HRテックで高まる「チャットボット」への期待|効果的な活用法まで解説!

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長期的な人材不足を補う手段として、ITを活用することで業務効率化を図る企業が増えています。その中でも、人事領域でテクノロジー活用していく「HRテック」という考え方が、近年注目を集めているのはご存じでしょうか。

この記事では、HRテックの基本から、HRテックの一種であるチャットボットの概要、効果的な活用法を解説します。

チャットボットを導入する方法もあわせて解説を行うので、導入を検討している、どういった機能があるか把握したい方はぜひ参考にしてください。

この記事の目次

    HRテックとは?

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    HRテックとは、「Human Resource(人事)」と「テクノロジー」を組み合わせた造語です。採用活動や人材育成といった人事業務に先進的なテクノロジーを取り入れることで、業務効率化やコスト削減などを図ります。HRテックの具体例として、採用管理システムやチャットボット、給与管理システムなどの活用が挙げられるでしょう。

    HRテックが浸透した背景として、クラウド技術が普及し、オンラインシステムの活用がしやすくなったことがあります。2020年度におけるクラウド型HRテックの市場規模は426億円であり、前年比124.6%の金額を記録(※)。クラウド型を主体としたHRテック市場は今後も拡大を続けていく見通しであり、人事業務にクラウド型ツールを導入する企業は増えていくと考えられます。

    その中でも特に、チャットボットによるバックオフィス業務の工数削減、社内連絡の効率化といったメリットは、HRテック市場において注目を集めており、今後も市場規模は拡大していくでしょう。

    次章からは、HRテックの代表的なツールであるチャットボットの概要やメリット・デメリットを解説します。

    (※)HRTechクラウド市場の実態と展望 2020年度版|ミック経済研究所

    チャットボットとは?

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    チャットボットとは、「チャット(会話)」と「ボット(ロボット)」を組み合わせた言葉で、自動会話プログラムのことを指します。ユーザーから投げかけられた質問に対し、自動で返答ができ、対応業務を効率化できるとして、近年人事領域はもちろん、さまざまな領域で活用されています。

    ここでは、現在流通しているチャットボットの種類やメリット・デメリットを解説します。

    チャットボットの種類

    チャットボットは、AI型とシナリオ型の2種類に分けることができます。

    AI型チャットボットは、投げかけられた質問に対し、蓄積されたデータの中からAIが最も適切だと判断した回答を行う仕組みです。チャットボットを運用し続けることで、AIが利用データを学習し、徐々に回答精度が高まるという特徴があります。そのため、比較的複雑な質問にも回答できるという点はメリットでしょう。

    一方、シナリオ型チャットボットは、事前に登録されたシナリオに沿って回答を提示するもので、初心者でも運用しやすい点が特徴です。比較的単純な質問への対応に適しており、対応が困難な質問を受けた際にはオペレーターに引き継ぐように設定可能なシステムも存在します。また、AI型に比べて導入コストを比較的抑えることができ、まずはチャットボットがどのようなものか利用してみたいという場合にもおすすめです。

    チャットボットのメリット・デメリット

    まず、チャットボット全般のメリットとして、24時間365日稼働できるため、機会損失を防いだり、顧客満足度の向上が見込めたりといった点が挙げられます。また、定型的な問い合わせに対する対応をチャットボットに任せることで、オペレーターの負担を軽減できるため、離職率の低減やコア業務に集中できるというメリットもあります。

    さらに、AI型、シナリオ型のメリット・デメリットは以下の通りです。

    AI型チャットボットのメリット

    • 比較的、複雑な質問にも対応できる
    • 質問の”表現ゆれ”にも対応できる
    • 機械学習を行うことで、回答精度の向上が期待できる

    AI型チャットボットのデメリット

    • 学習データの蓄積に時間が掛かる
    • 人によるチューニング(修正作業)が定期的に必要
    • 比較的、導入・運用コストが高い傾向がある

    シナリオ型チャットボットのメリット

    • 単純な質問、件数が多い質問への対応に適している
    • 常に決まった回答を行うため回答内容にブレが生じない
    • 比較的、低コストで導入・運用できる

    シナリオ型チャットボットのデメリット

    • 設定されたシナリオの範囲でしか回答できない(難しい質問に対応できない)
    • 定期的にシナリオのアップデートが必要

    HRでのチャットボット活用例

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    採用活動や社内対応といったHR分野で、チャットボットを活用することは、業務効率の改善や顧客満足度の向上といったメリットが見込めます。

    ここでは、HR分野でチャットボットがどのように活用されているかご紹介します。

    採用

    企業の採用ページなどにチャットボットを設置することで、求職者から寄せられる質問に自動回答で対応できるようになります。対面やWeb面接などでは質問しづらい話題でも、チャットボットを経由することで気軽に質問してもらえることから、潜在的なニーズが掴めるという利点もあるでしょう。

    また、採用活動にチャットボットを導入した事例を見ると、求職者がどのような情報を必要としているかデータとして把握しやすくなり、採用活動の改善に役立てられている事例が多く存在します。

    さらに、毎年寄せられる定型的な質問対応をチャットボットに任せて、採用担当者に掛かる負担を軽減し、生産性を向上させられた事例もあります。

    社内対応

    業務マニュアルやFAQを用意している企業であっても、情報が古い、資料があることが社内に周知されていないといった理由で問い合わせ件数が減らないことは珍しくありません。そこで、人事部や労務部、ヘルプデスクへの問い合わせを減らす手段として、社内でチャットボットを導入することは有効な対策のひとつです。

    チャットボットは、担当者が不在でも自動で応答が可能なため、従業員への負担軽減や問い合わせ対応の効率化などが見込めます。

    社内対応にチャットボットを導入した事例の中には、業務マニュアルの内容をチャットボットへ移行することで人事部に掛かる負担を大幅に削減できたというケースがあります。問い合わせを行う側にとっても、すぐに回答が届くチャットボットを活用することでストレスなく問題を解決できる点は大きなメリットです。

    HRへのチャットボット導入ステップ

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    実際に、HR分野へチャットボットを導入する際には、目的や効果などを十分に検討することが重要です。ここでは、チャットボットを導入する際の基本的な流れを解説します。

    導入目的を考える

    自社に適したチャットボットを選ぶには、導入目的や必要な機能を明確に決めてからチャットボットの比較、検討に移ることがポイントです。

    求職者、社員からの問い合わせ対応を効率化したい、採用ページに設置することで競合他社と差別化を図りたいといった目的に応じて、導入すべき製品は異なってきます。

    目的を決めずにチャットボットを導入した場合、効果が得られなかったり、導入前より自社サイトに対する評価が低下したりするなどの問題が生じるリスクがあります。

    また、実装する機能や運用方法によって金額は異なりますが、チャットボットの導入、運用にはある程度まとまったコストが必要です。コストや目的に応じてAI型・シナリオ型のどちらを導入すべきかが変わってくるため、導入目的は慎重に検討するようにしましょう。

    現状を調査する

    初めてチャットボットを導入する際は、顧客や従業員などからの問い合わせ対応に掛かる時間やコスト、問い合わせ数が平均何件程度かなどのデータを事前に調査しておきましょう。導入前の状況を正しく把握できていないと、チャットボットを導入したことで業務効率化や人件費削減などの効果がどの程度得られたかが測定できなくなります。

    また、KPIを設定しないまま運用を開始してしまうと、具体的な改善点が浮かばないばかりか、運用そのものが形骸化してしまう恐れもあります。導入前後の状況を数値で把握しておけば、チャットボットを提供するベンダーへ効果的な運用方法に関する問い合わせが行いやすくなり、PDCAサイクルもスピーディに回せるでしょう。

    チャットボットツールを選定する

    採用活動や社内対応などにチャットボットを導入する場合、HR分野での導入実績を持つシステムを選ぶのがおすすめです。HR分野に特化したシステムであれば、ベンダーが導入にあたって課題となりやすいポイントや、運用でつまずきやすい点などを把握しており、的確なアドバイスに基づいてスムーズに運用が行えます。また、機能としては、質問が解決しなかった場合にチャットボットからオペレーターへ引き継げる機能を有したものを選ぶことをおすすめします。

    せっかくチャットボットを導入しても、問題が解決できないと活用されなくなってしまうため、コストだけではなく必ず機能面も比較して選ぶようにしましょう。

    チャットボットを設置

    チャットボットを効果的に運用するには、人材採用のページやトップページなど、ユーザーにとって分かりやすい場所へ設置することが重要です。チャットボットの場所が分からない状態だと利用されづらく、オペレーターへの負担が減らない、業務効率が上がらないといった問題が生じるリスクがあります。

    また、表示するタイミングも重要です。最初からページに常駐させておくのか、ある程度ページに滞在またはスクロールした段階で表示させるのか、ユーザーのニーズに合わせて表示させる必要があります。さらに、チャットボットを設置した後も改善は必要なため、アンケート機能を実装しておくと改善すべきポイントが把握しやすくなります。

    メンテナンスを行う

    チャットボットの効果を高めるには、定期的にメンテナンスを行って回答精度を向上させる作業が必要です。チャットボットにはAI型とシナリオ型の2種類がありますが、回答パターンの修正や追加といったメンテナンス作業はチャットボットの種類にかかわらず実施すべき作業です。

    回答精度が低い状態でチャットボットの運用を続けた場合、ユーザーからクレームを受けたり、企業に対する信用低下を引き起こしたりするリスクがあります。

    また、チャットボットのメンテナンスでは、膨大な量のシナリオや対応履歴などの定期的な確認が必要となるため、運用は専任担当者やチームであたるのがおすすめです。ベンダーによっては、運用に関するコンサルティングをサービスとして実施しているケースもあるため、メンテナンスに不安がある場合は導入前に事前に相談しておきましょう。

    <HRにおすすめ>チャットディーラー

    チャットディーラーロゴ

    株式会社ラクスの「チャットディーラー」は、問い合わせ対応を図るツールとして、多数の企業が導入しているチャットボットです。

    チャットディーラーからは、社外利用向けのシナリオ型と、社内利用向けのAI型の2種類がリリースされているので、それぞれHR分野でどのように活用できるかをご紹介していきます。

    社外利用

    社外利用向けのチャットディーラーは、シナリオ型となっています。

    シナリオは、フローチャート式で視覚的に設定できるため、さまざまな業務を請け負う人事部でも、負担なく行うことができます。導入時だけでなく、メンテナンス時のシナリオ追加や修正も簡単に行えるという点もポイントでしょう。

    また、公式LINEに届いた問い合わせを、チャットディーラー上で一元管理・対応することも可能です。人事部で公式LINEを保有しており、採用活動に活用しているという企業は、管理工数の削減にもつながるでしょう。

    この他にも、チャットディーラーにはさまざまな機能が搭載されているので、ぜひチェックしてみてください。

    <社外利用向け>チャットディーラーの詳細はこちら

    社内利用

    社内利用に特化したタイプのチャットディーラーは、AI型チャットボットとなっています。人事労務や経理など、バックオフィス部署に対応した社内テンプレートを、400種類以上搭載。AIへのデータ蓄積やチューニング作業は導入時点で完了しているため、他のAI型チャットボットと比較して短期間で導入が可能です。

    また、社内のビジネスチャットと連携させる、Excelデータから回答テンプレートを一括登録する機能などを備えており、追加費用なしでコンサルサポートも充実しています。

    チャットボットの社内利用をご検討であれば、ぜひ下記をチェックしてみてください。

    <社内利用向け>チャットディーラーAIの詳細はこちら

    まとめ

    HRテックを実施することで、人事業務やヘルプデスクなどの社内対応の効率化を図る企業は近年増えつつあります。HRテックの実施例には採用管理システムや人材管理システムなどがありますが、チャットボットは比較的導入しやすく、導入効果が得られやすいシステムです。

    実際にチャットボットの導入を検討する際は、目的や必要な機能などに応じて自社に適したものを導入しましょう。チャットボットに関するご質問は、ぜひチャットディーラーまでお気軽にお問い合わせください。

    • 執筆者:ボットマガジン編集部
    • この記事を書いた人

      ボットマガジン編集部

      ボットマガジン編集部です!チャットボットについて、タイムリーでお役立ちな情報をお届けします。

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