弁護士や税理士にも広がるチャットボット!士業がチャットボットを活用するには?

弁護士や税理士にも広がるチャットボット!士業がチャットボットを活用するには?

ネット通販サイトやカスタマーサポートページなど、様々なサイトで急速に普及している「チャットボット」。
24時間いつでもユーザーからの質問に自動で回答できるチャットボットは、ユーザー体験を向上するだけでなく業務効率化にもつながることから、弁護士や税理士といった士業を含む多くの業界からも高い注目を集めています。
今回は、士業がチャットボットを活用する際のコツや注意点、事例などについて詳しく解説していきます。

この記事の目次

  1. 士業でも活用が広がるチャットボット
  2. 士業ならではのチャットボット活用のイメージ
    • <よくある問い合わせ事例:1>起業相談
    • <よくある問い合わせ事例:2>経理処理
  3. 士業がチャットボットを活用する際の注意点
  4. チャットボットで士業の業務を効率化

士業でも活用が広がるチャットボット

law consultation

弁護士や税理士、弁理士、司法書士、行政書士、公認会計士など、専門的な知識やノウハウを活かして人々のお悩みを解決する士業。
企業や一般人といったクライアントからの質問に対し、専門家として的確なアドバイスや各種サポートを行う仕事です。

しかし、こうした専門家に対する問い合わせや質問の多くは、定型的なよくある質問であり、すぐに解決できる内容であるという声も聞かれます。
このような問い合わせには事務所に所属する若手職員が対応するケースが多いようですが、こうした業務にばかり時間を取られてしまうと、より高度で生産性の高い仕事に着手する時間が減ってしまうという課題が出てきてしまいます。

この課題を解決するために、チャットボットを導入する士業が多くなっているのです。
定型的な問い合わせに対し、ホームページ上のチャットボットから自動回答させることで、業務効率化を図ることができるというわけです。
そして、複雑な問い合わせや個別に対応すべき質問に関しては、電話連絡や問い合わせフォームに誘導し、相談内容にあった専門家が直接対応することで、利用者の満足度を高めることができます。

士業ならではのチャットボット活用のイメージ

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士業がチャットボットを活用する際のイメージを紹介します。

<よくある問い合わせ事例:1>起業相談

起業に関する相談では、業種を問わず以下のような問い合わせが多い傾向があります。

  • 会社創立時の資本金額について
  • 起業に使える助成金制度について
  • 個人事業主から法人化する際の手続きについて

質問内容が入り組んでいる場合は、行政書士や弁理士、税理士など各専門家が個別に対応すべきですが、一般的な質問に関しては定型文で回答できるため、このような問い合わせはチャットボットでの対応が向いています。よくある質問を選択肢式でチャットボットに表示することで、利用者はすぐに回答にたどり着くことができます。
また、起業を検討している相談者も、こうした質問に無駄な時間を費やすよりも、本業に集中したいと考えているため、気軽に質問し、即時応答するチャットボットは受け入れられやすい傾向にあります。

<よくある問い合わせ事例:2>経理処理

ある公認会計士事務所には、以下のような問い合わせがよく寄せられていました。

  • タクシーチケットは「事務費雑費」で処理してよいか
  • 賞与引当繰入額の予算計上について知りたい
  • 弁護士顧問料は業務委託費で処理できるか

このような問い合わせは、以前どのように処理したかを調べるのに手間がかかるため、同じ利用者から何度も同じ質問を受けるケースが多いようです。そこで、利用者に対して、電話で質問する前に、チャットボット上で質問してもらうように誘導すると、問い合わせへの対応工数を軽減することが可能です。

士業がチャットボットを活用する際の注意点

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士業がチャットボットを活用する際は、以下の点に注意しましょう。

利用者のニーズを把握する

まず、チャットボットの利用者が、一般的にどのような課題やニーズを抱えているのかを把握することから始めます。事務所に寄せられる「よくある質問」を精査し、どのような利用者でも定型的な回答文で解決できる内容をチャットボットに反映するとよいでしょう。

シナリオを設計する

チャットボットに反映すべき「よくある質問」をリストアップしたら、自動で回答するための想定問答集のシナリオを設計します。質問ごとに回答を用意し、複雑な質問や個別対応が必要な質問の場合は、電話連絡先や問い合わせフォームを表示すると効率的です。また、設計したシナリオは最初から上手く機能するとは限らないので、運用を重ねる中で徐々に改善していくことを前提にしておきましょう。

選択肢型を活用する

選択肢型を活用することで、利用者に無駄な労力を使わせず、回答にたどり着いてもらうことができます。特におすすめなのが、一度に表示する選択肢を3~5程度に絞り階層化することです。一度に細かい選択肢を複数表示すると、ユーザーが求めている質問内容を見つけることが難しくなってしまいます。以下のようなイメージで階層化することで、ユーザーを適切な回答に誘導することができます。

起業の手続きについて

  • 用意すべき書類について
  • 印鑑の作り方について
  • 事業計画書の作り方について

起業に関わるお金について

  • 資本金について
  • 会社設立のために必要な費用について

助成金について

  • 東京都で使える助成金について
  • 者が使える助成金について

専門用語を使いすぎない

士業が扱う分野は非常に専門的です。しかし、問い合わせを寄せる利用者は士業と同等の知識を持っているとは限らないので、できる限り専門用語を使わず、分かりやすい言い回しにする工夫が必要です。回答段階ではある程度専門用語が出るのも仕方ありませんが、選択肢型で回答に誘導するまでの段階では、一般人でも分かりやすい言葉遣いを心がけるようにしましょう。

適切なフォロー体制を作る

チャットボットで適切な回答を提供できなかった場合や、個別対応が必要な質問であった場合でも、チャットボット上で適切にフォローしてあげる必要があります。例えばチャットボット上で質問に対する回答が用意できていなかった場合、「その質問は受け付けておりません」とだけ表示したら、利用者に、「非常に不親切な対応だ」と感じられてしまうでしょう。利用者の疑問を解決してあげられなかった場合でも、顧客満足度を下げないよう対処する仕組みづくりが必要です。チャットボットで対応しきれない問い合わせに対しては、電話連絡先や問い合わせフォームへの誘導を忘れず行いましょう。

チャットボットで士業の業務を効率化

よくある問い合わせや質問に対して、いつでもどこでも自動で回答するチャットボットは、士業の定型的な業務を大幅に効率化することに繋がります。多くの問い合わせ対応に追われているという方は、ホームページにチャットボットを導入することを検討してみてはいかがでしょうか。

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  • 執筆者:滝沢やよい
  • この記事を書いた人

    滝沢 やよい

    40代・女性のプロライター。長年に渡り、実用書などをはじめ多数の紙面およびWeb媒体にて執筆・編集を手がける。近年は、マーケティングを駆使した業界レポートや企業のIT資産の活用術を解説した記事など、企業向けに幅広いジャンルの執筆に取り組む。

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