社内ヘルプデスクには改善すべき課題が多い!5つの改善ポイントを解説

社内のあらゆる問い合わせを引き受けるヘルプデスクは、業務を円滑に進めるためには欠かせない存在です。しかし近年は、問い合わせの内容が多様化・複雑化することにより、ヘルプデスクは改善すべき課題を多く抱えるようになりました。
社内ヘルプデスクがパンクし機能しなくなってしまうと、企業は業務不全に陥ってしまう可能性があります。社内ヘルプデスクの業務改善は、企業全体にも大きな影響を与えるのです。
そこでこの記事では、社内ヘルプデスクが抱えている課題を解説し、改善するために押さえておくべきポイントを5つご紹介します。社内ヘルプデスクが抱える課題を解決したいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
社内ヘルプデスク業務とは?

社内ヘルプデスクは、社員のさまざまな疑問や困りごとに対応するのが仕事です。大企業ならヘルプデスク部門を独立させていることもありますが、多くの人を割けずにごく少人数で対応しているのが一般的です。
さらに中小企業になると、専門の部署を設けることなく、他部署が兼任しているケースも少なくありません。一般的には「システムの使い方が分からない」「パソコンがフリーズした」といった技術的な問題に対応することが多いため、情報システム部がヘルプデスク業務をおこなうことが多いようです。
また「経費の申請期限を知りたい」「有給の取得方法を確認したい」といった質問に答える総務や経理などのバックオフィス部門がヘルプデスク業務をおこなっているケースも見られます。
社内ヘルプデスクには改善すべき課題も多い

多くの社員に頼りにされる社内ヘルプデスクは、以下のようなさまざまな課題を抱えているといわれています。
人手不足で業務過多に陥っている
社内ヘルプデスクは常に人手不足であることから、業務過多に陥ってしまいがちです。先述したとおり、社内ヘルプデスクは多くても数人、企業によっては情シスや総務などが兼任しているケースも珍しくありません。通常業務を抱えながら対応することになるため、1人が抱える業務量は大きくなる傾向があります。就業時間内に自分の業務を終えられず、残業が増えてしまうこともあります。
そうなると肉体的・精神的疲労が増えていき、退職を考える社員もでてきます。人が減ってもヘルプデスク業務をこなせるような人材はなかなか見つからず、残った社員がますます業務過多になり、ヘルプデスク部門はどんどん疲弊していくのです。
初歩的な質問が多い
ヘルプデスク部門に寄せられる質問は、「基幹システムが故障した」「通信障害が起こった」といった深刻なものばかりではありません。どちらかというと「表示されているエラー番号の内容を知りたい」「ログイン方法を教えてほしい」といった初歩的な質問が多いことが特徴です。
そのような簡単な質問は、答えるのも短時間で済みますが、それが1日何回も繰り返されるとなると問題です。そういった初歩的な質問が多く寄せられると、本当にヘルプデスクが解決しなければならない問題にかける時間がなくなったり、本来のコア業務に取り組む余裕がなくなったりしてしまいます。
対応範囲が広い
ヘルプデスクと一口にいっても、その対応範囲は広く、業務内容が多岐にわたるのが特徴です。また社内システムも勤怠管理や経費精算、顧客関係管理など種類が多く、それぞれのツールだけではなく業務に対しても幅広い知識が求められます。
しかし自分の業務も抱えながらヘルプデスク対応もしているため、そういった知識の習得やアップデートになかなか時間をかけられないのが現実です。習得しなければならない知識量が多く、すべてを把握するのが困難なことも社内ヘルプデスクの課題です。
対応品質にばらつきが生じる
社内ヘルプデスクは、対応する人によって対応品質にばらつきがあることも問題です。
社内ヘルプデスク対応をする社員がベテランであれば、的確で詳細な解決方法を瞬時に得られる可能性が高くなります。しかし実際は、コア業務に該当しないヘルプデスク業務は、社歴が短い社員が任されることが少なくありません。
マニュアルを見て答えられる内容ならともかく、複雑な問題であれば回答に時間がかかってしまったり、満足のいく解決方法を示せなかったりすることもあるでしょう。
対応品質にばらつきが出ると、質問した社員の満足度が下がることも考えられます。
説明が難しいケースも
社内ヘルプデスク対応は、メールやチャット、内線電話でおこなわれます。しかし技術的なトラブルは、口頭やテキストで説明するのは簡単ではありません。ましてや相手のITリテラシーが低ければなおさらです。
とくにコロナ禍の影響でテレワークを採用することになった企業では、準備が追いつかないまま見切り発車したところも多いでしょう。ITに詳しくない自宅にいる社員に対し、遠隔で対応するのは困難を極めます。専門用語をかみ砕いて説明しても、相手になかなか伝わらずにもどかしく思うケースも多いのです。
ヘルプデスク業務を改善するために重要な5つのポイント

ここからは、ヘルプデスク業務を改善するために押さえておきたい、重要な5つのポイントをご紹介します。
ツールの活用で有人対応件数を減らす
ヘルプデスク業務を改善するには、ツールを活用して自動化し、有人対応件数を減らすことが重要です。先述したとおり、ヘルプデスクに寄せられる質問は、難易度が高いものよりも、マニュアルを見れば分かるような簡単なもののほうが多いのが特徴です。
そういった数多く寄せられる、そして誰が答えても同じような定型質問は、以下のようなツールに任せてしまうのがおすすめです。
チャットボット
チャットボットとは、チャット(chat=会話)とロボット(robot)を組み合わせた言葉で、会話型の自動応答システムを指します。チャットボットには、シナリオ型とAI型があり、それぞれ以下のような特徴があります。
<シナリオ型>
画面に提示された選択肢を社員が選ぶことによって、あらかじめ設定されたシナリオに沿って設問が分岐するのを繰り返し、回答まで導くシステムです。選択肢を選ぶ方式だけでなく、質問文を入力する方法もあります。
<AI型>
社員がチャットウィンドウに打ち込んだテキストから、AIが質問内容を判断し、適切な回答を提示する仕組みです。表記揺れにも対応でき、多くのデータを蓄積することで回答精度が上がっていくのが特徴です。シナリオ型よりも、より自然な会話で回答へと導けます。
チャットボットを社内ヘルプデスクに導入すると、簡単な質問への対応を任せられるようになり、社員はより重要度の高い問題に対応したり、コア業務に集中したりできるようになります。
問い合わせ管理ツール
問い合わせ管理ツールとは、社内から寄せられる問い合わせを一元管理するシステムです。
電話やメール、チャットツールなどで寄せられる問い合わせを集約することで、抜け漏れや二重対応を防げるようになります。
FAQの整備で問い合わせ件数を減らす
FAQが整備されていない場合には、新たに制作したうえで、社内ポータルのトップページやお問い合わせページなどに掲載すれば、問い合わせ件数の削減につながります。
すでにFAQがあるけれども活用されていないケースでは、よくある質問をトップの目立つ場所にまとめる、インデックスしたりタグ付けしたりして検索性を高めるなどして、使ってもらいやすいものへと改善するのがおすすめです。
FAQツール
FAQを整備するなら、FAQツールを活用するとよいでしょう。FAQツールとは、社員に疑問を自己解決してもらうために、よくある質問とその回答を作成・蓄積し、検索できるように整えるシステムです。
コンテンツを作成する機能、質問を探す検索機能、検索結果の分析機能が備わっているのが一般的で、改善を重ねることでより使いやすいFAQへと進化させていけるのが特徴です。
対応ノウハウを蓄積する
対応ノウハウを蓄積し、社内ヘルプデスクを担当する社員間で共有するのもヘルプデスク業務の改善には欠かせません。
社内ヘルプデスクは対応する人が限られるため、業務が属人化しやすいことが特徴です。対応ノウハウが共有されていないと、普段対応している社員が休んだり、退職したりしたときに大きな問題に発展する可能性があります。
ナレッジ共有ツール
対応ノウハウを蓄積するには、ナレッジ共有ツールを導入するのが効果的です。ナレッジ共有ツールとは、社内の各部署や社員が保有している知識やノウハウといった「ナレッジ」を収集し、一元管理・活用するためのツールです。
フォルダ階層構造になっているタイプ、wikipediaの社内版のようなタイプなど、いろいろな種類のツールがあるため、自社にあったものを選ぶことが大切です。
対応者のスキルアップ
社内ヘルプデスクではさまざまなITツールや業務への理解と知識が求められることから、対応者のスキルアップが欠かせません。経験が浅い社員にもどんどん対応を任せ、一つひとつの問い合わせに真摯に向かいあうことで経験を積み上げるのが大切です。
ヘルプデスク業務や通常業務が忙しく、知識の習得にかける時間がない場合には、講座に参加させるなど、企業として意図的に学習機会を設けることも検討しましょう。
対応範囲の周知徹底
ヘルプデスク業務は「社内の何でも屋さん」と社員に思われ、ささいなことでも相談される傾向があります。しかし何にでも対応していては、リソースがいくらあっても足りません。
そのためあらかじめ対応範囲や対応時間を明確にし、それを社員に周知徹底することが重要です。対応範囲を決めておけば、余裕を持ってヘルプデスク業務に取り組めるようになり、また業務を標準化できることから属人化の防止にもつながります。
ツールを活用した社内ヘルプデスクの改善事例

ここからは、ツールを活用したヘルプデスクの改善事例を3社ご紹介します。
株式会社ラクスの事例
株式会社ラスクでは、ヘルプデスクを兼任している情報システム部に、PCの使い方やネットワーク接続、リモートワークに関する問い合わせが多数寄せられる課題を抱えていました。問い合わせ対応を優先せざるを得なく、定例業務や改善提案への着手が遅れてしまっていたのです。
そこで社内問い合わせ対応にチャットボットを導入。社員が疑問を自己解決できることが増え、問い合わせ対応件数を60%削減させるのに成功しました。
【出典】【インタビュー】AIチャットボットで情シスの社内ヘルプデスク対応を60%削減!
日本航空株式会社の事例
日本航空株式会社では、社員用のイントラネットで情報発信していたものの、人事や総務関係の手続きなどを調べたいと思っても、何千ページもの中から知りたい情報になかなかたどり着けないという問題を抱えていました。
その課題を解決するために、チャットボットを導入します。その結果、導入後わずか1か月で、社内問い合わせの約30%の削減に成功しました。
【出典】日本航空(JAL)の働き方改革にチャットボット導入。 社員への情報発信にチャットを設置し、導入1ヵ月で30%の問い合わせを削減!
ヘルプデスクの業務改善に「チャットディーラーAI」
社内ヘルプデスクの業務改善にチャットボットを検討するなら、チャットディーラーAIがおすすめです!チャットディーラーAIは、社内ヘルプデスク向けに開発されたチャットボットで、あらかじめ400種類以上のテンプレートと、学習済みAIが搭載されているのが特徴です。
通常チャットボットの導入には、Q&Aを登録してからデータを蓄積し、さらにチューニングをおこなうなど使い始めるまでに長い時間がかかります。その点チャットディーラーAIは、テンプレートの質問に回答すれば、AIはすでに学習済みなのですぐに利用を開始できます。社内で普段使用しているチャットツールと連携できるので、スムーズに使い始めることが可能です。
導入から効果検証まで、選任サポートがつき支援するので、ヘルプデスク業務や通常業務に忙しいヘルプデスク部門でも、負担なく導入できるのもメリットです。
まとめ
社内ヘルプデスク部門は、人手不足による業務過多や、対応範囲の広さ、初歩的な質問への対応など、多くの課題を抱えています。課題の解消には、対応者のスキルアップを図り、対応範囲を周知徹底するのはもちろんですが、ツールを活用して問い合わせ対応業務を自動化するのが効果的です。
ツールには、ナレッジ共有ツール、FAQツールなどがありますが、社員が普段使っているチャットで気軽に質問できるチャットツールならスムーズに導入できます。なかでもチャットディーラーAIは、社内利用に特化して開発されているので、多忙なヘルプデスク部門でも負担なく導入できるのでおすすめです。ご興味を持たれた方は、ぜひ以下から資料のダウンロードをご検討ください。
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この記事を書いた人
ボットマガジン編集部
ボットマガジン編集部です!チャットボットについて、タイムリーでお役立ちな情報をお届けします。