでなく積極的なアプローチを行うことが求められるため、今後Web接客ツールとしてのチャットボット活用はさらに普及していくと考えられます。
チャットボットはノーコードで導入できる?
このようにさまざまなシーンでの課題解決のために利用が広がっているチャットボットですが、近年、ノーコード(プログラミングなし)で簡単にチャットボットを作成できるツールが増えています。
チャットボットというと、開発担当の手で一から環境の構築やコードの作成が必要といった、高い技術力が求められるイメージもあるかもしれません。しかし、チャットボットの活用が広がるにつれて、より気軽に導入できるツールも増えてきているのです。
ここからは、ノーコードでチャットボットを作成できるツールのメリット、デメリットについて詳しく見ていきましょう。
ノーコードツールのメリット
ノーコードツールを利用するメリットには、主に以下の点が考えられます。
- プログラミングの技術をもった開発担当者がいなくても運用できる
- チャットボットを一から開発する必要がなく、運用開始までの時間を短くできる(別途、ルール設定や、FAQの登録は必要)
- サーバーの維持・管理コストが不要
ノーコードであれば、システムを一から開発する必要がなく、技術的な担当者がいなくても導入が可能です。それに伴い、開発にかかる時間も不要なので最短ルートでチャットボットの利用を開始できます。
また、自社でシステムを構築する場合は、サーバーの維持費や管理コストも必要になりますが、ツールを使えばその点を気にする必要はありません。
ノーコードツールのデメリット
一方、ノーコードツールを利用するデメリットには、どのような点が考えられるのでしょうか?
具体的には以下の点が挙げられます。
- ツールのサービスが停止した時にツールを利用できなくなるため、有事の際に対応できなくなる可能性がある
- ツールの導入時だけでなく、維持にも費用がかかる
ツールに障害が発生した場合やメンテナンスがある時間帯には、ツールを使った作業ができません。また、すべてのデータがツール内に保管されていくため、自社の環境に落とし込むためには、別途、定期的にデータを出力して保存しておく必要が出てきます。
また、チャットボットの中でもノーコードツールの場合は維持にかかるコストが大きくなりやすいです。チャットボットの導入によって無理が生じては本末転倒ですので、コスト面での検討は重要でしょう。
チャットボットを開発するための時間や人手を割けない場合で、ある程度のまとまった費用を充てられるケースでは、ノーコードのチャットボットを導入することを前向きに検討するとよいかもしれませんね。
次章からは、おすすめのチャットボットのツールをご紹介していきます。
ノーコードでチャットボット導入できるツール
ノーコードに対応したチャットボットのツールはいくつかあります。
ここからは各ツールの特徴をご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
チャットディーラーAI
チャットディーラーAIは、ノーコードで導入・運用が可能なAI搭載型の社内利用向けチャットボットです。人事・総務、経理、労務、情報システムなど複数の部署で一元的に利用できるように設計されており、DX推進・業務効率化・生産性向上など、企業が抱えるさまざまな課題を解決することができます。
製品の主な特徴やおすすめポイントについて以下にご紹介します。
- 社内ポータル・社内FAQ・グループウェア・ビジネスチャット等さまざまなチャネルへの設置が可能
- 充実したテンプレート・学習済みAIにより他製品の約半分の期間で導入が可能
- 専属サポートがツールの設定から運用改善まで徹底サポート
- メンテナンス・PDCAをサポートする機能が充実
- 他のAI搭載型チャットボットよりも圧倒的な低価格で導入可能
チャットディーラーAIは、設定の負担や価格の高さといったAI型チャットボットの導入障壁を取り除いており、初めて導入する方にも扱いやすい製品。これからノーコードのAIチャットボットを導入したい方にもおすすめです。
KUZEN
AI型のチャットツールで、マーケティング、カスタマーサポート、社内ヘルプデスクと多方面での利用に対応したチャットボットのツールです。
24時間、サイトでの接客やカスタマーサポートをチャットボットが対応することで、売上や顧客満足度の向上が期待できます。
カスタマイズの拡張性が高く、チャット画面のデザイン設定や外部システムとの連携に幅広く対応できる点が、KUZENの強みです。また、導入前後のサポート体制が充実していて、最短1ヶ月と短い期間で本格的にリリースできるところもメリットの一つといえるでしょう。
ノーコードAIチャットボット|KUZEN
https://www.kuzen.io/
Chamo
マーケティング強化、カスタマーサポートの効率化を同時に実現できるチャットツールです。
シナリオはドラッグ&ドロップで直感的に作成できるだけでなく、チャットのやりとりを通じたユーザー情報の確認ステップをシナリオに組み込むことで、ヒアリングの自動化も可能になります。
他にも、ユーザーのフォーム入力をアシストすることで、ユーザーがストレスを感じることなくフォーム入力を完了できる機能も用意されているため、CV率の向上も期待できるでしょう。
マーケティング、カスタマーサポートの両方に課題を抱えている場合におすすめのチャットボットのツールといえます。
導入数4500社以上!国産チャット型Web接客プラットフォームNo.1 Chamo
https://chamo-chat.com/
hachidori
マーケティング、カスタマーサポート、社内ヘルプデスクとマルチに活用できるチャットボットのツールです。
シナリオを簡単に作成できることはもちろん、個々のシナリオに対して、ユーザーがとったアクションに応じた細かな設定もできるため、シナリオ全体を通して最適なフローの作成ができます。
チャットボットとの会話の中から取得したユーザーの情報を保存できるため、保存した情報に基づいて、そのユーザーに適した情報提供や接客ができるようになる点も強みといえるでしょう。
その他にも、API連携や、シナリオだけで対応ができないケースに備えたQ&Aを登録しておき、シナリオ外のキーワードを検知するとそのQ&Aから回答を返すこともできるなど、多彩な機能を備えています。
hachidori(ハチドリ)| プログラミング不要のチャットボット開発ツール
https://hachidori.io/
hitobo
AI搭載のログ型チャットボットで、表記ゆれを事前に学習させることであらゆるユーザーからの問い合わせに対応することが得意なツールです。
導入時はFAQを用意して管理画面で入力するか、CSVでアップロードするだけでチャットボットを作成できます。多くのツールではシナリオの作成が必要な場合が多く、そのぶん導入にも時間がかかりますが、hitoboであれば既にFAQのデータがある場合はスムーズに導入ができるでしょう。
チャットボットによる24時間の対応や、有人対応への切替も可能なので、カスタマーサポートの人員を割くことなく顧客満足度を向上させる効果を期待できます。
チャットボットのhitobo(ヒトボ) | アディッシュのチャットボット(ChatBot)サービス
https://hitobo.io/
ノーコードのチャットボットツールを選ぶポイント
チャットボットはノーコードで導入することが十分に可能であり、導入の時間や労力も大幅に削減できることがわかりました。しかし、ノーコードツールであればどれでもパフォーマンスを発揮できるわけではありません。
ノーコードツールにはさまざまな種類があり、それぞれのツールで性能や機能も大きく異なるため、導入の際には自社の目的・用途に合わせてツールを選ぶことが非常に重要。安易にツールを選ぶと目的を達成できなかったり、時間や労力を無駄に費やす恐れがあるため注意が必要です。
ここでは、ノーコードツールを選定する際に必ず検討すべきポイントについて解説します。ノーコードツールでチャットボットを導入したい方は、ぜひご参考下さい。
AI型かシナリオ型か決める
ノーコードで導入できるチャットボットには、大きく分けてAI型・シナリオ型(ルールベース型)の2種類に分けられ、双方にメリット・デメリットがあります。
AI型とシナリオ型の主な特徴は次の通りです。
AI型チャットボット
- 複雑・難解な問い合わせにも対応が可能
- 対応範囲が広く質問のパターンが多い場合に適している
- 学習を重ねることで回答精度・運用効率を高めることができる
シナリオ型のチャットボット
- シンプルな仕組みで手軽に導入・運用することが可能
- 定型的な対応に適しており、回答精度が高い
- 導入・運用のコストを抑えることができる
選び方を間違えると思うような成果を得ることができないため、チャットボットを選ぶ際には、自社の目的・用途に合わせてどちらのタイプを導入するのか検討しておく必要があります。
必要な機能を洗い出しておく
チャットボットは、製品によって搭載されている機能が異なります。そのため、導入を行う前には自社がチャットボットで実現したい目的や解決したい課題の明確化を行い、必要な機能を洗い出したうえで製品を選ぶことが重要となります。
機能面を確認せずに製品を選んでしまうと、導入時に機能的なミスマッチが起こってしまい、自社が目指す運用を行うことができないためです。
機能要件を満たしていることは、チャットボットを利用するうえでの前提条件であるため、必ず事前に検討しておくようにしましょう。
他ツールとの連携について考える
チャットボットは、単体で運用するよりも既存のシステムと連動させた方が、業務全体の効率やパフォーマンスを向上できるケースが多くあります。例えば以下のようなケースです。
- 社内FAQと連携させて、ユーザーの利用状況に応じてFAQへ誘導
- チャットボットとCRMを連携して、Web接客で取得した顧客データを自動共有。入力の手間を省ける。
- ECサイトの販売データをWeb広告の管理ツールに自動で反映。広告運用・効果測定の効率化を図る。
チャットボットの運用目的によっては、外部連携の有無により課題解決の成否が大きく分かれます。そのため、ノーコードチャットボットを選ぶ際には、自社で既に活用しているシステムとの連携を検討して、なるべく必要な連携機能を搭載した製品を選ぶようにしましょう。
サポート体制を確認する
ノーコードのチャットボットツールはプログラミング不要で手軽に構築・運用できるのが大きなメリットですが、導入時のFAQの登録・ツールの設定や運用開始後のメンテナンスには専門的な知識・スキルが必要となります。そのため、自社に詳しい人材や経験者が居ないのであれば、ノーコードのツールを利用する場合においてもサポート体制が充実した製品を選ぶことがおすすめです。
ベンダーのサポートを活用した方が、導入・運用をスムーズに行うことができますし、成果が出るまでの期間も短縮することができます。万が一のトラブルの際にも速やかに解決することが可能です。
チャットボットの導入・運用はベンダーのサポートが成否を決めるケースも少なくないため、ノーコードツール選定時においても必ずサポート体制を確認しておきましょう。
設置場所を決めておく
ノーコードのチャットボットはWebサイト・ECサイト・アプリ・システム等さまざまな場所に設置することができますが、設置する場所によって運用パフォーマンスが大きく異なる場合があります。そのため、チャットボットを選ぶ際には、あらかじめ最適な設置場所を検討しておくことも非常に重要です。
最適な設置場所は自社の状況や環境により異なりますが、例えば以下のようなイメージです。
- 社内用のチャットボットは社内ポータルへ設置するのが最も使いやすい
- 社外用のチャットボットはWebサイトに設置するよりもSNSのメッセージアプリに設置した方が利用率を向上させやすい
ノーコードのチャットボットツールは製品により設置できる場所が異なるため、十分に検討を行ったら、自社で決定した設置場所に対応したツールを選定しましょう。
まとめ
チャットボットの導入が進む中、プログラミングなしで導入できるツールも増えてきました。
チャットボットは主に、カスタマーサポート、営業・接客、社内ヘルプデスクで利用されることが多く、簡単に高機能なチャットボットを導入できる一方で、導入前には目的や必要な機能を洗い出して、必要要件を備えたチャットボットのツールを選ぶことが重要でした。
状況によって選ぶべきツールは異なるうえ、コストも決して安くはありません。ツールを慎重に選定し、余裕をもって導入することで、その後の運用も成功へと導いていけるでしょう。
-
この記事を書いた人
ボットマガジン編集部
ボットマガジン編集部です!チャットボットについて、タイムリーでお役立ちな情報をお届けします。