医療・福祉
AIチャットボットでDX推進!プラナちゃんが月平均45時間の問い合わせ業務を効率化
信州大学医学部附属病院 様

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業種
医療・福祉業
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従業員数
約2,000名
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導入部門
総務課ほか
信州大学医学部附属病院は、長野県における地域医療の最後の砦として、県民の健康と安全を守る高度医療の提供に努めています。また、長野県唯一の大学病院として、人間性豊かな医療人の育成に加え、臨床研究の場として新たな診療法を開発する社会的使命を有しています。
今回は、経営推進課の寺口様、総務課人事係の麻和様、総務課総務係の北澤様に、チャットディーラーAIを導入する前の課題や経緯、導入後の効果について伺いました。
SUMMARY
- 繁忙期の問い合わせ増加が原因で、業務ミスの誘発や残業が発生
- 病院の特性上、手元にパソコンがない職員が多く、院内PHSからの電話が頻発
- 設定はマニュアル不要!直感的に操作可能で想定よりずっと簡単
- 院内浸透のため、オリジナルキャラクター「プラナちゃん」を広告塔に起用
- 月平均で45時間の問い合わせ業務を効率化!電話の取り次ぎも楽に
ご担当されている業務内容を教えてください。
経営推進課の経営分析係として、院内の経営指標をデータ化し、管理・活用しています。
また、今後の収支予測や改善のための企画立案等の業務も担当しております。(寺口様)
総務課人事係に所属し、給与の管理や職員の税金、健康保険などの各種手続きを担当しています。(麻和様)
総務課総務係に所属し、広報関係の業務に加え、病院としての各種届出や医師免許の申請・管理を担当しています。(北澤様)
皆様、「RPA推進室」にも所属しているとお伺いしましたが、どのような組織なのでしょうか?
DX推進による生産性の向上を目的に、部門を横断したメンバーで構成される組織です。
最初の取り組みとしてRPAを扱うチームが発足し、活用することで病院事務にかかる業務時間の削減を実現しました。
さらにDXの対応領域を広げるため、2022年度はチャットボットチームが発足し、「職員の問い合わせ業務を効率化すること」を目的に活動しています。

導入前の課題
過去、どのような課題を抱えていたのでしょうか?
繁忙期の問い合わせ増加が原因で、様々な困りごとが発生していました。
1つ目は、「集中力低下によるミスの誘発」です。
担当者は通常業務と並行して問い合わせに対応しています。業務が中断されることにより集中力が途切れ、結果的にミスが起こっていました。
2つ目は、「負担増加による残業の発生」です。
問い合わせ対応に業務時間を圧迫され、通常業務を後回しにせざるを得ませんでした。リカバリーするために残業が発生するだけでなく、心理的にもストレスが溜まりやすい状況でした。
また、問い合わせ対応の環境も整備されていませんでした。
休憩時間に問い合わせがあった場合、その場にいる人が対応しなければならず、休憩時間が中断する事態も発生していました。
誰から問い合わせを受けて、どのような内容が多いのでしょうか?
主に3つのパターン、「医師・看護師から直接」「医師が所属する診療科の秘書経由」「各部の事務担当経由」で問い合わせを受けています。
病院の特性上、業務中手元にパソコンがない職員が多数を占めているため、問い合わせの手段は院内PHSや部署の固定電話が多いです。
また、内容については、人事係と総務係でそれぞれ異なります。
人事係は、「システムにログインできない」「住所変更」「氏名変更」など、いわゆる“よくある問い合わせ”が多いです。
特に繁忙期は同じ問い合わせが連続することも多く、1日に何度も回答を繰り返すことがありました。
総務係は、「職員証を忘れたので臨時カードを発行してほしい」といった急ぎの用件や、「どこにかけたらいいか分からないので総務にかけました」などの取り次ぎが発生する内容が多いです。
その場で取り次ぎ先が分かればすぐに転送をかけられますが、一度電話を切ってから調べて折り返すパターンもかなりの頻度でありました。
課題を抱えた状況の中、チャットボットを検討することになった“きっかけ”を教えてください。
昨年、年末調整に関する問い合わせが多発し、1日中電話が鳴り止まない状況でした。
また、毎年200名ほど新規採用しているため、初めての作業で問い合わせが発生することは明白でした。
そこで、来年度はチャットボットを使って対応を自動化しようと話に挙がりました。
ツール選定
ツール選定にあたり、どのような軸で検討を進めていたのでしょうか?
「AIを搭載」しつつ、「安価」に利用できるツールを探していました。
なぜなら、職員がはじめてチャットボットを利用したとき、何度やっても求める回答が得られなければ、今後2度と利用されることはないと考えたからです。
そのため、最初の体験が肝心であり、AIを搭載していれば高い回答精度を担保できる点から選定軸に定めました。
AI型チャットボットは高価格なツールが多かったのですが、チャットディーラーAIは他社と比べても安価に利用できる点が魅力でした。
弊院の軸にぴったり合致したため、チャットディーラーAIを導入することに決めました。
設定から公開まで
チャットボットの設定はいかがでしたかでしょうか?
直感的に作業できたので、想定していたよりもずっと簡単でした。
最初にサポートの方から設定レクチャーを行っていただけたので、マニュアルを読んだことは一度もありません。
SNSを利用するくらいの感覚で操作できるので、とても扱いやすいツールでした。
通常業務と並行して設定を行い、2か月弱で公開することができました。
チャットボットにオリジナルキャラクター「プラナちゃん」を起用するに至った経緯を教えていただけますでしょうか。

「プラナちゃん」
チャットボットをキャラクター化したほうが“院内へ浸透しやすくなる”とサポートの方から伺ったため、プラナちゃんを起用しました。
元々はRPAツールを院内に広めるための広告塔として誕生したキャラクターで、イラストも職員が描いています。
名前の由来は、「RPA」の文字列をいじって「PRA(プラ)」とし、そこから連想してプラナちゃんに決まりました。
いざ公開する際、院内周知に力を入れていただきましたが、どういうお考えがあったのでしょうか?
手元にパソコンがない職員が大多数を占めるため、“職場だけでなく自宅からでも個人スマホでアクセスしやすいこと”をポイントに周知方法を工夫しました。
「全体周知メール」や「院内掲示板への掲載」はもちろん、「各部署へ掲示用チラシを配布」、「使い方動画の共有」「ホームページ下部にバナーを設置(職員のみアクセス可能)」するなど、周知とアクセスの両面に趣向を凝らしました。
また、電話で問い合わせを受けた際は、「ぜひプラナちゃんにも聞いてくださいね。」と地道な周知活動も継続しています。

設置しているバナー
導入効果
チャットディーラーAIを導入後、どのような効果がありましたか?
月平均で45時間の問い合わせ対応を削減できています。
チャットボットの導入効果を院内報告し、きちんと効果がでていることから、今後も継続利用する方向性となりました。
定性の感覚としては、一部の問い合わせで効果を実感しています。
「源泉徴収票はいつ届きますか?」のような、一言で解決できる問い合わせが減少しており、プラナちゃんに聞いて自己解決しているのだと考えています。
現状は徐々に浸透している段階のため、「これからさらに効果が期待できそう。」と楽しみな状態です。
実際に利用してみて、想定していなかった効果などございましたか?
“とりあえず総務宛の問い合わせ”が発生した際に、「正しい担当部署がどこかを調べるツール」として効果を発揮しています。
例えば、住所変更の問い合わせがあったとき、プラナちゃんに「住所変更」と聞くと、該当部署の内線がわかるため、職員を待たせずに取り次ぎできるようになりました。
職員が直接プラナちゃんに質問すれば解決できる話ではあるため、ゆくゆくは取り次ぎ自体も減ってくると予想しています。
しかし、現状は浸透している段階のため、取り次ぎにかかる手間が削減されるだけでも非常に助かっています。
チャットディーラーAIのサポート体制
「専属サポート」が付属することも特徴ですが、実際のご支援はいかがだったでしょうか?
「とてもよくやってくださった…!」と感謝しています。
チャットボットの設定を一通り終えた後、隅から隅まで確認していただき、修正点があれば細かく洗い出してくれました。
本来であればこちらで確認すべき部分だと思いますが、プロの目線でチェックいただけたので、安心して公開に踏み切れたと感じています。
今後の展望
今後の展望について教えてください。
プラナちゃんの効果を最大化するために、利用回数を増やす施策を実施していく予定です。なぜなら、問い合わせをしたいと思ったとき、やはり反射的に電話を選択してしまう方がまだ多いからです。
既存職員については、「看護師長が集まる会議」や「各部の事務担当」への周知を行い、新しく入職する職員については、最初のガイダンス時点でプラナちゃんを認知してもらえるように準備を進めています。
結果、利用回数が改善することで、今まで以上に問い合わせ業務を効率化できると考えています。

外観とドクターヘリ
以上、信州大学医学部附属病院様の導入事例をお届けいたしました。
社内にチャットボットを導入したいとお考えの方で、少しでもチャットディーラーAIにご興味をお持ちいただけた方はぜひ一度お問い合わせくださいませ。
貴社の課題をきちんとヒアリングして、“課題解決”のお手伝いをいたします。