チャットボットはAIがいい?シナリオタイプがいい?それぞれの特徴

問い合わせへの対応を効率化したい企業にとって、チャットボットの存在はとても気になることでしょう。
もしかすると、チャットボットの導入検討の段階にいるかもしれませんね。
そんなとき、次のような疑問が生まれるはずです。
「チャットボットにはAIじゃない種類もあるの?」
結論からいえば、チャットボットにはAIと、シナリオタイプがあります。
ですが、実際に導入すべきなのはどちらなのでしょうか?
今回は、
- チャットボットの種類とその特徴
- AIタイプとシナリオタイプ、それぞれのメリット・デメリット
についてご説明します。
少しだけ時間を割いて、最後までご覧ください。
5分ほどで、どんなチャットボットが最適なのかがわかるはずです。
チャットボットの2タイプとそれぞれの得意分野

チャットボットにはAIとシナリオタイプがあるとお伝えしました。
それぞれに特徴があり、得意分野も異なります。
それぞれのタイプについて見ていきましょう。
AI(人工知能)タイプ
AIタイプのチャットボットが得意な分野は、「自然な会話」「高度な情報の提供」です。
例をあげると、「Amazon Echo(Alexa)」やApple「Siri」がAIタイプのチャットボットで、実際に「声での会話」により多くの作業がスムーズに行えます。
本体に触れることなくメールを打ったり、検索結果を聞いたり、電話をかけることもできます。
もちろん、テキストでのチャットに対応したAIチャットボットもあります。
AIタイプのチャットボットは、会話を繰り返すごとに「学ぶ」という点が特徴で、ある程度言葉の意味を推測してくれます。
多くの人と会話をして語彙を増やしたり、ユーザー一人ひとりに対応する言葉を覚えたりする点で重宝されています。
シナリオタイプ(いわゆる人工無能)
シナリオタイプのチャットボットは、定型化された問いに「素早く答えを提供」する点で優れています。
ただし、事前に用意されたFAQへ誘導するルール(シナリオ)が必要で、自ら学ばない点から「人工無能」と呼ばれることもあります。
「何かお困りですか?」「この中で何が知りたいですか?」と誘導されながら答えにたどり着くチャットボットを使ったことはないでしょうか。
それは、シナリオタイプのチャットボットです。
AIではないシナリオタイプのチャットボットは、多くの企業の公式サイト、もしくはLINEなどのメッセージアプリと組み合わせて使われています。
シナリオタイプのチャットボットは、ルールに沿って「よくある質問」に誘導し、適切な答えをすぐ提示できるという点が魅力的です。
チャットボットはAIじゃないといけない?

では、チャットボットを導入するときに生じる、「AIがいい?」「AIじゃなくてもいい?」という疑問についてお答えしたいと思います。
上でご説明した点を踏まえながら、読み進めていってくださいね。
AIチャットボットのメリット・デメリット
AIタイプのチャットボットは、次のようなメリットとデメリットがあります。
- 自然な会話が成立しやすい
- 費用がかかる
- すべての文章を完全に理解するわけではない
AIタイプのチャットボットは、音声や、フリーテキストに柔軟に対応してくれるというメリットがあります。
本当に人と話しているような気持ちになれ、親しみを感じられるという点では有利ですが、その分導入/運用コストが高いというデメリットもあります。
また、会話内容(文章)をすべて理解してくれるわけではなく、学習までに時間がかかります。
ときに「こちらの言いたいことが伝わらない」ということが起き、素早く問題を解決したい顧客に不満を抱かせてしまうかもしれません。
AIじゃない「シナリオタイプ」のメリット・デメリット
シナリオタイプのチャットボットは、AIタイプのチャットボットと真逆のメリット・デメリットを持っています。
- 会話を楽しむものではない
- 導入までの時間・費用が小さくできる
- ユーザーはクリックしていくだけで答えにたどり着く
- FAQとシナリオを書き換えればいつでも最新の情報を提供できる
シナリオタイプのチャットボットは、決して会話を楽しめるものではありません。
ですが、導入に必要な時間や費用を大きく抑えてくれる点では勝っています。
シナリオタイプの場合、ユーザーは、チャット画面のカテゴリを数段階クリックするだけで容易に答えを手に入れられます。
また、FAQとシナリオを書き換えるだけで、常に最新の情報をユーザーに提供できるという点は、シナリオタイプの大きなメリットでしょう。
シナリオ型の「シナリオ」はどのように作る?
シナリオタイプのチャットボットは、運用前に対話を行うためのシナリオを作成する必要があります。ここでは、シナリオ設計の方法・手順についてご紹介します。
ターゲットユーザーの設定
まずは、チャットボットを利用するユーザー・利用するシチュエーションについて明確化します。ターゲットを設定することで、シナリオの方向性や利用を想定したシナリオ設計が可能となるため、対話の質や利便性を高めることができます。
想定される質問・回答を設計する
ターゲットユーザーがチャットボットで解決したい質問・問い合わせ内容とそれに対する回答を想定して、シナリオ作成用のQ&Aの骨子を設計します。既存のFAQがある場合は、流用したりカスタマイズしたりして活用することもできます。
シナリオの骨子を作成する
Q&Aをベースに分岐・選択肢の設計を行い、シナリオの骨子を作成します。分岐が多すぎるとユーザビリティーが低下し、少なすぎると回答率が低下するため、ユーザーの行動を想定して適度なバランスで作成するのがコツです。
シナリオを作成する
シナリオの骨子ができあがったら、実際にチャットボットで利用されるシーンを想定して本番用のシナリオを作成していきます。情報の網羅性や回答率だけでなく、ストレスなくスムーズに対話ができるかも意識することがポイントです。
テストを実施する
シナリオが完成したら、チャットボットを稼働させてテストを行い、違和感や問題点が無いかをチェックします。できるだけ複数のパターンでテストを行い、テストの精度を高めることが重要となります。
各タイプはどういうケースにおすすめ?
AIタイプ・シナリオタイプそれぞれのチャットボットの特徴・メリット・デメリットについては理解できたものの、実際にどのようなケースにどちらのチャットボットが適しているのか分からない方もいるのではないでしょうか。
ここでは、AIタイプ・シナリオタイプ両者のおすすめとなるケースをそれぞれご紹介します。
AI(人工知能)タイプがおすすめなケース
AIタイプのチャットボットがおすすめとなるのは、複雑な回答や高度な対応が必要となるケースです。回答パターンが多くなるほど対応は複雑化するため、数百件以上の回答パターンが想定される場合は、AIタイプが適していると言えます。
例えば、商品点数が非常に多いECサイト・高度な対応が求められるWebサービスなどは、AIタイプの方がパフォーマンスを発揮することができるでしょう。今後ビジネスの拡大を予定している場合も、複雑・高度な対応や幅広い対応にも適応できるAIタイプを採用することがおすすめです。
また、AIタイプのチャットボットは人間の会話に近い対応も得意とするため、回答パターンが少なくても雑談・対話といったコミュニケーションを重視したい場合にはおすすめとなります。
シナリオタイプがおすすめなケース
シナリオタイプのチャットボットがおすすめとなるのは、定型的でシンプルな対応が多く、回答のパターンが少ないケースです。
例えば、商品点数が少ないECサイトの問い合わせ対応やWebサービスの事務的な対応などは、シナリオ型のチャットボットが適していると言えるでしょう。投下する労力・時間・コストが少なくても成果に繋げることができるためです。
回答の幅が広く多くの回答パターンが求められる場合も、FAQシナリオを作り込むことで対応できなくはありませんが、無理に対応するよりもAI型を選択した方がコストパフォーマンスは高くなります。
AIタイプとAIじゃないタイプ、どちらにも重要なポイントとは?
チャットボットの導入・運用にあたっては、AI搭載の有無に関わらず重要となるポイントがあります。チャットボットの有用性・効果性を存分に発揮するためには、その重要ポイントを押さえておくことが必須です。
ここでは、AIタイプのチャットボット・AI非搭載タイプのチャットボットいずれにも該当する重要ポイントをご紹介します。
運用担当者を決める
チャットボットの導入後は、AIタイプであるか否かに関わらず、チューニングを繰り返して回答精度を向上させたり、イレギュラーの改善を行ったりといったメンテナンスが必要となります。
このようなメンテナンスを怠ると、チャットボットのパフォーマンスが発揮できなかったり利用率の低下を招いたりするため注意が必要です。そこで重要となるポイントが、チャットボット運用の専任運用担当者を決めておくことです。
専任の運用担当者を設けずにチャットボットの運用を行うと、どうしてもメンテナンスが疎かになったり、細かい部分までチェックできなかったりといった状況が発生します。そのため、チャットボット運用を成功させたければ、専任の運用担当者を確保して、常にきめ細やかなメンテナンスを行えるようにすることが重要なポイントとなります。
継続的なメンテナンスを行う
チャットボットは専任の担当者を設けるだけでなく、継続的なメンテナンスを行うことも重要です。なぜならビジネスの状況の変化に合わせてチャットボットの利用状況も日々変化していくため、メンテナンスを止めてしまうと徐々に回答精度・利用率が低下してしまうためです。
そのため、AIタイプ・シナリオタイプどちらのチャットボットにおいても、パフォーマンスを維持・向上するには、定期的なデータ分析と改善のPDCAサイクルを回し続けることが必須となります。
特にAIタイプのチャットボットはメンテナンス次第で大きくパフォーマンスが変わってくるため、運用担当者が手間と時間をかけて育てていくという姿勢が重要です。
効果測定する
チャットボットで対応品質向上・業務効率化の目標を達成するためには、定期的に運用の効果測定を行うことが重要です。効果測定を行いデータを分析・検証することで、目標の達成度合い・改善ポイント・適切な改善施策を把握することができるため、チャットボットの運用成果を効率的に高めていくことができます。
以下に、チャットボットの代表的な効果測定指標をご紹介します。
- 起動回数
- 対応件数
- 回答率
- 解決率
- 対応満足度
- 有人対応比率・件数・対応時間
- Webサイトへの遷移数
- チャットボットからのCV数
チャットボットの利用目的・用途に合わせて、複数の指標を用いて多角的に効果測定を行うことがポイントです。
まとめ
今回は、チャットボットのAIタイプ、AIじゃないシナリオタイプのそれぞれについて詳しくご説明しました。
同じチャットボットでも、AIタイプと、シナリオタイプは得意分野が違いましたね。
そして、AIであっても、そうでないタイプであっても、情報のメンテナンスは人の手が必要ということもおわかりいただけたと思います。
それならば、導入までのスピードが速く運用がラクで、費用も安価なシナリオタイプのチャットボットを検討してみてはいかがでしょうか。
弊社がご提供する「チャットディーラー」は、シナリオタイプのチャットボットです。
シナリオタイプチャットボットならではの手軽さや、運用までのスピードを感じていただけることでしょう。
チャットディーラーは、運用に必要な各種レポート(シナリオの選ばれた数/離脱/アンケート内容と結果)も確認できますので、FAQやシナリオの書き換えもしやすいことが特徴です。
導入の段階に応じて、弊社の専任スタッフがサポートもします。
気になることがあれば、どんなことでもご質問ください。
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この記事を書いた人
ボットマガジン編集部
ボットマガジン編集部です!チャットボットについて、タイムリーでお役立ちな情報をお届けします。