業務効率化を実現するアイデア・事例6選|実践のポイントや成功事例も

近年ではコロナ禍などの社会情勢の影響やビジネストレンドの変化など、企業を取り巻く環境は目まぐるしく変化しています。このような状況下でビジネスを成長・加速していくためには、業務効率化を進めて企業の生産性を高めていくことが重要です。
当記事では、業務効率化の概要・メリット・推進の手順から、業務効率化の施策のアイデア、実際の業務効率化の事例までを解説していきます。
自社での業務効率化を検討している方や、これから業務効率化に取り組む方は、ぜひ参考にしてみて下さい。
業務効率化とは何か?

業務効率化とは、業務を推進するうえでの業務フロー・業務プロセスから、ムリ・ムダ・ムラを取り除き、非効率な業務を改善して効率化を図ることです。例えば、アナログな業務をITツールに代替させて自動化を図ったり、紙の資料や書類を電子化してペーパーレス化を図ったりといった施策は、業務効率化の典型的な例となります。
業務効率化に似たワードに「生産性向上」があります。こちらは限られたリソースからより高いアウトプットを得るという意味となります。
つまり、業務効率化が目指すところは生産性向上であるため、業務効率化は生産性向上を実現する施策の一部であると解釈できます。
業務効率化のメリットとは

多くの企業が業務効率化を推進していますが、その理由は数多くのメリットがあるためです。代表的なメリットについて以下にご紹介します。
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コスト削減
ムリ・ムダ・ムダを省くことで、人件費・経費等のコストを削減することが可能
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生産性向上
同じ業務を短時間でスムーズに行えるようになるため、生産性の向上を実現できる
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働きやすさ・モチベーションの向上
より軽い負荷でスムーズに業務を行えるようになり、働きやすさが向上。モチベーションや従業員満足度の向上も期待できる
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売上・利益の向上
コスト削減・生産性向上・モチベーション向上等の複数の要素の結果により、企業の売上・利益も向上
業務効率化を進める手順

業務効率化は、手当たり次第に取り組んでも納得のできる成果を得ることはできません。効果的な業務効率化をスムーズに進めるには、基本となる手順を踏襲することが重要です。
以下に、業務効率化の推奨手順について解説します。
現状の問題を洗い出す
業務効率化のファーストステップは、業務の全体像を明確に把握して、現状の課題・問題の洗い出しを行うことから始まります。
実際の現場の業務体制・業務フロー・人員体制・メンバーが担当する業務などを明確化して、無駄が生じている部分や改善が見込まれる部分などを、できるだけ多くリストアップします。多くの時間・労力が必要な作業となりますが、課題・問題の洗い出しをどこまで徹底するかによって、業務改善の成否や後のステップの質も大きく変わってきます。
課題・問題が曖昧なまま効果的な施策を実施することはできないため、現状把握には徹底的に行っておきましょう。
改善策を検討する
続いて、上記のステップで洗い出した課題点・問題点に対して、具体的な改善策を検討します。例えば、以下のようなイメージです。
- ツールにより自動化・効率化できる業務はどこか
- どのようなツールを導入すれば良いか
- どのように業務を効率化するか
- デジタル化できない部分に対してはどのような改善を施すか
- 具体的にどのような結果が得られるか
改善策を検討する際に重要となるポイントが、現状(As Is)と理想の状態(To Be)をイメージして、そのギャップを埋める方法を考えていくことです。このような方法を採用することで、具体的かつ現実的な改善施策を見いだすことができます。
実現に向けた体制を構築する
業務効率化の改善策を考えただけでは、スムーズに施策を推進していくことは困難です。現行の業務体制・業務フロー・社内制度などを無視してツールやシステムの導入を行ったり、業務のデジタル化を行ったりしても、現場に即した現実的な業務効率化を実現することはできないためです。
そのため、業務効率化の実施にあたっては、社内の状況・環境を踏まえた現実的な実現体制を先に構築しておくことが重要です。施策の実施がスムーズに行えるように、先に社内の体制・フロー・制度等の調整を行っておきましょう。
スケジュールを設定する
業務効率化の施策は、多大な労力と時間を必要とするため、効率的に施策を推進していくことが重要となってきます。そのため、施策の実施にあたっては、事前にスケジュールの設定を行い、期限を区切って着実に目標を達成していくことが重要なポイントです。
まずは、上記のステップまでで決定した施策の全体像を見渡し、工程・工数を明確化。できるだけ短期間で施策を実施できるように、最適な施策の実施工程・順番・期間等を検討していきます。
スケジュールを設定せずに業務効率化を推進すると、取り組みが曖昧になったり想定外の時間が必要となったりするリスクがあるため、必ず設定を行っておきましょう。
実施し効果検証する
業務効率化の準備が整ったら、スケジュールに従って施策を実施していきます。施策の実施後は効果検証を行い、狙い通りの成果が得られたのかをチェックすることが重要なポイントです。
上手くいっている施策は引き続き継続を行い、効果が見られなかった施策については見直し・改善を行い、再度施策の実施を行っていきます。
ビジネスの状況は常に変化するため、業務効率化は一度実施しただけではいずれパフォーマンスが落ちてきてしまいます。そのため、常にPDCAサイクルを回して継続的な改善を行っていくことが重要です。
業務効率化につながる6つのアイデア

企業によって業務の状況・環境は異なるため、業務効率化を実施するにあたってはできるだけ多くの引き出しを持っておくことが重要なポイントです。
ここでは、業務効率化に繋がるアイデア・事例を6つご紹介します。
アイデア・事例1:業務のマニュアル化
特別な知識・スキルを持つ人材でなければできない作業を除いて、業務マニュアルの作成・業務のマニュアル化の推進は業務効率化に効果的です。
誰が担当者となっても問題なく業務に取り組めるように、作業方法・作業手順をマニュアル化することで、属人化を防ぎ業務の標準化・均質化を実現することが可能になります。常に一定の品質の業務を行えるようになるだけでなく、人材育成や配置転換の際にも大きな効力を発揮するでしょう。
業務のマニュアル化・マニュアル作成には多くの労力が必要となりますが、リターンは非常に大きく長期的に効力を発揮できるため、業務効率化を実現したいのであればぜひ実施したいアイデアです。
アイデア・事例2:ムダの削減
業務の中には必ず「ムダ」が発生します。業務全体を見渡し、徹底的にムダを省いていくのも、業務効率化には有効です。このアイデアは実施のハードルが低いというメリットもあります。
業務効率化にあたって何から取り組んでよいか分からない場合は、まずムダを探し出し、徹底的に取り除いてから改めて考え直すというのも効果的な方法です。
アイデア・事例3:業務のアウトソーシング
業務効率化は、社内で施策を巡らせるだけでなく、外部の企業に協力を仰ぐアウトソーシングを活用するという方法もあります。
デジタル化できる業務範囲が少ない場合や、自社で業務効率化の推進が難しい場合、業務に必要なリソースが不足している場合には非常におすすめです。
現在ではアウトソーシング請負業者のサービス範囲・質も向上してきており、必要に応じて必要な範囲の業務を外注することが可能です。
アイデア・事例4:業務の自動化
昨今、RPA等のデジタルツールの発達により、定型的な業務や日々のルーティン業務の大部分を自動化できる時代となっています。
RPAやマクロを駆使して多くの業務を自動化することで、大幅な業務効率化を実現することが可能です。ヒューマンエラーによるミスや抜け漏れも低減され、人的コストの削減も図ることができます。
人手不足・リソース不足に陥っている企業の業務効率化には、特におすすめの施策となります。
アイデア・事例5:人材の配置を見直す
業務効率化は、デジタルツールの導入による業務自動化・効率化だけでなく、人員の配置や業務の割り振りといったアナログな部分の見直し・改善も重要です。
企業に勤務する人材は、一人ひとり得意分野・経験・能力も異なるため、適材適所の配置を行うことが重要なポイント。全ての業務をデジタル化できるわけではないため、人が担当しなければならない部分を最適化することにより、更に高いパフォーマンスを発揮することが可能となります。
人材の配置を見直す場合は、先にできるだけ業務のIT化・デジタル化を推進してから行うのが、効果性・効率性の観点からもおすすめです。
アイデア・事例6:DXに取り組む
現代の業務効率化において欠かせない視点が、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進です。DXとは、デジタル技術を駆使することで人々の生活や社会全体に好ましい変革をもたらすといった意味です。
組織全体でDXに取り組むことで、非効率なアナログ業務をデジタル化して業務効率化を実現することが可能です。また、デジタル技術の積極的な活用により、企業の成長・発展に繋がるより良い業務方式・業務体制を見いだせる可能性も高まります。
現在は社会的にDXの推進が推奨されているため、業務効率化を行うのであれば、DXの視点は必ず持っておくことをおすすめします。
業務効率化を実践した事例

業務効率化の実施にあたっては、実際に業務効率化を実施した企業の事例を参考にすることもおすすめです。多くのエッセンス・学びを得ることができます。
ここでは、ぜひ参考にしておきたい業務効率化を実践した事例をご紹介します。
AIチャットボットを導入した事例
東京きらぼしフィナンシャルグループの一員である株式会社きらぼしコンサルティングは、経営や事業承継に関するコンサルティング・セミナー・講演会・調査業務などを通じてクライアント企業の成長・発展を支援する企業です。
同社の総務部門では、総務だけでなく経理・人事・労務・情シスといったバックオフィス部門をまとめて担当しており、組織の急拡大に伴い問い合わせ対応の件数が急増。対応品質の担保や通常業務の停滞といった課題が発生していたため、チャットディーラーAIの導入により課題解決を目指しました。
導入にあたって現状分析を行ったところ、問い合わせの内容は同じようなものが半数以上を占めていることが発覚。チャットディーラーAIのテンプレートを活用してFAQの作成を行い、1.5ヶ月という短期間で試験運用をスタートしました。
導入後は、FAQを公開したカテゴリーにおいて問い合わせ件数の減少がみられ、特定の分野においては総務部に寄せられる質問がゼロになるなどの成果も得ることができました。
現在はまだ運用改善の途中ですが、今後の運用次第では更なる問い合わせ件数削減も実現できると実感しています。
RPAを使った自動化に取り組んだ事例
損保大手の三井住友海上火災保険株式会社では、全社的な働き方改革の推進を行っており、原則19時前退社ルール・残業時間10%削減・在宅勤務の推進などさまざまな目標を設定しています。これらの目標の達成をサポートするために、RPA・VBAによる業務自動化を実施しました。
導入の結果、月間1,200時間・年間14.4万時間という大幅な労働力削減を達成して、全社的な業務効率化ならびに働き方改革の実現に成功。徹底した業務自動化を実施すれば、膨大な業務時間・労働時間を削減可能であることがよく分かる事例です。
業務効率化に活用したい社内用チャットボット「チャットディーラーAI」
上記の事例でもご紹介した通り、AIチャットボットは問い合わせ対応やナレッジ共有を自動化・効率化することで、業務効率化に大きく貢献してくれるツールです。業務効率化の一環としてチャットボットの活用を検討している方は、弊社の社内用チャットボット「チャットディーラーAI」がおすすめです。
主な特徴や業務効率化に役立つポイントは以下の通りです。
- 社内で活用が想定されるあらゆるプラットフォームへの設置が可能
- 部署・部門別にテンプレートが豊富に用意されており、スムーズにFAQを作成可能
- 賢い学習済みAIにより、回答精度・解決率・満足度も向上させやすい
- 業務効率化に役立つ一括登録・回答評価・カスタマイズといった機能が充実
- 一般的なAIチャットボットの半分の期間でスムーズに導入開始が可能
- 専任担当者が導入から目標達成まで徹底サポート
社内用途に特化したチャットディーラーAIであれば、さまざまな状況・環境においても業務効率化の推進に貢献することが可能。低コストでパフォーマンスに優れているため、はじめてチャットボットを導入する方から本格的な運用を希望する方まで、幅広くおすすめできる製品です。
チャットボットを活用して業務効率化を実現したい方は、ぜひチャットディーラーAIをご検討下さい。
まとめ
業務効率化の概要・方法・メリットからアイデア・事例までをご紹介してきました。
業務効率化は、現在多くの企業が対応を迫られている重要な課題です。厳しいビジネス環境下で生産性向上・売上拡大を実現していくためにも、的確かつスムーズに施策を推進していくことが求められています。
業務効率化の実施にあたっては、多くのアイデア・事例に触れて、知識的地盤を構築することが成功のポイントです。戦略や施策の引き出しも増えて、効果的な打ち手を導き出すことができます。
これから業務効率化を検討している方や実際に取り組む方は、ぜひ当記事も参考にして、自社に最適な計画・施策を検討してみて下さい。
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この記事を書いた人
ボットマガジン編集部
ボットマガジン編集部です!チャットボットについて、タイムリーでお役立ちな情報をお届けします。