チャットボット導入は魔法じゃない!500社の実例から学ぶ成功するための準備とは?

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「チャットボットを導入したら業務が効率化するんでしょ?」
「あの企業も導入してるし、ウチもとりあえずやってみよう!」

チャットボットに対してこのようなイメージをお持ちの方は多いのではないでしょうか?
それもそのはず。
もし導入を検討したことがある方ならお分かりだと思いますが、どのツールも口を揃えてこう言うからです。

「導入するだけで業務がすごく楽になりますよ!」
「どんな企業でも導入できますよ!」

まず初めに断言しておきます。
チャットボットは魔法のツールじゃありません。
そもそもどのようなツールであっても、導入しただけで成果が上がるものは存在しません。

導入に成功している企業の裏には、失敗している企業が数多く存在するのです。
本記事では、流行によってイメージが先行しているチャットボットについて、弊社インサイドセールス担当から伺ったお客様の生の声を元に現実をお見せいたします。

導入に失敗する企業と成功する企業では何が違うのか。
事前に何を準備しておけば導入を成功させられるのか、実際の事例を交えながら見ていきましょう。

この記事の目次

  1. なぜチャットボット導入は失敗するのか
    • チャットボットで解決できる課題は決まっている
    • チャットボットの効果を最大限発揮するには企業ごとにそれ相応の準備が必要
  2. チャットボット導入の成功事例から学ぶ
    • 【成功事例①】株式会社マクロミル
    • 【成功事例②】株式会社オークファン
  3. 導入に成功した企業の共通点とは?
    • 現状の課題を“定量化”できている
    • 対策するべき箇所が明確になっている
    • “回答”が用意されている
  4. 導入後にみえてくる課題
    • メンテナンスにより好循環をつくる
  5. チャットボット導入で失敗しないように

なぜチャットボット導入は失敗するのか

冒頭でも述べたように、チャットボットを”とりあえず”導入すると十中八九失敗するでしょう。
具体的にいえば、「事前準備をできていない状態」で導入すると失敗します。

では、なぜ事前準備ができていないと失敗してしまうのでしょうか?
理由は大きく分けて2つあります。

バインダー

なぜ事前準備がないと失敗してしまうのか?

  • チャットボットで解決できる課題は決まっている
  • チャットボットの効果を最大限発揮するには企業ごとにそれ相応の準備が必要

それぞれ詳しくみていきましょう。

チャットボットで解決できる課題は決まっている

チャットボットといえば、「問い合わせへの自動回答」がメインの機能です。
しかし、問い合わせと一口にいっても全てに対応できるわけではありません。

チャットボットが対応可能な問い合わせは”よくある問い合わせ”、いわゆるFAQページに掲載しているような内容です。
仮に任せたい問い合わせがパーソナルで詳細なヒアリングを必要とする種類のものであれば、そもそもチャットボットで解決できる課題ではないということです。

チャットボットの効果を最大限発揮するには企業ごとにそれ相応の準備が必要

チャットボットが自動回答するには、事前に「質問と回答」を用意しておく必要があります。

ツールによっては、「テンプレートがあるので安心!」と謳っているものも見受けられます。
しかし、あくまでテンプレートはテンプレートです。

果たして、テンプレートをそのまま使うことで利用者を満足させられるでしょうか?
回答させたい内容は企業によって大なり小なり異なるはずです。
テンプレートがあるにせよ、企業ごとに「質問と回答」を当てはめていく作業が発生するため、準備ができていないと何も答えられない、いわゆる使えないチャットボットが出来上がってしまいます。

テンプレートはそのまま使わない

チャットボット導入の成功事例から学ぶ

チャットボットが失敗する理由はもちろんですが、成功するのにも理由があります。
実際の成功事例を詳しくみていきましょう。

【成功事例①】株式会社マクロミル

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世界16カ国・40以上の拠点をベースに、マーケティングリサーチのほか、デジタルマーケティングやグローバルリサーチなど、お客様のニーズに最適なソリューションを提供している。独自に構築した約120万人のリサーチ専用モニタと豊富なノウハウを生かし、ネットリサーチ国内No.1の実績を持つ。

導入前の課題

導入前の課題

  • 1日に約100件/人の問い合わせ対応内容も自分で解決できるものが多い
  • FAQページを作成しているもののなかなか見てもらえていない
下矢印
導入までの流れ

導入までの流れ

  • 元々、FAQやテンプレートは準備していたのでそのままチャットボットに反映した
  • 年に1回繁忙期があるのでそれまでに設定完了できるようなスケジュールを組んだ
下矢印
導入後の効果

導入後の効果

  • 前年比較で問い合わせ総数を20%削減!
  • これまでなかった声も確認できるように!不安な点、つまずきやすいポイントがより見えてきた

【成功事例②】株式会社オークファン

株式会社オークファン

国内最大級のショッピング、オークションの相場検索サイト「aucfan.com」を運営されている。

導入前の課題

導入前の課題

  • 定型で返せる問い合わせが多数発生!スタッフの負荷が大きい
  • お客様の問い合わせる手間も削減したいので、FAQページをもっと見てほしい
下矢印
導入までの流れ

導入までの流れ

  • FAQページの問い合わせ分類をチャットに反映、選択式でできる無人チャットボットを作成
  • 詳細はFAQページへ誘導して自己解決にうながす
下矢印
導入後の効果

導入後の効果

  • 問い合わせ対応件数を40%削減!
  • 特にスマホからの問い合わせは1/2程度まで減少!
ホームページにチャットボットを設置?

導入に成功した企業の共通点とは?

実際の事例をみてきましたが、共通点があったことにお気づきでしょうか?
共通点こそが導入の成功パターンであり、事前に準備しておくべきポイントです。

チャットボットを導入する”前”にご注目ください。
2つの企業の「導入前の課題」を下記にまとめてみました。

導入前の課題

株式会社マクロミル

  • 1日に約100件/人の問い合わせ対応内容も自分で解決できるものが多い
  • FAQページを作成しているもののなかなか見てもらえていない

株式会社オークファン

  • 定型で返せる問い合わせが多数発生!スタッフの負荷が大きい
  • お客様の問い合わせる手間も削減したいので、FAQページをもっと見てほしい

ここから分かることは下記3点です。

  • 現状の課題を“定量化”できている
  • 対策するべき箇所が明確になっている
  • “回答”が用意されている

それぞれを詳しく見ていきましょう。

現状の課題を“定量化”できている

チャットボット導入の効果を測定するには、当たり前ですが導入前と比較する必要があります。
しかし、準備できていない状態で導入してしまうと効果を正しく把握することができません。

結果、「効果がないような気がする…」という定性的な判断を下す危険性があり、本当は業務効率化に貢献していたチャットボットを解約してしまうかもしれません。
成功させるには、費用対効果を正しく判断できる指標を準備しておく必要があります。

導入前と導入後を比較する

対策するべき箇所が明確になっている

「なぜチャットボット導入は失敗するのか」の段落でも触れましたが、チャットボットが解決できる課題は決まっています。
下記の図のように、まずは業務全体を細分化することが重要です。

その中で、業務全体の中でも対応業務、対応業務の中でも「定型化された問い合わせ」といったように、チャットボットで解決したい業務を明確化しておくことが必要です。

業務全体を細分化する

“回答”が用意されている

チャットボットはあくまで自動回答するツールです。
回答が用意されていなければ機能しませんし、当然ユーザーが納得できる回答でなければ疑問を解決に導くこともできません。
また、回答は質問とセットのため、質問自体も用意しておく必要があります。

成功事例のようにFAQページがあれば準備はできていますし、もし無くても社内で共有しているマニュアルやノウハウをヒアリングすれば問題ありません。
重要なのは、きちんと回答を準備しておくということです。

簡単に作れて、すぐに使える。初めてのチャットボット

導入後にみえてくる課題

「準備万端で導入したからもうおしまい!」

とは考えていませんか?
チャットボットは導入後もきちんとメンテナンスする必要があります。

メンテナンスしなくても当初の設定で動き続けますが、導入段階で完璧なチャットボットなど存在しないので徐々に使われなくなることは必至です。
勘違いしてほしくない点として、「使われない」と「効果が無い」はイコールではないということです。

チャットボットが使われない主な理由は下記の通りです。

  1. ① チャットボットを設置したWebサイトの訪問者数がそもそも少ない
  2. ② 訪問者がそもそもチャットに馴染みがない(平均年齢が高いなど)
  3. ③ 最初は使われたけど、求めている回答が得られないから使わなくなった

①や②が理由の場合、チャットボットを導入しても効果を得ることは難しいため、継続する必要性はあまり無いでしょう。
しかし、③の場合はチャットボットをメンテナンスすることで効果が出る可能性は大いにあります。

では、どのようにメンテナンスをしていけばよいのでしょうか。

メンテナンスにより好循環をつくる

チャットボットを導入すると、電話やメールでは得られなかった”些細な問い合わせ”が増えます。
理由は、わざわざ電話を掛けたりする必要が無く、Webサイト閲覧時に匿名ですぐに問い合わせできるためです。
結果、下記のようにいままで把握できていなかったユーザーの気持ちや意見を得ることができるようになります。

把握できていなかったユーザーの気持ちや意見を得ることができる

メンテナンスは、このようにして得られた意見をもとにチャットボットの項目を見直せばよいのです。
見直したチャットボットをユーザーが利用することで、「新しい意見が蓄積⇒チャットボットを見直し⇒蓄積⇒見直し…」と好循環をつくることが重要です。

好循環を作る

チャットボット導入で失敗しないように

チャットボットの導入にあたり、実際の事例から成功パターンを見つけ、事前に何を準備しておくべきかをみてきました。
もしかしたら、想像していたより”手間がかかりそう”と感じたかもしれません。
しかし、きちんと準備をして運用すれば、チャットボットは業務効率化に非常に効果的なツールです。

チャットボット市場の最悪な結末は、とりあえず導入の失敗により「チャットボットは効果が無い」の烙印を押されてしまうことです。
本当は効率化できたはずの業務が野放しになり、導入企業にとっても生産性向上のチャンスを失います。(当然ツールベンダーも大打撃)

何度もお伝えしておりますが、チャットボット導入の際はきちんと準備をしましょう。
そして、導入後も継続してメンテナンスすることで最大の効果を発揮できます。

もしご興味があれば、弊社株式会社ラクスのチャットボット「チャットディーラー」 にご相談ください。
本記事では書ききれていないチャットボットの本音を交えて、貴社の導入を支援いたします。

この記事により、チャットボットの導入失敗が減り、成功事例の報告が増えれば幸いです。

対応コストも大幅に削減しつつ、顧客満足度もUP
  • 執筆者:川口雄治
  • この記事を書いた人

    川口 雄治

    法人向けクラウドサービスを提供する株式会社ラクスで、製品プロモーション・営業支援を担当。前職は無印良品の店長という少々変わった経歴。

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