チャットボットを導入するなら“有人対応”と“無人対応”どちらがいいのか?

チャットボットを導入するなら“有人対応”と“無人対応”どちらがいいのか?

チャットボットとは、「自動会話プログラム」のことをを指します。
チャット画面が設置されているECサイトやサービスサイトを目にしたことはありませんか?そちらがチャットボットです。

近年、ユーザーと企業をつなぐ新たなコミュニケーションツールとして注目されています。
チャットボットは、ユーザーからの質問をすべてプログラムが自動で回答する「無人対応」のものと、チャットボットに入力された質問に”人”が対応する「有人対応」のものがあります。

本記事では、有人対応と無人対応はどう違うのか、それぞれのメリット・デメリットなどについてご紹介します。

この記事の目次

    有人対応のチャット窓口とは

    近年、問い合わせ用窓口にチャット方式を採用するケースが増えています。チャット窓口の中でも有人対応のものは、問い合わせを行うユーザーと対応を行う担当者が、チャットでやり取りを行うことで質問や疑問の解決を図ります。

    電話とメール両方の特性を持つチャットを用いることで、タイムリーかつスピーディーな問い合わせ対応を行えることが大きな特徴です。社内問い合わせ窓口がチャット形式で提供されている場合、社員は手軽に問い合わせを行うことが可能となり、担当部署も効率的に対応を行えます。こういった利点があることから、さまざまな企業の問い合わせ対応部署において、チャットでの問い合わせ窓口の利用が増えています。

    有人対応チャットのメリット

    のちほど紹介しますが、最近では問い合わせに自動対応できる優秀なチャットボットが多数登場しています。にも関わらず、チャット窓口に有人対応のニーズが残り続けている理由は、有人対応ならではのメリットがあるためです。

    以下に、有人対応の主なメリットについて解説します。

    電話やメールに比べて気軽に質問できる

    従来の問い合わせ対応窓口では電話やメールが活用されていましたが、これらのコミュニケーション手段には以下のようなデメリットが伴います。

    • ■電話
    • 発信したタイミングで応答がないと繋がらない
    • 些細なことでもわざわざ通話を行う必要がある
    • 口頭でのコミュニケーションが難しい場合がある
    • ■メール
    • 文章を書くのに手間と時間がかかる
    • 問い合わせ内容を表現するのが難しい場合もある
    • レスポンスが悪い

    有人対応のチャット窓口であれば、上記のようなデメリットを払拭して、タイムリーで素早い問い合わせ対応をおこなうことが可能です。手軽かつ気軽に利用することができるため、利用率や解決率も高めることができるのがメリットです。

    文意を理解し複雑な質問に対応できる

    有人対応のチャットでは、文章から問い合わせの意図を理解して複雑な質問にも対応することができます。

    ツールを用いた問い合わせ対応では、どうしても複雑な質問や、意図を汲み取るのが難しい質問への対応は困難でした。

    細かく柔軟に意図を汲み取り、臨機応変に対応を行えることは、有人対応のメリットとなります。

    温かみのあるコミュニケーションで相手を安心させられる

    有人対応のチャットはテキストでのコミュニケーションにはなるものの、あくまで人が対応を行う仕組みです。問い合わせに機械的に対応するだけでなく、悩みに寄り添ったりねぎらいの言葉を添えたりと、温かみのある対応を行うことができます。

    人間らしい温かみのあるコミュニケーションにより、問い合わせを行った社員に安心感を提供できることも大きなメリットです。

    有人対応のデメリット

    有人対応のメリットについて紹介しましたが、一方でデメリットも存在します。導入前には必ずこちらも把握しておきましょう。

    以下に、有人対応の主なデメリットについて解説します。

    担当者不在の時間は対応できない

    有人対応のチャットは、当然ながら担当者の勤務時間中しか対応を行うことができません。基本的には問い合わせ対応部署の営業時間内のみの対応となるため、営業時間外・休日・祝日の問い合わせには対応できないことがデメリットです。

    営業時間外や休日・祝日の問い合わせニーズが多い企業の場合には、このデメリットの影響も大きくなるため注意しておく必要があります。

    担当者の人数分だけしか同時対応できない

    問い合わせ対応部署には数多くの問い合わせが寄せられますが、有人対応を行っている場合は、同時対応が可能となるのはほぼ担当者の人数分となります。つまり、担当者が少なければ少人数しか同時に対応できないということです。

    1件1件の問い合わせ対応に多くの時間を要する場合は、効率的に対応を行うことができず、問い合わせを行う社員に待ち時間が生じてしまいます。

    有人対応のみで多くの問い合わせに対応するには、担当者の増員でしか対応できないことがデメリットとなります。

    担当者によって回答の質にムラがでる

    有人対応では、担当者のスキルや経験により回答の質にムラがでることがデメリットです。質の高い対応を行える担当者に問い合わせが集中したり業務負荷が集中したりといった状況が起こりやすくなるため、問い合わせ対応部署の業務非効率化が懸念されます。

    担当者間での回答の質の差はどうしても避けられないため、情報共有ツールや問い合わせ管理ツールを導入するなど、できるだけ担当者間の差異を無くす仕組みを構築することが重要です。

    マニュアル作成や人材育成の必要がある

    有人対応では、未経験の人材は当然ながら教育を行わなければ業務自体を行うことができず、また知識やスキルの乏しい人材も十分な対応を行うことができないため、同じく教育が必要となります。

    そのため、人材をチャットの担当者として投下するには、担当者が社員からの問い合わせにしっかりと対応できるように、マニュアルの整備や研修等による人材育成を行うことが不可欠です。これらには多大なコスト・リソースを必要とするため、経営の負担となることがデメリットとなります。

    チャットボットの基本知識

    チャットボットの基本知識

    ビジネスで活用されるチャットには、これまでご紹介した有人対応のチャットと、ツールが自動で対応を行う無人チャットがあります。後者は、チャットボットと呼ばれています。

    ここでは、有人対応チャットの対になる存在として扱われるチャットボットがどのようなものであるか、概要・種類・導入企業が増えている理由まで、基礎的な知識について解説します。

    チャットボットとは?

    チャットボットとは「チャット(会話)」と「ボット(ロボット)」が組み合わさってできた言葉です。ユーザーが入力した言葉に対し、自動的に回答を行うプログラムのことを指します。

    会話を通じてさまざまな対応を行えることから、ビジネスシーンにおいては主に総務・経理・情シスといった問い合わせ対応を担当する部署や社内ヘルプデスク部門等において、問い合わせ対応の自動化・ナレッジ共有の利便化効率化に活用されています。

    チャットボットは企業の業務効率化・生産性向上に役立つツールとして大きな注目を集めており、DX推進に注力する数多くの企業に活用されています。

    チャットボットの種類

    チャットボットと一口に言っても、シナリオ型とAI型の二種類があります。ここではそれぞれの特徴をご紹介します。

    • シナリオ型

      シナリオ型のチャットボットは、チャット画面に表示された選択肢をユーザーが選ぶことで分岐し、さらに別の選択肢が表示される形で回答を導き出すタイプです。寄せられる質問やそれに対する回答が、ある程度決まっているケースでの使用に向いています。
      ただし登録された質問や回答数、シナリオ数が一定量ないと、回答精度が落ちる点には注意が必要です。

    • AI型

      AI型のチャットボットは、ユーザーがチャット画面に入力したテキストを解析しユーザーの質問を判定、その内容に最適な回答を返すタイプです。より自然な会話形式で進められる点がシナリオ型とは異なります。
      蓄積された質問と回答のデータをAIが機械学習し、回答精度がどんどん上がっていくことがAI型チャットボットの特徴です。
      ただし導入初期などデータが少ない間は、回答精度が低くなることがある点がデメリットです。

    チャットボットを導入する企業が増えている理由

    先述した通り、近年チャットボットを導入する企業が増加しています。それは、チャットボットを導入することに多くのメリットがあるからです。ここではチャットボットを導入するメリットについてご紹介します。

    担当者の負担軽減につながる

    多くの企業では専門の問い合わせ担当部署を設けることは難しいため、総務・経理・情シスといったバックオフィス部門が兼任で業務を行っています。問い合わせ対応に時間と労力を奪われると、兼任で対応にあたる担当者にとっては大きな負担となることは珍しくありません。

    チャットボットを導入すれば、担当者への問い合わせ流入量を大幅に削減できるため、担当者に過剰な負荷がかかることを防げます。本来の業務にも無理なく取り組むことができます。

    人件費の削減につながる

    社内ヘルプデスクや総務・経理といったバックオフィス部門にて問い合わせ対応を行うと、対応に要する時間に応じて通常業務の進行が遅れてしまいます。さほど重要ではない問い合わせや同じような問い合わせに時間を取られてしまえば、本来の業務が進まず人手不足や残業増加の原因となり経営的には大きなマイナスとなります。

    チャットボットを導入すれば、問い合わせの多くを自動対応させることで、有人での対応業務を大幅に削減することが可能です。人手不足の解消に向けて人員の増強を考えていた場合や、残業が増えて残業代がかさんでいた場合は、人件費の削減にもつながります。

    従業員満足度の向上につながる

    有人での問い合わせを行っている場合は、混雑状況により社員は回答を得るのに時間がかかる場合があり、また時間外や休日には回答を得ることができません。その間、業務の推進を止めなければならない場合もあるため、スムーズに回答を得られないことは社員の不満やストレスの原因となります。

    チャットボットを導入すれば、時間・場所等に左右されずいつでも回答を得ることが可能となり、電話やメールで問い合わせるよりも簡単に回答を得ることが可能。問い合わせ対応の利便性・効率性を高め、社員の業務効率化と満足度向上を図ることができます。

    テレワークの浸透

    新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により、テレワークが急速に普及したことも、チャットボットを導入する企業が増えた大きな要因です。

    テレワーク環境下では、リモートでの業務効率性を重視して、ビジネスチャットやナレッジ共有ツールといったデジタルツールが急速に普及。問い合わせ対応もチャットで行われるケースが増え、同じチャット形式のツールであるチャットボットとの親和性が高いということも、導入を後押しした要因であると考えられます。

    チャットボットを完全無人で運用する際の問題点

    チャットボットの性能は目覚ましい進化を遂げていますが、完全に無人で運用するにはまだまだ懸念が残っているのが実状です。実際はバックアップのために一部の問い合わせは有人対応に移行するなど、人の手がかかる部分は残ります。

    ここでは、チャットボットを完全無人運用することができない理由や問題点について解説します。

    複雑な問題に答えられない

    チャットボットの機能や性能は進化し続けており、現在では高度な対応や人間に近い会話が可能なAI搭載型チャットボットが主流となってきています。しかし、いくらチャットボットが進化したといっても、臨機応変な対応や人間でないと理解できない複雑な対応を行うことは困難です。完全無人でのチャットボットの運用は、現段階ではまだまだ実現されていません。

    ただし、チャットボットの利用目的・利用用途次第では、完全無人で運用されているケースもあります。

    結果的にチャットボットの利用率が低下するおそれがある

    上述の通り、チャットボットで全ての問い合わせニーズをカバーすることは難しいため、完全無人で運用を行える利用シーンは限定されており、またそのような利用シーンにおいても会話やFAQの整備も完璧に行う必要があります。

    もし上記の要件を満たせずにチャットボットの完全無人運用を無理に推奨した場合は、利用者に十分な対応を行うことができず、結果的にチャットボットの利用率が低下したり、有用性を発揮できなくなったりする懸念があります。

    完全無人運用のハードルは、チャットボットと有人対応を組み合わせた運用を行うよりも遥かに高いということに留意しておきましょう。

    チャットボットと有人対応を組み合わせるメリット・デメリット

    チャットボットと有人対応を組み合わせるメリット・デメリット

    問い合わせ対応へのチャットの利用は、担当者による有人対応とチャットボットによる無人対応で、それぞれメリット・デメリットがあります。そのため、チャットボットと有人対応を組み合わせる際には、両者の特性を理解しておくことと、組み合わせを行う際のメリット・デメリットについて把握しておくことが重要です。

    以下に解説していますので、ぜひご参考下さい。

    メリット

    チャットボットと有人対応を組み合わせると、以下のようなメリットがあります。

    • 効率性と対応品質を両立できる

      チャットボットと有人対応を組み合わせれば、自動対応で済む問い合わせはチャットボットに任せ、難しい問い合わせは有人対応で対応するといった振り分けが可能です。問い合わせ対応の効率性を高めつつ、どのような問い合わせに対しても対応できるというクオリティを担保できることがメリットです。

    • 担当者の負担を軽減

      有人対応はきめ細かく質の高い対応を行えるのが利点ですが、件数が増えてくると担当者の負担が増すのがネックです。長時間対応を行っていると、心身の負担が蓄積したり、他の業務が停滞したりといった弊害が生じることもあります。
      チャットボットと併用していれば、担当者への問い合わせ流入量を大幅に削減できるため、担当者の負担を低減できます。

    • 社員の利便性向上

      問い合わせを行う社員は、できるだけスムーズに自身の疑問や問題の解決を図り、業務を進めることが目的です。チャットボットと有人対応を併用すれば、簡単な質問はチャットボットで済ませ、重要な内容のみ有人対応を利用するという使い分けが可能となるため、社員の利便性が向上。問い合わせに要する手間や時間も削減してスムーズに業務を進めることができます。

    デメリット

    チャットボットと有人対応の組み合わせには、以下のようなデメリットも伴います。

    • 時間外・休日は有人対応ができない

      チャットボットと有人対応の併用が可能となるのは、基本的に対応部署が稼働している時間内のみとなります。時間外や休日は無人対応のみの状態となるため、常時最大限のパフォーマンスを発揮できないこともデメリットです。

    • 無人対応と有人対応の配分が難しい

      有人対応と無人対応を併用する場合は、問い合わせの内容に対して上手く振り分けを行う必要があります。問い合わせの状況次第では、無人で完結可能した方が良い場合や、さほど有人対応に対するニーズが無い場合もあります。無理に有人対応を併用すると、無駄にオペレーターを配置してしまったり、不要なコストが生じるという懸念があります。

    チャットボットは有人対応と無人対応のどちらがいいの?

    チャットボットは有人対応と無人対応のどちらがいいの?

    前の章でご紹介した通り、有人対応と無人対応はそれぞれメリット・デメリットがあるため、自社の課題にあったほうを導入することが大切です。

    ここでは、無人対応がおすすめであるケースと有人対応との連携がおすすめのケースをそれぞれ解説します。

    自社への導入にはどちらが適しているか判断するためにも、ぜひご参考下さい。

    無人対応がおすすめのケース

    無人対応がおすすめとなるのは、担当者の負担軽減・問い合わせ件数削減・対応部署の業務効率化など、できるだけ多くの問い合わせをチャットボットに代替させたいケースです。具体的には、以下のようなケースが当てはまります。

    人手が足りていない

    問い合わせ対応部署の人手が足りていないと、問い合わせに対応しきれず、対応の遅延や対応漏れが生じてしまいます。対応を行う担当者の負担も増し、心身の疲労を抱えたり離職を招いたりする原因となります。

    チャットボットであれば、問い合わせ件数に関わらず、疲弊することなく対応し続けることができるため、人手不足ならびに人手不足に起因する課題をまとめて解決することが可能。新たに人手を確保するよりも圧倒的に少ないコストとリソースで課題解決することできます。

    24時間対応を可能にしたい

    事業特性・業務体制・繁忙度合いによっては、時間外や休日にも社員からの問い合わせニーズが発生します。しかし、有人でこのようなニーズに対応するのは、コストやリソースの観点から現実的ではありません。

    チャットボットであれば、24時間365日問い合わせ対応を行うことが可能であるため、社員は疑問や問題が生じた際にいつでも問い合わせを行うことが可能。スムーズに回答を得ることで、自身の業務をスムーズに進めることが可能となります。

    簡単な内容の問い合わせが多い

    スタッフを配置して有人対応するほどでもない簡単な問い合わせが多い場合や、同じような問い合わせが繰り返される場合は、チャットボットによる無人対応がおすすめです。些細な問い合わせにも有人で対応を行っていると、人的リソースとコストを大幅にロスしてしまうため、組織としての業務効率や生産性も大幅に低下してしまうためです。

    チャットボットにこのような対応を代替させることで、担当者はより重要な問い合わせや重要な業務に注力することが可能となり、人的リソースを有効活用することが可能となります。

    既に自己解決用のFAQを設置済みの場合は、チャットボットで該当する情報へ誘導するという対策も効果的です。

    有人対応との連携がおすすめのケース

    有人対応が必要となるのは、人でなければできない臨機応変な対応が必要なケースや、きめ細やかな対応が必要なケース、高度な対応が必要なケースです。具体的には、以下のようなケースであれば、有人対応との連携を検討するのがおすすめです。

    人員を確保できるリソースがある

    問い合わせ担当者を確保できる余裕があるならば、無理に無人チャットでの対応にこだわらず、無人でも簡単に解決できる問い合わせや繰り返される問い合わせを優先的にチャットボットに代替させて、必要に応じて有人対応への切り替えを行うのがおすすめです。

    チャットボットの導入やメンテナンスもスムーズに行うことが可能となり、社員に対してもいざとなれば有人で対応して貰えるという安心感を提供することができます。

    対応品質を向上させたい

    社内から寄せられる問い合わせの内容が、専門的である場合や複雑難解である場合には、無人チャットのみで対応を完結させることはおすすめできません。

    現代ではAIチャットボットであればかなり高度な対応を行うことが可能となっていますが、万能ではありませんし対応のロジックを構築するのも容易ではないため、無人チャットにこだわると対応品質を担保することが困難であるためです。

    このような問い合わせに対しては有人対応の方がきめ細やかで質の高い対応を行うことが可能であるため、始めから有人対応を加味したチャットボットの導入を行った方が、問い合わせ対応部署をスムーズに機能させることができます。

    チャットボット導入と有人対応連携までの流れ

    前章の実際の導入事例で、チャットボットがどのように活用されているのかイメージできたかと思います。いざ実際に導入するにあたり、どのような手順が必要なのでしょうか?

    ここでは、導入までの流れをご説明します。

    課題を洗い出す

    どのような課題を解決したいのかによって、チャットボットに必要な機能も変わってくるため、まずは自社の抱える課題を洗い出すところからスタートします。

    同じ内容の問い合わせを大量に受けていて対応するスタッフが疲弊しているのか、または社員の利便性を追求したいのか、チャットボットで解決したい課題を具体的に整理します。全ての課題を解決することは難しいため、解決によるメリットが大きな課題や重要度の高い課題について優先順位付けを行っておくことがポイントです。

    可能であれば、推測可能な範囲でチャットボット導入により達成したい成果を数字で設定しておくと、導入による成果を把握しやすくなるためおすすめです。

    導入するチャットボットを決める

    解決したい課題の洗い出しができたら、課題解決に繋がる最適なチャットボットの選定を行います。おすすめの手順について以下に解説します。

    1. まずはAI搭載型・ルールベース型のどちらを導入するのかといった大枠から絞り込みを行う。
    2. チャットボットに対応させる業務範囲と業務内容について洗い出しを行い、必要な機能を備えている製品へと絞り込みを行う。
    3. 自社の要件に合致した製品の中で、最もコストパフォーマンスに優れた製品を決める。

    どの製品を導入するかによって、チャットボット導入プロジェクトの成否の大半は決まってしまうため、何度も検討を繰り返して最適な製品を決定することがポイントです。

    有人対応の担当者を決める

    チャットボットと有人対応の併用を行うのであれば、有人対応を行うオペレーターが必要となります。有人で対応する範囲の問い合わせニーズに対応可能である人材の選定を行い、必要に応じて研修やトレーニングも実施しておきます。

    対応する人材が不足している場合は、新たに採用を行ったり他部署から人材を異動させて対処しなければならないケースもあります。

    チャットボットを設計する

    チャットボットツールを導入したら、あらかじめ決定したおいた課題をもとに、以下の手順でチャットボットの設計を行っていきます。

    1. 問い合わせ対応のデータを参考にして、チャットボットのFAQ(質問・回答がセットになったコンテンツ)を作成
    2. 有人対応への切り替えも含んだ会話の流れ(フロー)を作成
    3. AIの学習
    4. 作成したチャットボットのテスト
    5. テスト結果をもとに上記の見直し

    有人対応の対応マニュアルを作成する

    チャットボットと有人対応を併用するのであれば、チャットボットの設定だけでなく有人対応による対応についても、以下のように十分な準備を行っておきましょう。

    • オペレーターの対応品質・対応効率を担保するためのマニュアルの作成
    • ナレッジ・ノウハウの共有を図るための情報共有ツールの導入
    • 対応状況・進捗を可視化して業務効率化を図るための問い合わせ管理ツールの導入

    有人対応についても万全の準備を行っておくことで、問い合わせ対応の最適な仕組みを構築して最大限のパフォーマンスを発揮することが可能となります。

    社内ポータルやビジネスチャットに設置する

    チャットボットならびに有人対応の準備が整ったら、いよいよリリースです。社内ポータル・グループウェア・ビジネスチャット等、社内で日常的に活用しているツールやシステムから、最もパフォーマンスを発揮できる場所へチャットボットの設置を行います。

    設置後は、テスト運用を行い、チャットボットによる自動対応ならびに有人対応への切り替えが意図した通りに動作するか確認を行います。

    テスト運用を通過したら、チャットボットと有人対応の本運用をスタートします。

    運用と振り返り・改善を繰り返す

    チャットボットと有人対応を併用する場合においても、チャットボット単体で導入する場合と同じく、運用後は効果測定と改善を繰り返して回答精度を高めていくことが重要です。むしろ、有人対応と併用させているだけに、継続的な改善はより重要となってくるといっても過言ではないでしょう。

    チャットボットのチューニングを継続的に実施することはもちろん、有人対応での対応についても継続的な改善を実施していくことが重要となります。

    チャットボットを簡単に導入する方法とは?

    チャットボットを簡単に導入する方法とは?

    チャットボットはいちから開発することも可能ですが、開発には専門の知識が必要となり、相応のコストや時間も必要となります。そのため、チャットボットを導入する際には、プログラミング不要で導入を行うことができるチャットボットツールを利用するのがおすすめです。

    ツールを選ぶ際には、機能・性能・操作性・利便性・コスト・セキュリティ・サポート体制等を総合的に比較検討して、自社に適した製品を選ぶようにしましょう。

    トライアル利用でツールの使用感を事前に確認しておくことも重要なポイントとなります。

    チャットボット作成ツールを選ぶ時のポイント

    ここでは、社内利用のためのチャットボット作成ツールを選ぶ際に押さえておくべきポイントを3つご紹介します。

    自社に必要な機能を搭載している

    チャットボットを導入するときには、自社に必要な機能を搭載しているものを選ぶことがポイントです。まずは自社での用途を達成するにはシナリオ型・AI型のどちらが適しているのか選定を行い、続いてファイル添付・アクセス制限・外部連携・有人対応切替といった細かい機能要件についてチェックを行っていきます。

    「できるだけ多くの機能が搭載されているチャットボットを選んだほうがいい」と考えてしまいがちですが、機能が多くなればなるほどUIが複雑となり操作が難しくなるため、安易に機能が豊富な製品を選ぶのは得策ではありません。機能の充実度に比例して価格も高くなるため、使わない機能を搭載した製品を選ぶとコストの無駄も多くなります。

    利便性・操作性・コストパフォーマンスの観点から、自社の問い合わせ対応やナレッジ共有といった用途を満たせる必要十分な機能を備えた製品を選ぶようにしましょう。

    操作性に優れる

    チャットボットは担当者がスムーズにFAQの作成・チューニング・メンテナンスを行えるように、できるだけ操作性に優れたサービスを選ぶことも重要です。

    チャットボットは設置したらそれで終わりではなく、定期的に利用率・回答率・エラーの発生率といった運用データの分析を行い、改善を繰り返すことがパフォーマンスを維持向上させるためのポイント。メンテナンスを怠ると、問題や課題を解決できる機会も減るため、実務に役立たたないと徐々に社員からも利用されなくなってしまいます。

    チャットボットの操作が難しいと、チューニングやメンテナンスのハードルが高くなってしまい、必要十分な改善を行うことが困難。操作できるメンバーが限定され、チャットボットの保守運用が属人化しやすいという課題も生じます。

    社員が業務に活かせるように常に最適なパフォーマンスを発揮できるチャットボットを提供するためにも、操作性に優れたチャットボットを選定するようにしましょう。

    有人対応と無人チャットの切り替えができる

    チャットボットは、有人対応と無人チャットの切り替えが簡単にできる製品を選ぶことも重要です。

    チャットボットは問い合わせ件数の削減や利用者の利便性向上を目的として導入されるため、無人チャットを主体とした運用が行われるのが基本です。しかし前述のとおり、社員から寄せられる問い合わせを全て自動化することは困難です。問い合わせの内容次第では、有人でなければ解決できないケースや、有人の方がスムーズに回答できるケースもあります。

    無人にこだわり過ぎると、チャットボットを導入する本来の目的を果たせない場合もあるため、有人対応と無人チャットをバランスよく活用していくことがポイントとなります。

    ビジネスチャット等との連携性や会話の流れからの自動切り替え機能等をチェックして、自社の環境に適した製品を選ぶようにしましょう。

    有人対応との連携が可能『チャットディーラーAI』

    チャットディーラーAI

    チャットディーラーAIは、誰でも簡単にチャットボットを作成することができる、コストパフォーマンスに優れた社内用チャットボットツールです。有人対応との連携も可能となっているため、社内問い合わせ対応の状況や社内の体制に合わせて柔軟に導入できることが特徴です。

    サポート体制も充実しており、初めて導入する方から成果重視で導入する方まで、幅広くおすすめできる製品となっています。

    以下に、チャットディーラーAIに搭載されている主な機能と導入実績についてご紹介します。

    チャットディーラーAIの機能

    チャットディーラーAIには業務効率化や顧客満足度の向上に役立つさまざまな機能が搭載されています。ここでは、チャットディーラーAIに搭載されている主要な機能の一部をご紹介します。

    チャットボットを作成する

    チャットディーラーAIでは、学習済みのAIと400種類以上のテンプレートを駆使することで、簡単に目的や用途に応じたチャットボットの作成・設定を行うことが可能です。以下の手順に従うだけで、短期間でスムーズにチャットボットを作成することができます。

    1. テンプレートを活用してFAQを作成
    2. チャットボットへ登録
    3. チャットボットの設置

    一般的なチャットボットツールのように、FAQ項目の精査やAIの学習は不要となっているため、初めて導入する方やITツールが苦手な方にもおすすめです。

    分析する

    チャットディーラーAIには、チャットボットのチューニング・メンテナンスを行うための分析・レポート機能が搭載されています。自動で運用データを蓄積して可視化することができるため、煩雑で労力のかかるチャットボットのチューニング・メンテナンスの負担も軽減することが可能。また、今後のパフォーマンス向上に繋がる的確な改善施策を実施することが可能です。

    チャットディーラーAIの導入実績

    チャットディーラーAIは、社内問い合わせ対応の効率化やナレッジ共有を推進する多くの企業で活用されているチャットボットツールです。ここでは、同ツールの導入により社内問い合わせ対応の負担を軽減することに成功した、株式会社きらぼしコンサルティング様の事例をご紹介します。

    導入前の課題

    総務ユニットで総務・経理・人事・労務・情シスの管理業務を全て一括して行っていたが、事業拡大に伴う社員数の急増により、社内問い合わせ対応が急増。本来のコア業務である管理業務のリソースを圧迫していることが課題に。

    チャットディーラーAIに問い合わせを代替させることで解決を目指しました。

    導入時の状況

    400種類以上のテンプレートを活用したことで、1.5ヶ月という短期間で初期導入を完了。既に社内で利用しているTeamsとの連携を図ることで、チャットボットの利用を社員に推進。

    導入後の成果

    チャットボットでの対応をスタートした特定のカテゴリーにおいて、問い合わせ件数下減少。総務ユニットの問い合わせに対応する時間・労力を大幅に削減。同時に担当者の心理的な負担も解消することに成功。

    社員からの反響も良く利用者数も増え続けており、対応範囲を拡大していく予定です。

    まとめ

    チャットボットは、これまで電話やメールだけだった問い合わせ窓口に、新たな選択肢を増やしてくれます。チャットボットでの問い合わせは、電話やメールに比べて気軽に行えるため、多くのユーザーが利用することが期待できます。

    ユーザーからの問い合わせ対応に悩んでいたり、もっとユーザーとの接点を増やしたいと考えている企業は、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

    記事内でもご紹介した通り、チャットボットの導入は「チャットディーラー」のようなツールを活用することがおすすめです。チャットディーラーでは、無料トライアルも提供しているので、チャットボットの導入をお考えの方は、ぜひお問い合わせしてみてはいかがでしょうか。

    • 執筆者:ボットマガジン編集部
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      ボットマガジン編集部

      ボットマガジン編集部です!チャットボットについて、タイムリーでお役立ちな情報をお届けします。

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