社内外からの問い合わせ対応を自動化する方法とは?

社内外からの問い合わせ対応を自動化する方法

企業には、毎日社内や社外からの問い合わせが多数寄せられます。なかには「問い合わせ対応に時間を取られて本来の業務に集中できない」と悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

そのようなときには、問い合わせ対応を自動化するツールを導入するのがおすすめです。問い合わせ対応の自動化を図れば、業務の効率化だけでなく、顧客満足度の向上にも役立ちますよ!

そこで今回は、社内外の問い合わせ業務をおこなう部署が抱える問題を解説したうえで、問い合わせ対応を自動化するメリットと役立つツールをご紹介します。

この記事の目次

    問い合わせ業務とは?

    問い合わせ業務

    企業に発生する問い合わせ業務は、大きく分けて以下の2つがあります。

    1. 社内問い合わせ
    2. 社外問い合わせ

    まずはそれぞれどのようなものなのかを確認しておきましょう。

    社内問い合わせ

    社内問い合わせとは、社内の業務に関する疑問や問題を解決するために、社内のほかの部署に対しておこなわれる問い合わせを指します。社内問い合わせをよく受ける部署と質問内容としては、以下のようなものが挙げられます

    • 情報システム部:「パスワードが分からない」「社内ポータルに接続できない」
    • 総務部:「カードキーを破損した」「会社の備品を紛失した」
    • 人事部:「有給の残日数を知りたい」「結婚したときに必要な書類は?」
    • 経理部:「経費申請の期限はいつまで?」「領収書をなくしてしまった」

    これらのように、緊急度が高いものからそうでないものまで、多種多様な質問が、社内のさまざまな部署に寄せられているのです。

    社外問い合わせ

    対して社外問い合わせとは、顧客や取引先企業から寄せられる問い合わせのことです。社外からの問い合わせを受ける部署には、以下のようなものがあります。

    • カスタマーサポート
    • コールセンター
    • ヘルプデスク
    • インフォメーションセンター

    これらのうちコールセンターは電話でのサポートをメインに、カスタマーサポートは技術的支援をメインとしていることが多いのが特徴です。しかし基本的には名称の違いはあるものの、いずれも顧客からの問い合わせ対応が業務である点では同じです。

    問い合わせの内容は、「自宅までの具体的な送料を知りたい」「使えるクレジットカードの種類を知りたい」といった質問から、「届いた品が壊れていた」といった苦情・クレーム対応、「〇〇の機能の詳しい説明を聞きたい」といった技術サポートまで、多岐にわたることが社外問い合わせの特徴です。

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    問い合わせ対応における課題

    問い合わせ対応における課題

    問い合わせ対応をおこなう部署では、以下のような課題を抱えています。

    1. 問い合わせ件数が多い
    2. 担当者によって対応品質が異なることがある
    3. 結果的に担当部署の負荷が大きい

    それぞれ詳しく見てみましょう。

    問い合わせ件数が多い

    問い合わせ対応でもっとも問題となるのは、問い合わせ件数の多さです。カスタマーサポートには、簡単な問い合わせから難しい問い合わせまでさまざまな問い合わせが寄せられ、その件数の多さから業務効率低下・業務負荷増・人手不足といったさまざまな課題が生じているのが実状です。

    特にFAQが公開されていない場合や情報の充実度・利便性が低い場合においてはその傾向は強まります。

    社内ヘルプデスクにおいては、リモートワーク関連の問い合わせ数の増加や、周囲に気軽に質問できないことからの問い合わせ増加といった問題が生じています。

    FAQ等を整備していてもカスタマーサポート・ヘルプデスクに問い合わせた方が早いと考える方や、問い合わせ以外の解決方法を知らない方が多いことも、問い合わせ件数増加に拍車をかけています。

    担当者によって対応品質が異なることがある

    問い合わせ対応では、担当者によって対応品質が異なることもよく問題になります。

    とくに社外問い合わせでは、責任者以外は派遣やパートなどの非正規雇用労働者が採用されるケースが多いのが特徴です。これは繁閑期の人数調整がしやすい、夜間や週末などにも顧客対応するためにシフト勤務制を採用することが多いなど、さまざまな要因があります。

    非正規雇用は入れ替わりが多いことから人が育ちにくく、担当者によって対応品質のばらつきが多くなってしまうのです。

    対応が属人化しがち

    問い合わせ対応の品質はオペレーターの知識・経験・スキルに依存するため、有人対応を行っている場合は担当者により対応品質の偏りが生じます。その結果、カスタマーサポートは特定のオペレーターに業務が集中する属人化が発生しやすいという課題を抱えています。

    属人化が発生すると、担当者の不在や離職により業務停滞・業務効率低下を招くリスクがあるため注意が必要です。

    カスタマーサポートの対応品質を保ちつつ安定稼働するためには、業務フローのシステム化(仕組み化)・マニュアル作成・ナレッジ共有等により、属人化を解消して業務の標準化を推進することが重要となります。

    結果的に担当部署の負荷が大きい

    問い合わせ件数が多いと、担当部署の負荷が大きくなってしまうことも課題です。

    とくに社内問い合わせを受けている部署は、社外問い合わせを受けるカスタマーサポートなどとは異なり、問い合わせ対応が本業ではありません。本来の自分たちの業務を抱えながら、業務の合間に問い合わせに対応していることがほとんどです。

    しかし部署によっては、問い合わせ対応にばかり時間を取られてしまい、本来の自分たちの業務にかける時間を圧迫しているケースも少なくありません。社員が退社したあとにやっと本来の業務に取り掛かれるなど、問い合わせ業務が大きな負担となっていることがあるのです。

    問い合わせ対応の自動化によるメリット

    問い合わせ対応における課題

    問い合わせ対応の自動化に注目が集まっているのは、対応業務の改善に繋がるさまざまなメリットがあり、またその効果も大きいためです。

    ここでは、問い合わせ対応を自動化することで得られるメリットについてご紹介していきます。

    業務効率の向上

    問い合わせ対応を自動化すると、業務効率を向上させることが可能です。

    問い合わせ対応では、「送料を知りたい」「有給の申請方法を知りたい」といった、誰が回答しても同じ答えにしかならない「定型質問」が多く寄せられます。毎日のように繰り返し聞かれる質問は、自動対応できるシステムを構築しておけば、そのぶんもっと緊急度の高い質問や、本来の自分の業務に充てる時間を確保できるようになるため、業務効率が向上します。

    ミスの削減

    問い合わせ対応を自動化すると、人的ミスを削減できることもメリットです。

    問い合わせ対応の自動化は、寄せられた質問に自動回答するシステムやツールを導入する方法を取るのが一般的です。システムやツールは機械であるため、設定した内容に間違いがない限り、見間違いや聞き間違い、思い込みによる間違った回答をすることがありません。

    また寝不足や疲れで頭が回らなかった、といったこともないため、人的ミスが起こる可能性を大幅に減らせます。

    24時間いつでも対応が可能

    問い合わせ対応にシステムやツールを導入して自動化を図ると、24時間いつでも対応できるようになるのも利点です。

    社外問い合わせでは、営業時間外や土日祝などは対応時間外としている企業は少なくありません。しかし購入を検討している顧客も平日仕事をしている場合、そういった時間帯こそ問い合わせ対応が必要なことが多々あります。顧客が質問したいときに対応できなければ、他社に流れてしまうかもしれません。

    社内問い合わせでは、24時間対応は不要かもしれません。しかしリモートワークが珍しくなった今では、勤務時間に縛られずに多様な働き方を認める企業も増えてきています。そういった場合、社員が都合のいい時間に知りたいことを調べられるシステムがあると、利便性を高められるでしょう。

    対応品質の安定化

    問い合わせ対応を自動化できると、対応品質を安定できることもメリットです。

    人が対応する場合、どうしてもその人の経験や知識量によって対応品質に差が出てしまうのは否めません。人が育ちにくい社外問い合わせ対応部署はもちろん、社内問い合わせ対応をおこなう部署でも、問い合わせ対応は雑用とみなして新人に任せることは珍しくないでしょう。

    そういったケースでも、問い合わせ対応にシステムやツールを導入すれば、常に一定レベルの回答を返せるようになります。そうすれば、結果的に顧客や社員の満足度の向上にもつながります。

    顧客の問い合わせハードルが下がる

    顧客のなかには、カスタマーサポートへ電話やメールで問い合わせをすることに心理的な抵抗を感じたり、面倒に感じたりする方が一定の割合で存在します。このような障壁から、カスタマーサポートは一定数の顧客からの問い合わせをロスしていることが予想されます。

    一方で機械を相手にするチャットボットであれば、オペレーターに問い合わせを行うよりも気軽に問い合わせを行うことができるため、問い合わせに対するハードルを下げられるのがメリットです。

    結果として問い合わせを躊躇していた顧客層が不安や疑問を解決できる割合も高まるため、全体の顧客対応満足度の底上げが期待できます。

    データ収集ができる

    チャットボットは、日々寄せられる問い合わせの内容や対応の履歴をデータとして自動的に収集・集計することが可能です。収集したデータはチャットボットのチューニング・メンテナンスに用いて回答率・回答精度の向上を図ったり、自社の商品・サービスの展開やマーケティング戦略に活用したりすることができます。

    本来であれば、顧客データの収集・集計には膨大なリソースが必要となります。手間・労力を掛けずに貴重な顧客データを収集・集計できることは、ビジネスを展開するうえで大きなメリットと言えるでしょう。

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    問い合わせ対応の自動化に活用できるツールや手法

    問い合わせ対応における課題

    ここでは、問い合わせ対応の自動化におすすめのツール・手法についてご紹介します。

    現在主流として活用されているツール・手法をピックアップしていますので、自社に合った方法を検討するのに役立てて下さい。

    チャットボット

    チャットボットとは、チャット(chat)とロボット(robot)を組み合わせた言葉で、自動応答システムを指します。

    通販サイトや企業サイトを訪問したときに、ウィンドウの片隅に「なにかご質問はありませんか?」と小さなチャットウィンドウが開いているのを見たり、実際に使ったりしたことはないでしょうか?あれがチャットボットです。

    チャットボットには、「シナリオ型」と「AI型」があるのが特徴です。

    シナリオ型は、あらかじめ設定されたルールに沿って動くタイプです。ユーザーは画面に提示された選択肢を選ぶか、テキストを入力することで質問をおこない、チャットボットはそれに対して回答を返します。

    一方、AI型は、ユーザーが自由に入力した質問の意図をAIが解釈し、適切な回答を提示します。

    チャットボットを導入するメリット

    チャットボットを導入すると、定型質問への回答を完全に自動化できるので、業務の効率化を図れることがメリットです。

    社外対応であれば、送料や到着までの見込み日数、使えるカードの種類など、FAQやご利用案内などに記載されているような内容の問い合わせを自動化させると、「機器が故障した」といった緊急度と優先度の高い問い合わせ対応に注力できるようになります。

    社内対応についても、「有給の申請方法」や「引っ越したときの手続き」など、繰り返し寄せられる質問への対応をチャットボットに任せれば、本来の自分たちの業務に集中することが可能になります。

    RPA

    RPAとは、Robotic Process Automationを略した言葉で、人間がコンピューター上でおこなっている定型業務を自動化するツールです。決まった手順で、繰り返しおこなうような定型業務を自動化するのに役立ちます。

    問い合わせ対応であれば、問い合わせデータの出力や転記業務の自動化などができるようになります。ほかにもコンピューターと電話の機能を統合するCTI(Computer Telephony Integration)と連携すれば、通話ログを取ったり、架電数などのコール履歴を案件やオペレーターごとに取得したりも可能です。

    RPAを導入するメリット

    RPAを導入すると、問い合わせ対応業務に付随する一連の定型業務の一部を自動でおこなえるため、全体的な業務量の削減につながります。問い合わせ内容の集計といった事務作業を減らせれば、本来の問い合わせ対応に集中できるようになります。

    また、RPAはロボットが業務をおこなうため、スピーディに作業が進み、人的ミスがなく業務品質が安定するのもメリットです。

    IVRや音声認識

    電話で問い合わせ対応を行うコールセンターの場合は、IVR(Interactive Voice Response・自動音声応答システム)の活用による問い合わせ対応の自動化・効率化も進められています。IVRとは、事前に入力された情報に基づいて顧客の電話対応を行うシステムのことで、問い合わせ内容による振り分け・自動対応・オペレーターへの取次などを自動で行うことができます。

    IVRを導入することで、簡単な質問であれば自動対応で完結させることも可能となり、重要な案件のみ担当部門へ振り分けられるため、コールセンター業務の大幅な効率化・負荷軽減を実現することができます。

    自動対応の比率を増やして録音・折り返しの仕組みを構築すれば、24時間365日コールセンターを運営することもできるため、顧客対応の利便性・満足度向上にも寄与することができます。

    問い合わせ対応のアウトソーシング

    問い合わせ対応を自動化する方法には、ツールを活用する以外にも外部の請負業者に業務をアウトソーシングする方法もあります。負荷が集中している業務をアウトソーシングすることで自社のリソースを開放することが可能となり、厳密にはカスタマーサポートを自動化するのではありませんが、自動化に近しい効果を得ることができます。

    ツールによる自動化の推進が難しい場合や、自動化を行っても業務効率化・負荷軽減が見込めない場合などは、アウトソーシングを検討してみるのもひとつの方法です。

    知っておくべき自動化の注意点とは?

    問い合わせ対応の自動化を推進するにあたっては、次にご紹介するようないくつかの注意すべきポイントがあります。これらのポイントを押さえておくことで、より効果的かつスムーズに自動化を進めることができるため、ぜひご参考下さい。

    すべての質問に自動で回答できるわけではない

    チャットボットは、顧客からのさまざまな問い合わせに自動で対応できるため、問い合わせ対応自動化を支える重要なツールです。しかし、すべての問い合わせをチャットボットに代替させることはできない点に注意が必要です。

    チャットボットに登録されていない質問や複雑で自動対応ができない質問は、状況に応じてオペレーターへの取次を併用する必要があります。

    AI型のチャットボットであれば、学習を重ねることで高度な対応を行うことができるため、自動化の比率を高めることは可能です。しかし、問い合わせ対応を完全に代替させることは、現在の技術ではまだまだ不可能である点には留意しておきましょう。

    準備に時間がかかる

    チャットボット・RPAは、業務の自動化・効率化に大きく寄与することができますが、十分なパフォーマンスを発揮するためには相応の準備時間と労力が必要となります。

    チャットボットであれば、初期設定・自社に合わせたカスタマイズ・FAQの作成・シナリオ設計(AI型は学習)・設置といった準備が必要となります。

    RPAにおいても、ロボットを適用する範囲の見極め・ロボットの作成・可動テストといったプロセスを繰り返す必要があります。

    このような準備は自動化を実現するために必要不可欠であるため、チャットボット・RPAを導入する際には十分な準備期間と準備に必要なリソースを確保しておくことが重要です。

    メンテナンスが不足すると効果を発揮できない

    チャットボット・RPAでパフォーマンスを発揮し続けるためには、運用データを基にメンテナンスを行うことが必要となります。ビジネスの状況は日々変化し続けるため、改善を加え続けなければ徐々に陳腐化してしまうためです。

    チャットボットの場合は、日々蓄積される運用データの分析を行い、FAQの加除修正や回答率・回答精度の向上を図る必要があります。

    RPAにおいても、変化し続ける業務フローに合わせてロボットのカスタマイズや追加が必要となるでしょう。

    問い合わせ対応の自動化と一口に言っても、一度体制を構築すれば永続的に機能できるわけではなく、手を加えなければ維持・向上できない点に留意しておきましょう。

    問い合わせ対応の自動化に「チャットディーラー」「チャットディーラーAI」

    チャットディラーロゴ

    問い合わせ対応の自動化でチャットボットを検討するなら、「チャットディーラー」や「チャットディーラーAI」の導入をおすすめします!

    ここではチャットディーラー・チャットディーラーAIそれぞれの特徴をご紹介します。

    チャットディーラーの特徴

    チャットディーラーは、社内・社外どちらにでも対応できるタイプです。シナリオに基づく対応だけでなく、チャットボットでは答えられないときに有人対応への切り替えも可能なので、顧客に不満を感じさせません。

    顧客や社員が訪問しているURLに応じてシナリオの出し分けや、サイト訪問からの経過時間の設定もできるので、訪問者ごとに最適な選択肢を提示することで利便性と満足度を高められます。

    有人対応する際も、よく使う言い回しや選択肢、URLなどを事前に定型文として登録しておけるため、対応にかける手間と時間を省けます。定型メッセージを作成しておけば、スタッフ間の対応品質の均一化に役立つこともメリットです。

    チャットディーラーAIの特徴

    チャットディーラーAIは、社内問い合わせ対応に特化したAI型のチャットボットです。

    チャットディーラーAIでは、あらかじめ400種類以上の社内用テンプレートを搭載していること、導入はテンプレートの質問に沿って回答を登録していくだけと、最小限の負担のみで進められる点も特徴です。

    情シスや総務、人事など、部署を横断して利用できるのはもちろん、社内ポータルやFAQ、社内システム、ビジネスチャットなどとも連携が可能です。AI型チャットボットであるのに、低価格で導入できるのもメリットです。

    まとめ

    日々社内外から多くの問い合わせが寄せられることで、担当部署に負荷が大きくかかり効率が落ちるなど、問い合わせ対応に課題を抱えている企業は少なくありません。そういった課題を解決するには、問い合わせに自動対応するチャットボットツールや、問い合わせ対応業務に付随する業務の効率化に役立つRPAを導入するのがおすすめです。

    チャットボットを導入するなら、社内・社外どちらにも対応できるチャットディーラーや、社内問い合わせに特化して導入負担が軽いチャットディーラーAIがおすすめです。ご興味のある方は、ぜひ以下から資料のダウンロードをご検討ください。

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    • 執筆者:ボットマガジン編集部
    • この記事を書いた人

      ボットマガジン編集部

      ボットマガジン編集部です!チャットボットについて、タイムリーでお役立ちな情報をお届けします。

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