カスタマーサポート効率化はどうすればいい?課題とその解決法を解説

あなたは、カスタマーサポート業務の効率化という課題に直面し、「何を」「どう」改善すべきかで悩んではいないでしょうか?
業務の効率化は企業にとっても顧客にとっても大事なことで、今すぐにでも問題解決しなければならないことのひとつかもしれません。
カスタマーサポート業務の効率化を目指すとき、次のようなことが課題に上がるでしょう。
- スキルの高いスタッフに仕事が集中してしまう
- 専門性の高い質問が寄せられたとき、担当部署に「たらいまわし」してしまう
- 寄せられた顧客からの問い(=情報)を、全社的に活用できていない
カスタマーサポートの現場でよくあるケースかもしれませんが、業務を効率化しなければ、なかなか顧客満足度を上げることは難しいでしょう。
今回は、
- カスタマーサポート業務を効率化する意味
- カスタマーサポートの効率化を進めるうえで大切なポイント
- カスタマーサポート効率化を促進し続けるコツ
についてご説明します。
「カスタマーサポート効率化を目指したにもかかわらず、見当違いの方法で失敗した」ということを防止するために、数分割いて、最後まで読んでみてください。
カスタマーサポート業務を効率化しなければならない理由

まず、「なぜカスタマーサポート業務の効率化が必要なのか」を考えてみましょう。
カスタマーサポートの良し悪しは、顧客満足度に直結するもので、対応次第で顧客は貴社の商品/サービスを使い続けてくれるかどうかを左右するのです。
特に、貴社の提供するものに似た他社製品がある場合、顧客満足度はより重要な要素でしょう。
では、カスタマーサポート業務の効率化が、ビジネス面で重要な意味をもつ理由を見ていきましょう。
顧客ニーズに沿う
商品を購入した/サービスの利用を始めた段階では、顧客は「疑問」を抱くことが多くありますが、このニーズに素早く的確に応えることが大切です。
基本的な使い方や、より進んだ活用法、使用中に生じたトラブルなど、こういったときに頼るのがカスタマーサポート部門です。
正しい答えがすぐに提示されれば、顧客は満足してくれるはずです。
スピード感をもって対応するためには、オペレーターが効率よく答えをピックアップできる体制を整えておかなければなりません。
また、毎日寄せられる問いの中には、「よくある質問」もあるでしょう。
1日のうち、「よくある質問」にばかり対応することとなれば、オペレーターはより深刻な問題を抱えている顧客への対応に注力できなくなるかもしれません。
深刻な問題を抱えるユーザーの心理に寄り添うことも、オペレーターにとって大事な仕事ですので、すべての問い合わせに満遍なく真摯に向き合わなければなりません。
顧客満足度を上げて収益アップを狙う
顧客の抱えるトラブル/疑問に的確な回答を素早く提示することは、顧客満足度につながり、収益アップにも大きな影響を及ぼします。
カスタマーサポートに満足した顧客は、商品/サービスを提供する企業のあり方にも満足し、根強いファンとなってくれる可能性が高まります。
結果として、他の商品/サービスの購入を検討しはじめたとき、サポート体制のしっかりした企業と取引したいと考えてくれるはずです。
その点でも、カスタマーサポート業務の効率化は重要なのです。
ユーザーの声をサービスや商品改善に役立てる
カスタマーサポート業務を効率化し、顧客の生の声を開発部門にスムーズにフィードバックできる仕組みがあれば、サービス/商品を適宜ブラッシュアップできます。
提供するものの改善は収益のアップにつながる重要なポイントですが、利用者の声を無視した「的外れ」なことだったとき、残念なことにユーザーは利用をやめてしまうかもしれません。
顧客心理に寄り添う改善は、サポート部門から得られる顧客の反応に沿っていてはじめて成立します。
カスタマーサポート効率化においての課題

では、カスタマーサポート業務の効率化を阻む課題にはどんなものがあるのでしょうか。
課題を押さえておけば、対処しやすくなるでしょう。
仕事が属人化している
カスタマーサポート業務の効率化を阻む大きな原因のひとつに、仕事の属人化があります。
特に営業担当者が存在するときや、過去にも問い合わせをしたことのある顧客は、「いつものあの人に対応してほしい」と思うものです。
ただ、この状況が続けば、対応業務は特定の人材に固定されてしまい、決して効率の良い状態とはいえないでしょう。
営業担当者が離職したときや、オペレーターを指名されるとき、「顧客の状態を知るための情報がない」「特定のオペレーターしか対応できない」といった状況が生まれます。
顧客サポートのノウハウにバラつきがある
カスタマーサポート業務の効率化がうまくいかない原因には、ノウハウのバラつきも挙げられます。
顧客のサポートにあたるスタッフによって、スキルは違います。
スキルの差は、ときに「回答の差」を生み、結果的に顧客の不満をより増大させてしまうことも考えられます。
すべての人材に同じレベルを要求することは難しいものですが、可能な限り高いスキルをもつオペレーターの対応に合わせていかなければ、顧客の不満は生まれ続けます。
以下の記事では、ノウハウ(ナレッジ)を共有することで得られるメリットや共有する上でのポイントなどをご紹介しています。
スタッフによってノウハウのバラつきがあると感じている企業は、ぜひこちらの記事もご一読ください。
FAQが充実していない
多くの企業では、商品・サービスに関する疑問が生じた場合に顧客が自身で問題を解決できるように、自社WebサイトにFAQページを設けています。しかし、FAQがあるにも関わらずカスタマーサポートに多くの問い合わせが寄せられ、業務効率の低下や業務負担増を招いているケースは多くあります。
その主な原因は、FAQが充実しておらずFAQを見ても問題を解決できないことにあります。具体的には次のような原因が挙げられます。
- 必要な情報が掲載されていない
- 必要な情報を見つけられない
- 情報を見つけたが分かりにくい
このような原因を解決して情報の質・利便性の高いFAQページを作成すれば、顧客が問題を自己解決できる確率も高まり、カスタマーサポートの効率化を図ることができます。
カスタマーサポート効率化に欠かせない視点

カスタマーサポート業務の効率化には、必須の視点があります。
滞りなく効率化するために大事なポイントは、以下の3つです。
課題の共有化
カスタマーサポート業務の効率化を阻む課題があれば、それを関係者全員で共有しましょう。
「何が問題なのか」「どんなトラブルを生んでいるのか」を周知すれば、チーム全体で課題の解決を目指すことができます。
タスクの見える化/マニュアル化
課題がはっきりしたら、仕事を細分化して、「タスクの可視化」「マニュアル化」をしてみてください。
一部の仕事は、特定の人材にしかこなせないかもしれませんが、それ以外の仕事をタスクにし、フロー図を作成してマニュアル化しましょう。
この作業を経ることで、優先順位の高いタスク(仕事)を見分けることができますし、マニュアル作成もラクです。
サポートルールの徹底
マニュアルが出来上がったら、そのルールに則ったサポート業務を徹底してください。
マニュアルを徹底すれば、サポートの質は向上するでしょう。
過去の課題を踏まえたマニュアルは、現場で活きるはずですし、課題の解消に役立ってくれるからです。
ただ、徹底できないのであれば、マニュアルに何かしらの問題があるのかもしれません。
マニュアルの見直しのためにも、ルールの徹底は大切です。
問い合わせ件数を減らす
カスタマーサポートを効率化するには、上記のような方法でチーム全体の業務効率を高めることも重要ですが、流入してくる問い合わせ件数を減らすという視点も重要です。単純に問い合わせ件数が少なくなれば、サポート業務に費やすリソースも少なくなるため、業務効率化・業務負荷軽減をスムーズに実現することができるためです。
問い合わせ件数を減らすには、先にご紹介したFAQの充実や、後述するチャットボットの導入など、人ではなくIT・ツールを駆使して顧客が問題を自己解決できる仕組みを構築するのが具体的な方法として挙げられます。
カスタマーサポート効率化を停止させないために

カスタマーサポート業務の効率化は、一度ルール化/マニュアル化するだけにとどまりません。
より質の向上を追求するため、進化させ続けなければなりません。
そのためには、次の一連の流れで効率化をどんどん進めましょう。
ナレッジの共有やスタッフ育成
カスタマーサポートの効率化を推進するためには、メンバー間での情報共有を強化することがポイントです。情報共有をスムーズに行うことができれば、カスタマーサポート全体の対応品質を底上げすることが可能となり、回答率や対応スピードも高めることができます。
情報共有を強化・定着するには、カスタマーサポートに携わるスタッフに意識付けを行うだけでなく、次のような情報共有が促進される仕組み作りを行うことがポイントです。
- 定期的に社内研修を開催してナレッジ・ノウハウの共有を行う
- 新人スタッフをスムーズに戦力化できる教育システムを確立する
- IT・ツールの導入によりスムーズな情報共有が可能な環境を実現する
- 勉強会を開催して普段の業務から得た情報・事例の共有を行う
業務フロー・対応マニュアルといった基盤となる情報だけでなく、実務から得た生の情報を共有できる仕組みを整えることが、効率化を推進するためには重要となります。
サポート業務の中で触れる、「どのような問いが多いか」「商品やサービスにどんな問題がありそうか」といった具体的な情報を共有できれば、顧客が抱える疑問・問題や顧客が欲しているもの理解できるため、適切な解決策の提示やスムーズな対応へと繋げることができるでしょう。
トラブルを共有して対策に活かそう
カスタマーサポートでは、商品やサービスに不満や疑問を抱えた顧客が問い合わせてくるため、トラブル対応にあたることも少なくありません。トラブルが頻発するとカスタマーサポートの業務効率が著しく低下するだけでなく、顧客満足度の低下や信用失墜といったリスクを招くため、トラブル件数の低減や再発防止に努めることもカスタマーサポートの重要な役割となります。
トラブルに対処するためには、対応ノウハウだけでなくトラブル事例についても情報を蓄積・共有を行い、対応策や対応フローを検討しておくことが重要です。メンバー全員がスムーズかつ適切な対応ができる仕組みを構築して備えておくことで、カスタマーサポートの効率化・対応品質も高めることができます。
カスタマーサポートマニュアルのPDCAを回す
カスタマーサポートマニュアルは、常に最新のものに書き換えてください。
ルールを徹底しても解消されない問題が出てきた、寄せられる問いが変化した、といったタイミングでマニュアルを見直せば、顧客満足度を上げると同時に、効率化を加速できます。
PDCAを回すルールを定めれば、業務効率化を停滞させることがなくなり、顧客ニーズの変化にすぐに対応できます。
カスタマーサポートの効率化に活かせる「チャットボット」
チャットボットとは、Webサイト・Webサービス等に設置して、ユーザーとリアルタイムで会話を行うことができる自動会話プログラムのことです。近年ではAI搭載型・シナリオ型等さまざまな製品がリリースされており、多方面で活用が進められています。
カスタマーサポートにおいても、顧客対応向け・オペレーター向けのチャットボットを導入することで、サポート業務の効率化や負担低減を図ることができます。
カスタマーサポートにチャットボットを導入することで得られる具体的なメリットについて、続けて以下にご紹介します。
チャットボットをカスタマーサポートに導入するメリット
チャットボットにはさまざまな機能が搭載されており、カスタマーサポートの効率化に役立てることができます。ここでは、顧客向けチャットボット・スタッフ向けチャットボットそれぞれの導入メリットについてご紹介します。
カスタマーサポート向けチャットボット(顧客対応向け)のメリット
- 問い合わせ件数を削減できる
- 対応時間を延長して24時間365日サポートを提供できる
- オペレーターの業務負担・対応時間を低減できる
- 人的リソースをより重要な業務に振り分けることができる
- サポート品質・対応品質向上により顧客満足度を向上できる
顧客対応向けチャットボットは定型的な回答を得意としており、繰り返し何度も寄せられる問い合わせを24時間自動で対応してくれるため、カスタマーサポートの業務を大幅に効率化することができます。業務負担や人手不足といったカスタマーサポート効率化の課題を抱えている場合は、導入メリットは大きいと言えるでしょう。
スタッフ向けチャットボット(社内ヘルプデスク向け)のメリット
- ナレッジ・ノウハウ・事例の共有をスムーズに行うことができる
- スタッフが業務上の疑問点を自己解決できる
- メンバーの経験・スキルの差を埋めることができる
- 業務の属人化を防げる
- カスタマーサポート全体の業務効率・業務スピードを向上できる
社内ヘルプデスク向けチャットボットは、カスタマーサポートに携わるスタッフが使用するためのチャットボットです。情報共有を効率化することで、カスタマーサポートの効率化に役立てることができます。カスタマーサポートの業務効率に課題を抱えている場合は、顧客対応向けチャットボットと併せて検討してみると良いでしょう。
まとめ
今回は、カスタマーサポートを効率化するべき理由や効果、効率化を進めるときのコツについてご説明しました。
単に「効率化」といっても、そのメリットは多岐にわたります。
顧客満足度向上、オペレーターのスキルアップ、商品/サービスの品質の向上、社内での情報共有のスピード化など、多くの面で効果があらわれるものです。
弊社が提供するチャットディーラーも、カスタマーサポート業務の効率化に役立つツールのひとつです。
無人対応/有人対応のどちらにも対応していますし、顧客向け/オペレーター向けの作り分けもできます。
また、レポート機能によって、シナリオ分岐によって提示したFAQにユーザーが満足できたかなど、各種データを取得でき、サポート業務の内容を数値で確認できます。
もしもチャットボット導入を検討される場合、ぜひ資料をダウンロードしてください。
気になることがあれば、どんな小さなことでもお気軽にお問い合わせお待ちしております。
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この記事を書いた人
ボットマガジン編集部
ボットマガジン編集部です!チャットボットについて、タイムリーでお役立ちな情報をお届けします。