社内チャットボットをキャラクター化するメリットと設定のポイントをご紹介!
近年、社内にチャットボットを導入し、情報システム部や総務部など管理部門宛の問合せを自動回答させることによって、生産性の向上を実現する企業が増えています。
社内向けチャットボットの導入が決まって公開へ向けた準備を進めていく中で、アイコンにキャラクターなど自由に設定できるケースがよくあります。
しかし、「そもそも、社内用チャットボットのアイコンを設定する意味はあるの?」「どんなキャラクターにすべきか分からない」など悩んでいる方もいらっしゃるかと思います。
この記事では、社内向けチャットボットをキャラクター化するメリットや実際にキャラクターを採用した事例、キャラクター化する際のポイントについてご紹介いたします。
社内向けチャットボットにキャラクターを採用すべきか悩んでいる方は、ぜひご参考にしてください。
キャラクターチャットボットとは
そもそもチャットボットとは、「チャット(会話)」と「ボット(ロボット)」を組み合わせた造語で、ユーザーの入力した単語や文章に自動で回答をしてくれるシステムです。
そして、キャラクターチャットボットは、自動回答プログラムであるチャットボットにキャラクター性や疑似人格をもたせたもののことを言います。
アイコンにキャラクターを設定しただけの簡単なものから、オリジナルキャラクターの性格や口調など詳細なプロフィールまであるものなど様々で、情報を得るだけではなく対話を楽しむことを目的としたものもあります。
また、近年増えているAIを搭載したチャットボットの場合、チャットの最初に「日本語を勉強中。賢くなるためにたくさん話しかけてね!」などと呼びかけることで、キャラクターを成長させる要素としてAIチャットボットの学習データの収集を図るケースも多いです。
チャットボットにキャラクターを採用している企業は多い?
続いて、実際にどれくらいの企業がチャットボットにキャラクターを採用しているのか見てみましょう。
りらいあデジタルの調査によると国内のカスタマーサポート用チャットボット導入企業のうち、「約5割」がキャラクターを採用していることが判明しました。
そのうちプロフィールや雑談機能、口調設定までされているチャットボットは44%で、実際にキャラクターおよびペルソナを細かく設定しているチャットボットでは、キャラクターを採用していないケースと比較すると、利用率向上などの効果が見られていることが分かりました。
このような調査の結果からも、今やチャットボットをキャラクター化するのは当たり前になっているといえるでしょう。
社内チャットボットをキャラクター化するメリット
カスタマー向けのチャットボットでは、約半数の企業がキャラクター化していることが分かりました。
では、社内向けのチャットボットの場合もキャラクター化した方が良いのでしょうか。
結論から言えば、「社内チャットボットもキャラクター化すること」をおすすめします。
その理由は以下のようなメリットがあるためです。
- 社員にチャットボットが定着しやすくなり、利用率が上がる
- 会話を通じて社員のニーズを引き出しやすくなる
- メンテナンスのモチベーションが上がる
それぞれのメリットについて詳しく説明します。
社員にチャットボットが定着しやすくなり、利用率が上がる
一つ目のメリットはチャットボットをキャラクター名で呼ぶことで、社員にチャットボットの存在を覚えてもらいやすくなり、積極的な利用を促すことができることです。
そもそもチャットボットは導入して終わりではなく、社員にきちんと利用してもらうことで初めて効果を発揮し、社内ヘルプデスクの問合せ対応の削減につながります。
しかし、一般的に新しいシステムは導入直後なかなか社員に定着せず「利用率が上がらない」という課題を抱える企業も多いです。
そこでオリジナルの名前を付けて、社員がキャラクターチャットボットを共通の名前で呼ぶことで愛着がわきやすくなり、社内に浸透するスピードが速まります。
会話を通じて社員のニーズを引き出しやすくなる
二つ目のメリットはキャラクターとの会話形式をとることで、社員が気軽に質問できるようになりニーズを引き出しやすくなることです。
社内向けのチャットボットであっても「無機質なシステムで検索する」よりも、「キャラクターと会話をしている」という体験の方が、不思議と親しみを持って会話を続けてくれる傾向があります。
また、担当者に聞くまででもないような基本的な質問や、給与、福利厚生など担当者に直接は聞きにくいセンシティブな質問もキャラクターチャットボットには聞きやすいため、社員の利便性を高めることができます。
メンテナンスのモチベーションが上がる
三つ目のメリットは、チャットボットを設定する側にとってもキャラクター化してあるほうが、「育てている」という感覚になりメンテナンスのモチベーションが上がりやすいということです。
チャットボットを使いやすくするためには導入後も継続的なメンテナンスが必要です。
チャットボットのメンテナンスは、利用者の回答評価やコメントをもとに「回答の修正」や「追加Q&Aの作成」をするなど複数の作業が発生するので、モチベーションを維持するのが難しいことも多いかと思います。
そこでチャットボットをキャラクター化した方が、育成ゲームのような感覚で楽しみながらメンテナンスをできる可能性が高くなります。
社内向けチャットボットにキャラクターを採用した事例
ここからは、実際に社内向けチャットボットにキャラクターを採用した事例を紹介します。
株式会社ラクス 「ラク子さん」
株式会社ラクスでは、情報システム、総務、人事労務、経理に関する問合せに回答するチャットディーラーAIを導入し、「ラク子さん」というキャラクターを採用しています。
チャットディーラーAIは複数の管理部門にわたって利用することができますが、ここでは総務人事部の事例を紹介します。
株式会社ラクスの総務人事部では、チャットボット導入前、メールや社内チャットで1日に約13件、1ヶ月で260件の問合せ対応が発生。社員からの問合せ対応により、コア業務への着手が遅れることが課題でした。
「ラク子さん」を全社に導入後、問合せの対応件数が50%削減。
毎月継続的に新入社員が入社する環境なので、特に入社関連やオフィスルールに関する内容を毎回回答する手間が減ったことに効果を感じています。
チャットボットをキャラクター化してオリジナルの名前を付けたことで、社内でのラク子さんの認知度は非常に高いです。「分からないことがあったらまずはラク子さんに聞いてみる」という習慣がほとんどの社員に根付いているので、キャラクター化した効果は大きいといえるでしょう。
株式会社ベルパーク 「ベル助」
株式会社ベルパークでは、人事・総務ボット「ベル助」を導入しています。
チャットボット導入前は、全国の通信キャリアショップ278店舗に在籍している社員からの問合せを1つの管理部門で対応しており、問合せ対応がひっ迫しているという課題がありました。
「ベル助」を全社に公開後、電話、メール、チャットなど既存の問合せツールからの人事部門への問合せは、日平均で数件〜20件ほど減少。
今後は、質問内容だけでなくユーザー情報を取得し、どの部署の誰がどんな質問をしたのかを特定して、採用・教育・戦略にも活用していこうと考えています。
チャットボットをキャラクター化したことで問合せ対応の削減だけでなく、今まではなかなか部署が違うので進められなかった業務もベル助を育てるという目標の元、気軽に相談し合うようになり社内のコミュニケーションが活発になったようです。
株式会社エス・エム・エス 「あいさぽ」
株式会社エス・エム・エスでは、経営管理部門への問合せに「あいさぽ」が回答しています。
チャットボット導入前は、社内情報が散在していて知りたい情報が探しにくく、経営管理部への問合せが月に4,000件以上も発生。また営業部門では、資料やマニュアルが探しにくいことに加え、誰に質問すればいいかわからない状況が頻発しているという課題を抱えていました。
「あいさぽ」を導入してからは、社内問合せ数が25%減少し、事務処理にかかる時間を400時間短縮。
今後は、サポートチャットボットを活用したさらなる社内情報の活用、生産性向上の仕組みづくりを目指しています。
株式会社エス・エム・エスではサービス名などに、かわいらしいネーミングをする傾向があり、“AI技術によるサポート”ということから「あいさぽ」とネーミングしキャラクター化したことで社内認知につながりました。
社内向けチャットボットをキャラクター化する際のポイント
続いて、社内向けチャットボットをキャラクター化する際のポイントについて紹介します。
オリジナルのアイコンを設定する
まずは、思わずクリックしたくなるようなアイコンを設定しましょう。
キャラクターアイコンを設定することで、社内ポータルやビジネスチャットなどチャットボットの設置先でも目立ちやすくなり、社員のクリックを促すことができます。
より愛着をもって利用してもらえるよう、社員からアイコンのデザインを募集したり、どれにするか社員投票で決めたりするのもオススメです。
呼びやすい名前を付ける
呼びやすい名前を付ける
アイコンを設定したら、キャラクターにオリジナルの呼び名を付けてみましょう。
単に「チャットボットを導入しました」と周知をしても、社員になかなか興味を持ってもらうのは難しいかと思います。 そこで、社員同士がチャットボットをキャラクター名で呼び合うことで、社内周知のスピードが格段に速くなります。
チャットボットの業務範囲や目的を明確にする
いくらきちんとメンテナンスがされているチャットボットであっても、事前に学習されていない複雑な質問に正しく回答するのは難しいです。
そのため、キャラクターチャットボットに対応させる範囲を広げすぎずに、回答できない場合は問合せ先を明示するなど、人が対応する問合せとの線引きをしておきましょう。
またチャットボットの利用目的も事前に明確にしたうえでキャラクター設定をすることも重要です。
社内向けのチャットボットは「社員からの質問に分かりやすく回答する」ことが目的です。例えばすべての回答の語尾にキャラクター独自の口調が付いていると、かえって分かりづらくなってしまい、管理部門のヘルプデスクに電話で直接問合せる人が増えてしまう可能性があるので注意が必要です。
キャラクター設定に時間をかけすぎない
最後に、お客様向けチャットボットと違ってあくまでも利用するのは社員なので、性格などの細かいプロフィール設定や雑談機能などの設定にあまり時間をかけすぎないのも大切です。
ついつい細かいキャラクター設定を凝ってしまうと、チャットボットの公開時期が遅れてしまいがちです。 しかし、導入後の効果を最大化するためにも、キャラクター設定にかける時間は適度にしておき、社員のニーズの把握や回答精度の向上に時間をかけるようにしましょう。
社内向けキャラクターチャットボットならチャットディーラーAIがオススメ
もしこれから、社内向けにキャラクターチャットボットを導入するならチャットディーラーAIがおすすめです。
チャットディーラーAIは、情シスや総務人事、経理、労務などの管理部門に特化したAIチャットボットです。管理部門のよくある質問について400種類以上のテンプレートを搭載し、AIの学習をかけた状態で提供しているため、回答を設定するだけですぐに使い始めることが可能です。
また、追加費用なしで専任サポートがつき、導入前の設定から効果検証と改善提案まで伴走してくれます。
もちろんチャットディーラーAIは、チャットボットにアイコンを設定してキャラクター化することができ、チャットボット全体の色も自由に変更可能。それだけでなく、専任のサポート担当が豊富な導入実績をもとに、貴社のご希望をヒアリングしながら、具体的などういうキャラクターを採用するかなどのアドバイスももらえるので安心です。
まとめ
今回は、社内向けチャットボットをキャラクター化するメリットやキャラクター化する際のポイントついてご紹介してきました。
社内向けチャットボットをキャラクター化することで、「社員にチャットボットが定着しやすくなり、利用率が上がる」「会話を通じて社員のニーズを引き出しやすくなる」「メンテナンスのモチベーションが上がる」などのメリットがあることが分かりました。
その上で、チャットボットのキャラクター化する際には、「オリジナルのアイコンを設定する」「呼びやすい名前を付ける」「チャットボットの業務範囲や目的を明確にする」「キャラクター設定に時間をかけすぎない」という4つのポイントに沿って設定しましょう。
なお、チャットディーラーAIならキャラクターチャットボットを作成するのに十分な機能が搭載されており、キャラクター化して社員の利用を促進する方法まで専属のサポート担当がアドバイスしてくれるので、導入効果を実感しやすくなっています。
ご興味を持たれた方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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この記事を書いた人
内山 七海
2021年10月より法人向けクラウドサービスを提供する株式会社ラクスに入社し、チャットディーラーの製品プロモーションを担当。前職は旅行会社勤務で、一人旅もする旅行好き。