情シスの働き方には何が必要?今すぐ導入したいツールも紹介

情シスの働き方には何が必要?今すぐ導入したいツールも紹介

情報システム部こと情シスは、社内のIT、システム、通信インフラなどの運営や整備、管理を担当する部署です。それらの業務に加え、トラブルが発生した社員からの問い合わせに対応するなど、社内ヘルプデスクの役割を任せられることも少なくありません。

情報システム部の負担は増大傾向にあり、働き方改革が必要といわれていますが、情シスの業務負担を減らすにはどのような方法があるのでしょうか?

今回は、情シスの負担が増え続けている背景を解説したうえで、働き方改革を進めるためにできること、そのために導入したいツールなどを紹介します。

この記事の目次

    情シスへの負担は増大傾向

    情シスへの負担は増大傾向

    情シスへの負担が増大傾向にあるのには、大きく分けて以下の2つの理由があるといわれています。

    • 深刻な人手不足
    • 情シスの対応範囲や対応業務の増加

    それぞれ詳しく解説します。

    深刻な人手不足

    情シスへの負担が増しているもっとも大きな理由は、人手不足が深刻化していることにあります。

    情報処理推進機構(IPA)が2020年に発表した「IT人材白書2020」によると、IT人材が「量」的に不足していると感じている企業は、調査対象となった企業の89%にも達しています。さらに「質」に対する不足感を覚えている企業の割合は90.5%にもおよび、多くの企業がIT人材の量にも質にも満足できていないことがわかります。

    日本の企業では、ジョブローテーションのシステムを採用しているところも少なくありません。スキルを持たない人材が情シスに異動してくるケースもあることが、その背景にあると考えられます。

    情シスの対応範囲や対応業務量の増加

    情シスの対応範囲や対応業務量が増え続けていることも、情シスの負担が増大する原因となっています。

    実際に情シスを単独部署として独立させている企業は、ごくわずかといわれています。多くの企業では、情シス専任が一人いればいいほうで、ITに詳しい人材が情シスとしての業務を兼任にしているケースも少なくありません。

    その一方、経済産業省がDXを推進していることもあり、自社でもDXを進めたいと考える企業は増え続けています。情シスは基幹システムの運用や保守に加え、DX推進にも取り組まなければなりません。社の業務をIT化すればするほど、情シスの仕事は増えていきます。

    さらに社内のITトラブルに対応するヘルプデスク業務も、DXを進めるだけ増えていきます。自分の業務をこなしながら、このようなノンコア業務に時間を割かれているのが、情シスの現状なのです。

    テレワーク向けの対応も増加

    情シスは上記のような従来から抱えている課題に加え、現在は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、テレワーク環境の構築・運用・サポートといった業務も大幅に増加しており、負担が増える原因となっています。

    実際にソフトクリエイト社が実施した情シスを対象としたアンケートによると、コロナ後はテレワーク関係の業務・セキュリティ対策が増えたとの調査結果が1位・2位を占めています。

    テレワーク向けの対応も増加

    出典:ソフトクリエイト「情報システムの現状とIT活用実態アンケート2021」

    つまり、多くの企業の情シスはテレワーク対応を行いながら従来の保守・運用・サポートといった業務をこなしていることとなります。

    情シスが働き方改革を進める意義とは?

    情シスが働き方改革を進める意義とは?

    情シスが働き方改革を進めることには、どんな意義があるのでしょうか?ここでは考えられるメリットを2つ紹介します。

    コア業務の品質向上につながる

    前述したとおり、情シスは本来のIT機器やシステムなどの適正な運用・管理といったコア業務をこなしながら、社員のトラブル対応などのノンコア業務の対応にも追われています。

    場合によっては、日中はヘルプデスク対応に時間を割かれ、終業時間を迎えてほかの社員が退社しはじめてからようやく自分の業務に取りかかれる、といったケースもあるようです。

    疲れ切ったなか業務を進めても、生産性は期待できません。働き方改革を進め、ノンコア業務を減らせれば、本来のコア業務に集中し、品質向上につなげられます。

    企業全体の生産性向上につながる

    情シスからヘルプデスク業務を切り離すなど働き方改革を進め、コア業務に集中できる体制になると、企業全体の生産性向上につながることもメリットです。

    情シスに時間的余裕が出ると、多くの企業で課題となっているDXにも腰を据えて取り組めるようになります。社内のDXが進み、さまざまな業務のIT化が進むと、企業全体としての効率化が進み、生産性がよくなるのです。

    DXを進めるうえで、情シスは要となる部署です。情シスの負担を減らさないことにはDXの波に乗り遅れ、他社に遅れをとっていくことも考えられるので注意が必要です。

    情シスの働き方改革を妨げるもの

    情シスの働き方改革を推進するには、各種施策を実施することも重要ですが、何が働き方改革の実現を妨げているかを把握することも重要です。原因を明確化して取り除くことで、的確な施策を打てるようになり、情シスの働き方改革をスムーズに推進することができます。

    ここでは、情シスの働き方改革を妨げる主な要因についてご紹介します。

    経営層の理解不足

    情シスの働き方改革が進まない最も大きな要因は、経営層の理解不足です。

    情シスは企業活動全般をサポートする部門です。経営層は企業に直接的な利益をもたらすマーケティング・セールス・生産といった部門に優先して経営資源を投下するため、間接部門である情シスに対しては重要視されていない場合が多くあります。

    決済権を持つ経営層が情シスを軽視していては、体制強化や投資も行われないため、いつまでたっても情シスの働き方改革は進まないでしょう。

    待ちの姿勢では経営層の方針・考え方が変わることはまず無いため、情シスの重要性・必要性について経営層に進言を行い、理解・協力を得ることがまず重要となります。

    従業員のITリテラシー不足

    一般的に適切と言われる人員配置で情シスの業務体制が構築されていたとしても、情シスの業務負荷は企業全体の従業員のITリテラシーによって上下します。

    仮に従業員のITリテラシー不足が平均的に不足していたとすると、情シスへの問い合わせ件数も増えるため、働き方改革が進まない要因となります。

    従業員に研修・勉強会・マニュアル配布を行うなど、ITリテラシー向上を図ることが理想的な方法となりますが、一朝一夕で達成できる方法ではないためあまり現実的ではありません。企業側が従業員のITリテラシーを加味した配置を行うことが現実的な対策となるでしょう。

    社会的なIT人材不足

    社会的にIT人材は不足しており、多くの企業が人材不足に悩まされています。企業側も開発部門やマーケティング部門といった他の部門のIT人材を優先的に確保するため、情シスはどうしても手薄となります。

    特に、中小企業においてはその傾向は顕著であり、100人以下の企業では情シスが1人で業務を担ったり、他の業務と兼任したりといった状況にあるのが実状です。

    情シスを担当する人材の絶対数が足りていないと忙殺されることとなり、働き方改革の実現は到底難しくなります。企業としては採用の強化や場合によってはアウトソースも検討する必要があるでしょう。

    情シスの働き方改革に必要なこととは?

    情シスの働き方改革に必要なこととは?

    ここまで見てきたように、情シスの働き方改革は、企業全体の成長にも必要なことです。ここからは、情シスの働き方改革を進めるためにできる3つの方法を紹介します。

    ヘルプデスク業務の負荷軽減

    情シスでは、本来の自分たちの業務に加え、IT機器のトラブルやパソコンの不調といった、社員が直面しているトラブルへの対応に多くの時間を割かれています。しかしそれらすべてが、本当に情シスが対応すべきものかというと、そうでないケースもあります。

    情シスが対応しているトラブルには、マニュアルを見れば社員が自己解決できるような、ちょっとした問題も多く含まれています。そのような問題は、以下のような方法で情シスの業務から切り離せます。軽微なトラブル解消に対応しなくてよくなれば、本来のコア業務や本当に必要な大きな問題にだけ対処すればよくなるので、負担を大きく軽減できるでしょう。

    チャットボットの導入

    チャットボットを導入すると、簡単な問題は自己解決するように社員に促すことができるようになり、情シスのヘルプデスク業務の負担は軽減します。

    チャットボットとは、「チャット」と「ロボット」を組み合わせた言葉で、自動回答システムを指します。ECサイトや企業のコーポレートサイトに、「何か質問はありますか?」と書かれた小さなチャットウィンドウが開かれているのを見たことがあるでしょう。チャットボットは、チャットウィンドウに表示されている選択肢を選んだり、質問を入力したりすることで、質問者自らが回答を引き出します。

    情シスにおいては、「メールにファイルを添付できない」「システムに○○というエラーが出ている」といった、誰に対しても「まずはこうしてほしい」と同じ回答を返せる質問も少なくありません。そういった質問に対する一次対応をチャットボットに任せれば、本当にサポートが必要な問い合わせにだけ対応すればよくなります。

    社内FAQやマニュアルの整備

    社内FAQが整備されていないなら、ヘルプデスクによく寄せられる質問を一度すべてまとめてFAQを作成し、まずはそちらを参照するよう社員に促すことでも問い合わせを減らせます。また、既存のマニュアルが専門用語ばかりでわかりにくい、ページが多すぎてどこを見ればいいのかわからないといった場合も、よくあるトラブルを抜粋したマニュアルを整備すれば、利用率が高まるかもしれません。

    ただしFAQもマニュアルも、使いづらければ利用率は上がらずヘルプデスク業務は減らないため、検索性を高める、すぐアクセスできるように社内ポータルのわかり易い場所に入口を設置するといった工夫も必要です。

    ヘルプデスク業務のアウトソーシング

    ヘルプデスク業務は、アウトソーシングも可能です。アウトソーシングとは、ヘルプデスクの業務自体を外部の企業へ委託することを指します。

    新しいシステムを自社で構築するのと比べると、労力をかけることなく導入できるのがアウトソーシングのメリットです。ただし委託費用が発生すること、社内にノウハウが蓄積していかない点には注意が必要です。

    RPAを活用した業務の自動化

    情シスの業務の一部を、RPAを活用して自動化することでも業務負担を軽減できます。

    RPAとは、ロボティック・プロセス・オートメーション(Robotic Process Automation)を略した言葉で、コンピューター上で行っている定型作業を自動化することを指します。たとえば情シスで日次・月次的に繰り返しおこなっている集計や検索、入力、データの分析といった作業があるなら、RPAで自動化すると、時間を大きく削減できます。

    削減できた時間を別のコア業務に回せれば、生産性も向上します。

    各種業務にクラウドツールを導入

    ここからは、情シスのノンコア業務で活用できるクラウドツールの種類をいくつか紹介します。

    チャットボット

    前述したとおり、社員が自らチャット形式でトラブルを解決できるチャットボットは、情シスのヘルプデスク業務削減に大きく役立ちます。チャットボットは社員にとっても、使い慣れたチャット形式で質問できることから、問い合わせのハードルが下がるメリットがあります。

    社内マニュアル作成ツール

    社内マニュアル作成ツールは、簡単にマニュアルを作成・管理できるツールです。マニュアルの作成自体が簡単なだけではなく、スマホでも閲覧・検索できるなど、運用面にも配慮されているのが特徴です。新しいIT機器やシステムを導入したときに、わかりやすいマニュアルを作成しておけば、社員からのヘルプデスクへの問い合わせを削減できます。マニュアル作成ツールには、動画を使って手順を伝えるタイプや手順を工程ごとに伝えるタイプがあります。自社で必要とするタイプを選ぶことがポイントです。

    社内FAQシステム作成ツール

    社内FAQをエクセルなどで管理している企業は、FAQシステム作成ツールを導入・活用するのがおすすめです。社員からよく寄せられる質問のうち、「○○がオンになっているか確認する」「オンになっているなら一度オフにしてから再起動する」といった単純な手順を踏むだけで解決できることが多い問題を掲載しておくだけで、業務負担を減らせます。FAQシステム作成ツールは、検索タグやテーマでの絞り込みなど、検索性の高いシステムを作成できるのがメリットです。

    経営層や従業員の意識改革

    情シスの働き方改革を実現するためには、経営者・従業員の意識改革を行うことも重要な対策となります。意識改革を行い情シスやITに対する認識が変われば、状況の改善が期待できるためです。

    経営層に関しては、情シスが置かれている状況や業務の重要性について理解して、人材確保・ITツールの導入・仕組化といった情シスを強化する投資を積極的に行うべきでしょう。

    情シスを活用する従業員は、情シスに頼らずとも自ら問題・トラブルに対処できるリテラシーを身に付けようという意識を持つことが重要です。従業員のリテラシー向上には、ツールやマニュアルによるナレッジ・ノウハウ共有の仕組み作りも必要となってきます。

    意識改革を実践・浸透させるには時間も労力も必要となりますが、場当たり的な対策よりも大きな効果が期待できるため、情シスの働き方改革のためにもぜひ実践しましょう。

    情シスが全社の働き方改革推進を担うケースも

    ここまでは情シスの働き方改革をテーマとして解説してきましたが、情シスは全社的な働き方改革を実現するための重要なポジションでもあります。

    なぜなら、従業員の多様な働き方・生産性向上・ワークライフバランス向上といった働き方改革の趣旨を満たすにはDX(デジタルトランスフォーメーション・デジタル化)が不可欠であり、情シスによるサポートがスムーズなDXを実現するためです。

    具体的には、情シスが次のような役割を担います。

    1. 業務全体の効率化の設計・支援
    2. 勤怠・テレワークに要するシステムの改革・整備
    3. セキュリティの改革・整備
    4. コミュニケーションツールの導入・浸透の支援

    全社的な働き方改革を推進するためにも、企業は情シスの在り方について再度考え直すべきと言えるでしょう。

    成功させるために情シスの負荷軽減が必要

    全社的な働き方改革を成功させる場合においては、情シスの負荷軽減をいかに実現するかが鍵となります。情シスがトラブル対応・レクチャー等の問い合わせ業務に忙殺されていては、上記でご紹介した全社的な働き方改革にリソースを費やすことができないためです。

    先の4章でご紹介したツールやRPAによるノンコア業務の自動化・代替を行うことはもちろん、人材採用による体制強化や従業員のリテラシー向上も必要となってくるでしょう。

    情シスの役割の重要性を認識して、いかにコア業務に振り向ける環境を構築できるかが、全社的な働き方改革の成否を分けるでしょう。

    働き方改革の最初のステップにおすすめ「チャットボット」

    情シスの働き方改革にツールを導入するなら、まずはチャットボットを採用するのがおすすめです。チャットボットは、導入にかかる手間が少なく手軽であること、また費用面でもリーズナブルであることがメリットです。

    チャットボットのなかでも、社内問い合わせに特化したタイプを選ぶと、さらに導入の手間を削減できます。そこでとくにおすすめしたいのが「チャットディーラーAI」です。

    「チャットディーラーAI」がヘルプデスク業務を強力サポート

    チャットディーラーAI

    チャットディーラーAIは、簡単導入ですぐに使えるようになる、社内専用のAI型チャットボットです。

    一般的にチャットボットの導入時には、質問の洗い出しから始め、回答を登録したあとに学習データを蓄積し、さらにチューニングをおこなうなど導入コストがかかります。その点チャットディーラーAIは、400種類以上の社内用テンプレートがあらかじめ搭載されているため、それらに対する回答を登録するだけなので簡単です。さらにチャットディーラーAIには学習済みAIが搭載されているのでデータ整備は不要。導入後すぐに利用を開始できます。

    ビジネスチャットとの連携もできることから、普段使い慣れているチャット画面でチャットボットを利用できるため、社員への導入もスムーズです。

    情シスに寄せられる簡単な質問への一次対応を任せられるほか、複雑な質問に対しても、画像やマニュアルをファイル添付することで、社員の自己解決率を高められます。情シスで対応しなければならないヘルプデスク業務が削減されるので、コア業務に集中できるようになり、効率化・生産性を向上できます。

    チャットディーラーAIの詳細はこちら

    まとめ

    業務をこなせる優秀な人材が不足していること、DX促進のため対応する業務が増大していることなどを受け、情シスの負担は増え続けています。情シスが本来のIT機器やシステム、通信インフラなどの運営・管理といった本来の業務に集中し、自社のDXを適正に進めていくためには、働き方改革をおこなわなければなりません。

    情シスの業務改善には、社内ヘルプデスク業務といったノンコア業務の削減が必須です。社内問い合わせを減らすなら、チャットボットや社内FAQを導入するなど、テクノロジーの活用を検討するといいでしょう。

    チャットボットなら、社内利用専用のAI型チャットボット「チャットディーラーAI」がおすすめです。導入に興味がある方は、ぜひ資料のダウンロードをご検討ください。

    • 執筆者:ボットマガジン編集部
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      ボットマガジン編集部です!チャットボットについて、タイムリーでお役立ちな情報をお届けします。

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