ヘルプデスクのコスト削減方法は5つ!ITツールの活用で業務改善を図る

顧客からの技術的な問い合わせや、社内の基幹システムや各種IT機器に関するトラブルに対応するのが「ヘルプデスク」です。

重要な役割を果たすヘルプデスクですが、コストがかかるにもかかわらず、その業務自体は利益を生み出さないことから「コストセンター」としてコスト削減の対象としている企業が少なくありません。ヘルプデスクの業務効率を上げ、コスト削減を図るには何か良い方法はあるのでしょうか?

そこで今回は、ヘルプデスクのコストを削減する方法と、業務改善に役立つITツールをご紹介します。ヘルプデスクの業務改善とコスト削減を模索している方は、ぜひご参考にしてください。

この記事の目次

    ヘルプデスク業務に多くのコストがかかる理由

    ヘルプデスクは、ITに関する技術的な問い合わせ対応やトラブル解決にあたる仕事を指します。ヘルプデスクは、以下の2種類があります。

    • 社外ヘルプデスク:自社が提供している商品やサービスに関する顧客からの技術的な問い合わせに対応する
    • 社内ヘルプデスク:社内で利用しているシステムやIT機器・ツールに関する社員からの問い合わせに対応する

    このようにヘルプデスクは、ITに関する疑問や質問に答え、トラブルを解決できるだけの高い知識や技術が必要です。さらに顧客や他社の担当者、社内のさまざまな部署の社員と円滑にコミュニケーションを取る能力も求められます。

    しかし近年の労働力の減少により、そのような能力の高い人材を確保するには高額な人件費がかかるようになりました。そのため多くの企業では、ヘルプデスクに選任を置かず、情報システム部の社員に兼任させるケースがほとんどです。そのため業務効率が悪くなり残業が増え、ますます人件費がかさむという悪循環に陥りやすいのが、ヘルプデスクの特徴です。

    ヘルプデスクをアウトソーシングする選択肢もありますが、満足度の高いサービスを提供しようとすると費用が高くなり、内製するよりもコストが増大してしまうことが少なくありません。専門性の高さから、外注あるいは内製しても、人件費がかかりがちなのが、ヘルプデスクの課題です。

    ヘルプデスクのコスト削減方法は大きく5つ

    専門性の高い仕事であるため、人件費が高額になる傾向があるヘルプデスクのコストを削減するには、5つの方法が考えられます。

    • チャットボットを導入する
    • ヘルプデスクのアウトソーシング内容を見直す
    • マニュアルを充実させる
    • サポート範囲を明確にする
    • コンテンツを作成・充実させる

    順番に解説します。

    チャットボットを導入する

    ヘルプデスクに寄せられる問い合わせ数を削減できれば、担当者の負担を減らして業務効率を上げられるので、結果的に労働時間の削減につながりコストを抑えられるようになります。そのために効果的なのがチャットボットの導入です。

    チャットボットとは、チャット(会話)とロボットを組み合わせた造語で、会話形式の自動応答システムを指します。チャットボットには、以下の2種類があります。

    • シナリオ型:表示された設問から適切なものを選ぶことで分岐を繰り返して回答へと導くタイプ
    • AI型:ユーザーが自由に入力した質問からキーワードを拾い出し、適切な回答を返すタイプ

    チャットボットはいずれのタイプも、あらかじめ登録した質問と回答の内容に沿って応答するので、よくある質問に対応させるのに向いています。ヘルプデスクへ寄せられる質問の一次対応をチャットボットに任せれば、マニュアルを見れば分かるような簡単な質問に回答しなくてよくなります。その結果、担当者が対応するコストの削減につながります。

    ヘルプデスクのアウトソーシング内容を見直す

    ヘルプデスク業務をすでにアウトソーシングしている場合は、依頼している内容を見直すことで、コストを抑えられる可能性があります。

    ヘルプデスク業務をアウトソーシングするのにかかる費用は、依頼する業務内容と対応件数によって変わります。たとえば問い合わせの一次対応を任せ、マニュアルに沿って答えられる簡単な問い合わせにだけ対応し、回答が難しいものはヘルプデスクに引き継ぐのであればコストを抑えた外注ができます。

    しかし技術的な質問にも答えられるよう、エンジニアなどに対応を依頼すると費用は高くなります。さらに24時間365日の対応を依頼するとなると、費用は大きくふくらみます。

    もし現状手厚いヘルプデスク対応をアウトソーシングしている場合は、本当にそこまでの内容が必要なのか、依頼内容が過剰ではないかを確認しましょう。アウトソーシングの内容を最適化すると、費用対効果の高い外注を実現できます。

    マニュアルを充実させる

    マニュアルを用意しているにもかかわらず、ヘルプデスクに問い合わせが多い場合は、内容が不足していてそれだけでは疑問点を解決できていないと考えられます。反対に情報が多すぎて、どこから何を調べればいいのか分からなくなっている可能性もあるでしょう。

    マニュアルの内容を充実させたうえで見やすく整理し、インデックスで検索しやすくすると、顧客や社員は自力で疑問点を解決できるようになり、結果的に問い合わせ件数を削減できます。顧客や社員も問い合わせの手間を省き、必要なときに自力で問題を解決できるため、顧客満足度や従業員満足度の向上につながるのもメリットです。

    サポート範囲を明確にする

    社内ヘルプデスクの場合、サポートの範囲が明確になっていないことが業務負担を大きくしている場合があります。

    たとえば部署によっては、独自でIT機器やツールを導入することがあります。しかし会社が主導し、情報システム部を通して導入されたものでなければ内容を把握しておらず、ヘルプデスクで対応しようとすると調べるのに時間がかかってしまいます。情報システム部が関与していないIT機器については対応しないと明確に示すことで、過剰なサービスを防げます。

    また同じ社内だからという理由で、どんな時間でも対応を求められるようだとヘルプデスク担当者は自身の業務をこなす時間がありません。対応時間は午前10時から16時までなどと定めて周知することで、対応時間を削減できます。

    FAQコンテンツを作成・充実させる

    社内・社外ともにFAQを用意していない、あるいは用意しているけれども利用されていない場合には、コンテンツを作成・充実させましょう。

    充実したFAQコンテンツがあり、自社サイトやECサイト、社内ポータルなどから簡単にアクセスできれば、顧客や社員は自力で疑問を解決しやすくなります。電話やメールの問い合わせ件数が減るので、対応にかかる時間を減らせます。

    FAQがまだないなら新たに作成し、すでにあるのに活用されていない場合は、ヘルプデスクによく寄せられる質問を洗い出して既存のFAQに不足している情報を追加しましょう。FAQは検索性を良くし、定期的に見直して改善することも重要です。

    ITツール「チャットボット」の導入でコスト削減

    ヘルプデスクのコスト削減方法のひとつとしてチャットボットをご紹介しました。ここではチャットボットを導入することで、どのようなコストを削減できるのか、さらに詳しく解説します。

    人件費削減

    ヘルプデスクに問い合わせるときは、顧客や社員は何かトラブルを抱えているケースがほとんどです。そのため夜間や週末も人員を配置し、対応にあたっているヘルプデスクもあります。しかしそうすると、残業手当や休日手当などが発生してしまいます。シフトを組む必要があるため、人材を多く抱える必要もあり、人件費がかさみます。

    チャットボットを導入すると、人が対応するには難しい時間帯や曜日であっても稼働できます。深夜や休日対応の人員を増やす必要もありません。機械なので24時間365日働いても一定のコストで抑えられるのは、チャットボットのメリットです。

    サポートコストの削減

    チャットボットを導入すると、これまですべて人が対応していた電話やメール対応の業務を自動化できるようになります。簡単な質問であれば、ヘルプデスクの担当者が工数をかけることなく、チャットボットだけで完結させることも可能です。

    ヘルプデスクにかかってくる電話や問い合わせメールの数自体が減ることで、サポートにかかる工数が少なくなるので、サポート全体にかかる運用コストを減らせます。

    問い合わせ件数の削減

    チャットボットを導入すると、そもそもの問い合わせ件数を大きく減らすのに貢献します。

    たとえば自社サイトや社内ポータルサイトで、ヘルプデスクへの問い合わせページを開くとすぐにチャットボットが立ち上がるようにしておけば、顧客や社員はまずそちらを試してみようと思うはずです。

    ヘルプデスクへの入口をチャットボットに限定し、チャットボットで解決できない場合にのみ連絡先が表示されるようにすると、問い合わせ数の削減が見込めるでしょう。

    社員の採用コスト削減

    チャットボットを採用することで問い合わせの数を削減するのに成功すると、ヘルプデスクに配置する人員の数を減らしても対応できるようになります。ヘルプデスク業務が過多で、人員を増やすことを検討していた場合、新しい人材を採用したり教育したりするコストが不要になります。

    またヘルプデスクに寄せられる問い合わせ数が減れば、担当者の負担が軽くなり、離職率の軽減が期待できるでしょう。

    チャットボットの導入でコスト削減した実例

    ここからは、チャットボットを導入することでコスト削減に成功した実例を3つご紹介します。

    三井物産株式会社

    日本を代表する大手総合商社の三井物産株式会社では、機械・インフラ業務部に同じような問い合わせが何度も寄せられ、担当者の時間を割かれることに課題を抱えていました。

    そこで人が対応する必要がある問い合わせに集中するために、チャットボットを導入。運用開始2か月で、ほとんどシナリオの改善が必要のない水準に達します。高い回答品質になったことで、質問受け付け体制を導入前の3分の1にまで圧縮できました。

    参考:SupportChatbot

    株式会社ライフコーポレーション

    関東や近畿でスーパーマーケット事業を展開する株式会社ライフコーポレーションでは、店舗スタッフが必要とする届出書類やマニュアルの検索性が悪く、電話で本社に問い合わせをするのが一般的でした。そのため本社スタッフは、コア業務よりも問い合わせ対応に時間がかかっていました。

    そこで全社的な利便性向上をめざしてチャットボットを導入。よくあるお問い合わせをチャットボットに自動対応させることで、本社スタッフの問い合わせ対応を削減し、店舗側と本社側双方の業務効率化を実現しました。

    参考:PEP

    エン・ジャパン株式会社

    人材サービス業大手のエン・ジャパン株式会社では、電話でおこなっていたカスタマーサポートへの問い合わせ数増加に人員を投じても追いつけず、チャットボットの導入を決意。チャットであれば質問への敷居が下がると感じたことがチャットボットを選んだ理由です。

    有料オプションの導入にあわせ、チャットボットの活用を本格化。チャットボットの入口アイコンを目立たせたうえで、サービスの基本的な説明をチャットボットが担当し、それ以降は電話で問い合わせる流れを作ったところ問い合わせが急増します。その結果、有料オプションの問い合わせの入電数は7.5倍、発注率は約3倍にまでなったそうです。

    参考:KARAKURI

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    あらかじめ用意されている400種類以上もの社内用テンプレートを活用すると、質問に対する回答を登録するだけで簡単に使い始められます。学習済みAIが搭載されているので、学習データを蓄積させたりデータをチューニングさせたりする手間と時間が不要です。

    AIを搭載しているにもかかわらず、月々の利用料もわずか数万円と安価なので、高い費用対効果が期待できます。初期導入から効果検証まで、専属担当がコンサルサポートしてくれるので、多忙なヘルプデスクでも負担なく導入できるので安心です。

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    まとめ

    ヘルプデスクは利益を生み出さないのにコストがかかるため、コストセンターとみなされがちです。コストを削減しながら業務効率を上げるには、マニュアルやFAQを充実させたり、アウトソーシングの内容を見直したりする必要があります。

    さらにチャットボットを導入して問い合わせ数を減らせば、人件費やサポートコスト、人材の採用コストの削減にもつながります。チャットボットを導入するなら、月々わずか数万円でAI型チャットボットを利用できる、チャットディーラーAIがおすすめです。専属担当が導入から効果検証までコンサルサポートしてくれるので、安心して導入できますよ。

    • 執筆者:ボットマガジン編集部
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      ボットマガジン編集部

      ボットマガジン編集部です!チャットボットについて、タイムリーでお役立ちな情報をお届けします。

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