経理の仕事はストレスが溜まる？解消法や対策とは

経理の仕事で溜まりやすいストレス

経理の仕事はストレスが溜まりやすいといわれており、過度のストレスが原因で体調不良や離職につながる場合もあります。企業として経理部のストレス対策を行うのであれば、どのような原因でストレスが溜まってしまうのかを把握しておくことが重要です。

ここでは、経理の仕事でストレスが溜まってしまう主な要因について解説します。

ミスが許されない環境

経理の仕事は、企業の会計・決算といった金銭を取り扱う重要な仕事であるため、基本的にミスが許されません。僅かなミスでも社内外に対する信用を失ったり損失を招いたりするリスクが伴うため、常に神経を尖らせて仕事を行う必要があります。

このようなミスが許されず常に緊張状態を強いられる仕事環境であることが、経理担当者がストレスを抱える大きな原因となっています。

わからないことが多い

経理は専門的な職種であり、また企業によって特有の処理や表記の方式が採用されているケースが多いため、スムーズに仕事を行うためには一定レベル以上の知識と経験が必要となります。そのため、経理職の経験が浅い場合や勤続年数が少ない場合は、仕事のやり方や業務の進め方など分からないことが多く、ストレスを抱えてしまう担当者が多くいます。

細かい作業が多い

経理は金銭・数字を主に扱う仕事であるため、細かい作業が業務の大半を占めています。1円単位で端数処理を行う必要があり、数字や文字の表記から線の太さまで統一を求められるケースもあります。

毎日のように細かい作業を繰り返すことや、細部まで指摘を受けることで、神経をすり減らしてストレスを抱える経理担当者は少なくありません。

同じことの繰り返し

経理の仕事は、伝票処理・月次決算・申告書作成・納税といったルーティンワークが大半を占めており、毎月同じような業務を繰り返し行うこととなります。会社のルール・業務方式の変更・税法の改正等への対応を行うケースもありますが、基本的にはルーティンワークを延々と繰り返すこととなるため、刺激の少なさ・単調さ・飽きが原因となってストレスを感じてしまうケースも多くあります。

評価されづらい

経理はバックオフィス部門の一種であるため、営業やマーケティングのような直接的な売上に繋がるフロントオフィス部門のように、目に見えた評価が行われることはほぼありません。正確で素早い業務や処理ができて当たり前であると捉えられているケースが多く、ミスや抜け漏れがあると評価を落としてしまいます。

このように経理の仕事は加点評価ではなく減点評価が基本であるため、自身の仕事が評価されないことにストレスを抱える経理担当者は多くいます。

社内から無茶な依頼が届く

経理部門は、資料作成や経費申請など、他部署からの依頼を受けて業務を行うケースも多くあります。セオリー通りに業務を行うことができればストレスはありませんが、急な資料作成の依頼をされたり、経費申請に関するミスも経理側での修正を依頼されるなど、無茶な依頼をされることがあることも、経理担当者がストレスを抱える原因となります。

経理部門が便利屋のように扱われる企業においては、経理担当者のストレスは増大するでしょう。

締め切りに追われる

経理の仕事には、日次・月次・四半期・年次といった具合に、スケジュールと期日が定められた決算業務が含まれています。決算業務は期日までに締めることが法律で定められているため、常に締め切りのプレッシャーに追われながら仕事を行わなければならないことも、経理の仕事でストレスと感じる大きな原因です。

期日があらかじめ決まっているためスケジュールは組みやすいという利点はありますが、企業活動においてはイレギュラー対応が発生するため、スケジュール通りに業務を進められないケースがあることも、ストレスが増す大きな要因となっています。

経理担当者自身で取り組めるストレス対策とは？

上述の通り、経理の仕事にはさまざまなストレス要因があるため、ストレスを軽減するには相応の対策を講じる必要があります。

まずは、経理担当者が個人レベルで実施できるストレス対策の打ち手をご紹介します。

ケアレスミスをなくす工夫

経理のストレス対策としてまず取り組みたいのが、ケアレスミスを無くす工夫を行うことです。経理の仕事は正確性が求められるため、僅かなミスでも修正による手戻りが発生したり上司から指導を受けたりしてしまうため、ケアレスミスが多発しているとストレスが増す要因となります。

ケアレスミスを無くすには、できるだけ業務や処理のプロセスをITツールで自動化するという方法がおすすめです。ヒューマンエラーが発生する部分を極力減らすことで、ミスの絶対量を大幅に低減することができます。

残された人的な作業についても、業務プロセスやチェック体制の見直しを行い、できるだけケアレスミスを低減できるようにしておくと尚良いでしょう。

新たな知識を習得する

専門職である経理の仕事は、知識・スキル・経験が豊富であるほどスムーズに業務を行うことができます。そのため、現時点で分からないことや、新しく導入されたツールの使い方、法改正の内容など、新たな知識を習得し続けることで、つまずいたりミスをしたりすることなく業務を行うことができ、不要なストレスを軽減することにつながるのです。

キャリアアップのためにもストレス軽減のためにも、経理担当者は常に学び続ける姿勢が重要となります。

事前準備をおこなう

仕事は段取り8割であるとは昔からよく言われる通説となっていますが、経理業務にも当てはまります。むしろ、スケジュールや締め日が明確化されている経理の仕事においては、他の職種以上の効果を発揮するでしょう。

そのため、経理の仕事でストレスを溜めたくなければ、事前準備を徹底してスムーズに業務を遂行できるようにしておくことがおすすめです。不要なミスやトラブルを回避することで、余計なストレスを感じる機会を少なくすることができます。

イレギュラーに対応する時間やリソースも含めた準備を行っておくと、より万全な対策とすることができるでしょう。

人とのコミュニケーションをとる

経理の仕事は基本的にチームで行われるため、周囲との円滑なコミュニケーションを図り、良好な関係を築いておくことも、不要なストレスを溜め込まないためには重要な対策となります。

ギスギスとした雰囲気のなかで集中力を要する経理の仕事を行っていると、ストレスも増大してしまいますが、業務上のコミュニケーションだけでなく分からない困ったことを気軽に相談できる関係性を構築しておくと、仕事上のストレスも大幅に軽減することができるでしょう。不安や悩みについて会話を通じてアウトプットするだけでも、大きな気分転換となります。

リフレッシュの方法を見つける

上記で解説したようなストレス対策を実施しても、仕事である以上ある程度のストレスを受けることは覚悟しておかなければなりません。そこで重要となるのが、経理の仕事で受けてしまったストレスから回復するためのリフレッシュの方法を見つけておくことです。

ストレスから回復する能力はレジリエンスとも呼ばれており、ストレス社会を生きる現代のビジネスマンが身に付けるべき重要なスキルです。自分なりのリフレッシュの方法を見つけておくことも、立派なレジリエンスのスキルとなるため、ストレスを抱える経理担当者はぜひ取り組んでおくことをおすすめします。

企業として取り組みたい経理業務のストレス対策方法とは？

経理担当者が自身で行うストレス対策方法についてご紹介しました。ここでは、企業側が経理業務のストレスを軽減する具体的な対策についてご紹介します。

経理業務特有のストレス要因に対する具体的な打ち手をご紹介していますので、ぜひご参考下さい。

ITツールを活用する

経理業務のストレスを減らす対策としてまず検討したいのが、ITツールを活用して業務効率化・負荷軽減・正確性向上を図ることです。低負荷でスムーズに業務を行うことができれば、経理担当者のストレスの大幅な低減が期待できます。

経理業務に活用できるITツールには、以下のようなものが挙げられます。

• 会計ソフト
  会計帳簿作成の効率化
• BIツール
  データ集計・レポート作成の効率化
• 経費精算システム
  経費精算をまとめて処理・管理
• 請求書発行システム
  請求書の発行を電子化して効率化
• 問い合わせ対応システム
  社内問い合わせ対応の効率化
• 業務支援ツール
  入金消込・振込代行等を効率化

とくに負荷の大きい業務からITツールの導入を行うことで、効率的に業務改善とストレスの低減を進めていくことが可能です。

ペーパーレス化・キャッシュレス化

従来型の紙・印鑑・現金を用いたアナログな方式の経理業務は、業務効率の低下・業務の煩雑化・手間や時間の増加・紛失リスクなど、さまざまなデメリットが伴うため、経理担当者のストレスを増加させる要因となります。

経理担当者のストレスを軽減するのであれば、アナログな業務方式を撤廃して、ペーパーレス化・キャッシュレス化を推進することが効果的です。書類や資料はITツールを活用して電子化を行い、ワークフローも同じく電子化、現金の取り扱いもできるだけオンラインバンキングや電子決済で済ませることで、従来型の業務方式に起因するストレスを大幅に低減することができます。

アウトソーシングの活用

経理のストレス対策を行うためのリソースやコストを確保できない場合は、アウトソーシングを活用するという方法もあります。アウトソーシングとは、外部の専門企業に特定の業務を委任できるサービスのことです。近年では、総務・経理・人事といったバックオフィス部門のアウトソーシングを請け負う企業も登場してきており、業務内容や業務範囲など、自社のニーズに合わせて発注を行うことができます。

当然ながらアウトソーシングにはコストが必要となりますが、人材の採用や育成を行ったり環境を整備したりするよりも安く済むケースも多くあるため、業務改善を社内で実施することが難しい場合は積極的に検討してみることをおすすめします。

属人化を解消する

属人化とは、特定の担当者に業務や進捗が偏った状態を言います。経理部門ではスキルや経験による属人化が生じやすく、特定の担当者に負担が集中したり担当者間での不公平感による人間関係の悪化を招いたりといった状況になりがちです。

そのため、属人化の解消を行い、業務の効率化と標準化を図ることで、不要なストレスを解消して経理部門を円滑に機能させることが可能となります。業務の質も高まるため、他部署との摩擦に起因するストレスも低減することができます。

属人化を解消するためには、前述のITツールの活用やアウトソーシングの活用のほか、業務ノウハウの共有を促進するなどが有効です。

属人化はさまざまなストレスを招く大きな要因となるため、積極的に解消していくことをおすすめします。

経理のストレス軽減につながるおすすめITツール

経理のストレス軽減対策を推進するのであれば、即効性の高いITツールの活用から取り組んでいくのがおすすめです。

ここでは、経理のストレス軽減に繋がるおすすめのITツールを厳選してご紹介します。

作業の効率アップ「クラウド会計システム」

クラウド会計システムとは、文字通りクラウド形式で提供される会計システムのことです。会計処理を行うための記帳自動化・請求書一元管理・給与明細自動作成等のさまざまな機能が搭載されており、経理業務の効率化を図ることが可能です。クラウド形式のため、オンラインに接続できる環境であれば場所を選ばず利用することができるため、テレワーク環境下の経理業務効率化にもおすすめです。

経理業務全体の効率化と負荷軽減を実現できるITツールであるため、最優先で検討したいツールとなります。

社内問い合わせ対応を減らす「チャットボットツール」

チャットボットとは、チャットとボットを組み合わせた言葉で、ユーザーからの問い合わせに対してチャット形式の会話で自動対応を行うことができるツールのことです。

社内の各部署から多数の問い合わせを受ける経理部門においては、チャットボットに対応を代替させることで、大幅な問い合わせ対応の負荷とストレスの軽減を図ることができます。

問い合わせ対応の件数の多さや負担の大きさがストレスとなっている経理部門においては、チャットボットの導入が有力な解決策となります。

単純作業を自動化「RPAツール」

RPAツールとは、定型業務を自動化するためのロボットを作成することができるツールのことです。さまざまな業務を自動化することで、業務負荷の軽減と正確性の担保を同時に実現することができます。

定型業務が多くを占める経理部門の負荷とストレスを軽減するのには非常におすすめのツールです。業務負荷が原因で担当者がストレスを抱えている場合には、RPAの導入が有効な解決策となります。

手軽に導入できるチャットボット「チャットディーラーAI」

チャットディーラーAIは、コストパフォーマンスに優れており手軽に導入ができる社内向けAIチャットボットツールです。製品の特徴や経理のストレス軽減におすすめであるポイントについて以下にご紹介します。

• 学習済みAIと豊富なテンプレートを活用してスムーズに導入できる
• 賢いAIが経理部門への問い合わせを自動対応
• 利便性や操作性に優れており、利用率・解決率もアップ
• カスタマイズ性に優れており、便利な機能も多数搭載
• 充実した分析・レポート機能により効率的なメンテナンスを行うことが可能

経理部門への問い合わせ対応を代替させることで、大幅な負荷軽減とストレスの軽減を実現することができます。導入から目標達成まで充実したサポートが無償で付帯しているため、これから導入を行う方にもおすすめです。

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まとめ

経理の仕事に伴うストレスの原因とその対処法についてご紹介してきました。企業の金銭の流れを管理する経理の仕事は、企業活動を行うにあたって欠かせない業務です。正確性や効率性が求められるのに対して評価されにくいため、担当者はストレスを抱えやすい傾向にあります。

企業としては、経理部門を円滑に機能させるためにも、担当者の不調や離脱を回避するためにも、適切なストレス対策を講じて働きやすい環境を構築しておくことが重要です。

経理部門のストレス対策に取り組む方は、ぜひ当記事も参考にして、最適な環境構築を模索してみて下さい。