FAQシステムとチャットボットの違いって何?注目されるFAQチャットボットの秘密に迫る!

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製品を購入し、使っているうちに何らかの問題に直面するのはよくあることです。対処方法として、一番確実なのは製造元のサポートセンターに問い合わせることでしょう。しかし、サポートセンターへの問い合わせに、抵抗を持つユーザーは少なくありません。

そんな時に気軽に使うことができるのが、FAQシステムです。人を介さないFAQシステムは、顧客サポートの定番として広く用いられてきましたが、近年はFAQシステムに「チャットボット」を組み込むことで、さらなる進化を遂げています。

今回は、企業から注目を集める新しいFAQシステム「FAQチャットボット」について説明していきます。

この記事の目次

    FAQシステムとチャットボットの違い

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    FAQシステムもチャットボットも「人を介さない」「ユーザーが文章を入力することで回答が表示される」などの共通点があるため、混同されがちです。

    しかし、両者の定義には明確な違いがあります。FAQチャットボットを理解するために、まずはFAQシステムとチャットボットの違いについて紹介していきます。

    FAQシステムとは?

    FAQシステムとは「Frequently Asked Questions」の略で、直訳すると「よくある質問」です。FAQシステムでは、このユーザーが共通で抱いた、あるいは抱くであろう「よくある質問」を分析・整理し、検索閲覧できるようにします。

    FAQシステムの目的とはユーザーの自己解決です。ユーザー側は問題を自己解決することで問い合わせる手間を省き、サポート側は業務負担を減らす、つまり双方が利益を得られるwin-winの関係を構築することを理想としています。

    また、FAQシステムはユーザーが「どのような疑問や困りごとを抱えているか」というデータを蓄積する機能でもあります。FAQシステムによって蓄積されたデータは、サービスや商品の改善、新開発に大いに活用できるでしょう。

    質問と回答の提示といえば一問一答の「Q&A」を思い浮かべる方も多いかもしれません。実際、大きな視点で見るとFAQはQ&Aの一部ですが、Q&Aで蓄積されたデータを厳選することで回答の効率化を図ったものがFAQシステムといえます。

    FAQシステムは主に3つに分かれる

    FAQシステムは、利用目的・利用用途に応じて次の3種類に分類されます。

    社外向け(顧客向け)FAQシステム

    自社のWebサイト・ECサイト等に設置して、顧客に利用してもらうためのFAQシステムです。商品・サービスに興味を持った顧客や問題・疑問を抱えた顧客に情報の提供を行うことを目的としています。

    社内向けFAQシステム

    社内ポータル等に設置して、社内メンバーが抱える質問や疑問を解決するためのFAQシステムです。社内ヘルプデスクに寄せられる問い合わせを整理して提供することで、担当者の負荷軽減やコア業務に集中するリソースを確保することを目的として利用されます。

    社内コールセンター向けFAQシステム

    カスタマーサポート・コールセンターとして顧客からの問い合わせ対応を行っているオペレーターが利用するためのFAQシステムです。ナレッジ・ノウハウの統一・共有を行い、対応品質の標準化や業務効率化を図るために利用されます。

    チャットボットとは?

    チャットボットとは、会話「チャット(chat)」とロボットの「ボット(bot)」組み合わせた言葉で、「自動会話システム」を意味します。文章を入力すると、人間と会話しているかのように応答が返ってきます。

    ロボットというと「人工知能(AI)」を思い浮かべる方も多いでしょう。確かに、現代においてAIを搭載したチャットボットは珍しくありません。ただし、チャットボットの定義では、AIの搭載は必須条件ではありません。

    チャットボットには2種類あります。AIを搭載したチャットボットを「AI(機械学習)型」とAIを搭載しない「ルールベース型」です。AI型が「AIが適切とした回答を表示」するのに対し、ルールベース型は「あらかじめ作成されたシナリオに沿って回答を表示」します。

    また、AIを搭載している場合でも、チャットボットのAIはあくまで「用意された文章の中で適切な回答」を選択しているに過ぎません。相手が何を考えているか推論し、回答しているわけではない点に留意する必要があります。

    FAQチャットボットで解決

    チャットボットのターゲットによる分類

    チャットボットは、対応を行うターゲットによっても以下の2種類に分類できます。

    社外向けチャットボット

    Webサイト・ECサイト・Webサービスなどに設置して、顧客からの問い合わせ対応を行います。カスタマーサポートの業務効率化や、自社のサポート品質向上のために活用されます。

    社内向けチャットボット

    社内ポータルサイトや専用サイトといった、社内のスタッフしかアクセスできないクローズドな場所に設置を行い、社内からの問い合わせ対応を行います。社内ヘルプデスクの負担軽減やナレッジ共有の効率化のために活用されます。

    目的別の分類

    チャットボットは進化し続けており、次にご紹介するように自社の目的に合わせてさまざまな対応が可能です。

    FAQ型チャットボット

    ユーザーからの問い合わせに対して適切な回答を返すことを目的としたチャットボットです。ユーザーが抱える問題や疑問に自動で対応することで、業務効率化やサポート品質向上を図ることができます。

    処理代行型チャットボット

    ユーザーとの対話から得た情報に応じてシステム処理を代行することを目的としたチャットボットです。スケジューリングやレコメンド等の処理を自動で行わせることで、業務効率化や生産性向上に寄与することができます。

    雑談型チャットボット

    問い合わせ対応ではなく、ユーザーとの会話を目的としたチャットボットです。イメージアップ・ブランディング・ロイヤリティ向上といった用途で活用されています。

    配信型チャットボット

    ユーザーとの対話ではなく事前に決められたタイミングで情報の配信を行うことを目的としたチャットボットです。新商品情報・ニューストピックの配信や自社のアラート機能に活用されています。

    FAQシステムとチャットボットの共通点

    FAQシステムとチャットボットは別物ですが、役割や仕組みの部分において共通している点もあります。

    ここでは、FAQシステムとチャットボットの共通点についてご紹介します。両者の特性をより理解して活用するためにも、ぜひ参考にしてみて下さい。

    利用者が自己解決できる仕組み

    FAQシステム・チャットボットは回答を提供する方法は異なりますが、両者ともユーザーが問題や疑問を自己解決できる仕組みであることが共通点です。時間や曜日に関わらずいつでも利用することができる点や、ユーザーが自発的に課題を解決するためにテキストやキーワードを入力する点においても同様です。

    ユーザーが自己解決できる仕組みは問い合わせ対応の効率化・自動化・負担軽減に適しているため目的・用途も共通している部分が多くあります。

    業務効率化や顧客満足度の向上に貢献

    FAQシステムとチャットボットは、両者ともユーザーが抱える課題をスムーズに解決することができるため、顧客満足度(従業員満足度)の向上に貢献することができます。

    問題や疑問を抱えているユーザーは、すぐにでも回答を得たいと考える心理があります。FAQシステム・チャットボットであれば、このようなニーズにいつでも対応することが可能です。社内用途で活用している場合は、社員が問題・疑問を素早く解決することで、スムーズに業務を遂行できるというメリットもあります。

    導入時には準備が必要

    FAQシステム・チャットボットはどちらも導入時にはFAQの収集・整備やツールの設定といった準備を行う必要がある点で共通しています。また、パフォーマンスを発揮するためには導入後も細かい調整・改善を繰り返していく必要があります。

    利用率を高めて有用性・効果性を発揮するためには、両者とも相応の時間・労力を要する点には留意しておかなければなりません。

    FAQシステムとチャットボットの違い

    FAQシステムとチャットボットは、両者ともユーザーの疑問・質問に回答したりサポートを行ったりといった役割を持つツールです。しかし、対応方法・回答速度・操作性・情報量などさまざま面において違いがあります。

    ここでは、FAQシステムとチャットボットの違いについて解説します。

    回答にたどり着く方法とスピード

    FAQシステムとチャットボットでは、回答の方法や回答に辿り着くまでのスピードにおいて大きな違いがあります。

    FAQシステム

    FAQサイト内にカテゴリや検索機能を設置して、ユーザーが目的の情報へ辿り着くことをサポートします。

    チャットボット

    ユーザーの質問内容に応じて、対話を通じて回答を提示します。

    FAQシステムはユーザーが全て自分でアクションを起こす必要がありますが、チャットボットは対話を通じてアシストできるため、より素早く的確に回答への誘導を行うことができます。

    得られる情報量

    FAQシステムとチャットボットでは、ユーザーが一度に得られる情報量において違いがあるため、特性を理解しておくことが重要です。

    FAQシステム

    複数のFAQを一覧表示したり、大量の情報を画面内に表示できるため、まとめて複数の情報を得たい場合や関連する情報も得たい場合には適しています。

    チャットボット

    ユーザーが求める情報を、対話を通じてピンポイントで表示します。一度に提供できる情報量は少なくなりますが、スムーズに求める情報を得たい場合に適しています。

    ユーザーインターフェース

    FAQシステムとチャットボットでは、ユーザーインターフェース(操作画面・操作方法)にも違いが見られます。

    FAQシステム

    カテゴリや検索機能を用いてユーザー自身が回答を探す方式であるため、視認性・簡潔性に優れたユーザーインターフェースが採用されています。情報が羅列されたやや無機質な印象を受けます。

    チャットボット

    対話を通じて回答を導き出すため、画面占有率が低くシンプルなユーザーインターフェースとなっています。キャラクターデザインやポップなデザインが採用されていることが多く、実際に会話を行っているかのような親しみやすさがあることが特徴です。

    「FAQチャットボット」が注目を集めている?

    FAQシステムとチャットボットは、共通点もあれば違いもあります。どちらを導入すれば良いのか分からないという方もいるでしょう。そこでおすすめとなるのが、FAQサイトにチャットボットを組み合わせた「FAQチャットボット」です。

    簡単に説明すると、FAQシステムの情報量・網羅性はあるけれども検索に手間や時間がかかるというデメリットを、チャットボットの対話で機能カバーする仕組みです。近年では問い合わせ対応の自動化・効率化に対するニーズは高まりつつあることから注目を集めています。

    FAQチャットボットの導入・設置・運用には労力が必要となりますが、ユーザーが状況に応じて臨機応変に活用できるという、優れた自己解決の仕組みを構築することができます。

    次章からは、FAQとチャットボットを組み合わせて利用する「FAQチャットボット」のメリットについて解説していきます。

    FAQチャットボットを活用するメリット

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    FAQチャットボットをビジネスで活用すると、具体的にどのようなメリットがあるか想像がつかない方もいるでしょう。

    主なメリットは、「ユーザーの利便性UP」「業務の効率化」「機会損失の防止」の3つです。ここでは、FAQチャットボットを活用するメリットについてそれぞれ詳しく説明していきます。

    ユーザーの利便性

    FAQシステムは、サイト内などで検索をして答えを探す形式です。活用するにはユーザーは知りたいことに対し、正しいキーワードを入力しなくはなりません。また、FAQの量が膨大になると、回答への到達が困難になってしまう欠点があります。1つのキーワードに対して複数のFAQが表示されてしまうのが、その一例でしょう。

    一方、FAQチャットボットなら会話形式で回答を得ることができるため、仮にユーザーの質問内容が曖昧でも、連続対話で回答を絞り込むことができます。どんなにFAQの内容が優れていても、ユーザーがその質問まで辿り着かなくては意味がありません。FAQチャットボットなら回答への到達を容易にしてくれます。

    加えて、24時間の顧客対応が可能なることもFAQチャットボットの大きな強みでしょう。電話やメールでは、祝祭日・営業外の深夜時間帯の対応は人件費などのコスト面での高いハードルがありますが、FAQチャットボットなら、いつでも自動で回答を行うことができます。

    また、対応品質の一定化も大きなメリットです。チャットボットなら個々の知識や経験に左右されず、感情やストレスにも作用されません。相手が機械であるからこそ、ユーザーは道具を使う気軽さで問い合わせができるという側面もあるのです。

    このように、FAQチャットボットは問題解決のスピード・利便性において優れた性能を発揮します。

    業務効率化

    利便性が高まることでFAQに辿り着けるユーザーが多くなることは、ユーザーの満足度を向上させるだけでなく業務効率化にもつながります。

    先述した通り、FAQシステムの目的とはユーザーが抱える問題の自己解決です。それでは、チャットボットでユーザーの自己解決が容易となった場合、具体的にどのような形で業務効率化に貢献するでしょうか。

    例えばサポート側は、よくある質問でユーザーに自己解決してもらうことで、より必要性の高い問い合わせの解決に専念できます。また、自己解決により問い合わせ自体が減れば、サポートセンターの人員の削減にもつながるでしょう。

    その他にも、簡単な問い合わせが減ることで業務の負担が軽減されれば、生産性の向上、オペレーターの残業時間減少などが期待できます。

    このように、FAQチャットボットによってユーザーを自己解決に導きやすくすることは、業務効率を上げるのに効果的なのです。

    機会損失の防止

    FAQチャットボットによる自己解決は、機会損失防止にもつながります。 機会損失とは、文字通り「利益を得る機会を失った」という意味です。

    例えば、新機能を搭載したカメラ「Aシリーズ」があったとします。新機能は画期的で素晴らしいものだと仮定しましょう。Aシリーズは新機能を搭載しているため、多くのFAQを必要とします。では、もしユーザーが新機能を使いこなすためのFAQに辿り着けなかったらどうなるでしょうか。

    極端にいえば、何人かのユーザーは、該当のFAQに辿り着けなかった時点で新機能を使うことを諦めてしまうでしょう。諦めてしまったユーザーにとってAシリーズは、ただの平凡なカメラになってしまうのです。仮にAシリーズの後継機が出ても、購入しようとは思わないでしょう。結果、素晴らしい機能を証明する機会が失われ、将来的に得られるはずだった利益が損なわれたとも考えられます。

    このように、FAQに辿り着けなかった時点で問題の解決を諦めてしまうユーザーは少なからずいます。原因としてはまず、問い合わせの大小があります。故障や大きな不具合ならともかく、ちょっとマニュアルを補足してもらいたい程度のことでサポートセンターに連絡をするのは気が引けるユーザーは多いものです。

    加えて、サポートセンターに問い合わせをするのは、自己解決より手間がかかります。そして、先にも述べたチャットボットとは違い、オペレーターによる有人サポートの24時間対応はほぼ望めません。また、手続きに時間がかかったり、個人情報を明かしたりしなければならない場合もあります。時間的なコストを優先するユーザーからすれば、自己解決できることこそが最善の解決法なのです。

    見切りの早いユーザーを繋ぎ止めるためにも、FAQチャットボットで気軽に質問ができる環境作りは大切です。自己解決を促進することで、機会損失を防ぎましょう。

    新しい発見につながる可能性も

    先に挙げた3つのメリットに加え、FAQチャットボットの利用データを分析することで、今まで気づかなかったユーザーの特性やニーズなどを掴みやすくなることもメリットだといえます。

    チャットボットによって利便性が高められたFAQであれば、電話やメールでの問い合わせに躊躇していたユーザーでも気軽に利用することができるようになるので、その分だけ新たなアイデアを得られることになるでしょう。また、新たに獲得した利用データを分析することで、ユーザーの問い合わせに関するナレッジを社内に蓄積していくことが可能です。

    ナレッジを活用してFAQの精度を高めることはもちろん、今後のマーケティング戦略策定に役立てることも期待できます。

    FAQの課題をFAQチャットボットで解決!

    チャットボットを実装するには?

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    チャットボットをどのような形でFAQサイトに実装するかも重要です。

    ここでは、FAQサイトにチャットボットを設置する場合と、FAQの内容をインポートしたチャットボットを作成する場合について説明していきます。

    FAQサイトにチャットボットを設置する

    まず、FAQサイトにチャットボットを設置し、検索ツールとしてチャットボットを活用する方法をご紹介します。

    コラム内でもご紹介した通り、FAQページを作成しても、ユーザーに活用してもらえないという課題を持つ企業は多いといわれています。これは、ユーザーは膨大な量のFAQの中から該当のものを探し出すことを億劫に感じる、なかなか該当のFAQが見つからないことが要因だと考えられます。

    しかし、FAQサイトにチャットボットを設置し、検索ツールとして活用することで、この課題は解決することができます。

    例えば、「どういったFAQをお探しですか?」のような質問に投げかけ、会話を繰り返しながらだんだんとFAQを絞っていくことで、ユーザーの探している情報にたどり着くことができます。チャットコミュニケーションが浸透した現在、ユーザーは気軽にチャットボットを活用してくれるでしょう。

    サポートセンターにとってはFAQページの活用率・解決率の向上を図ることができ、ユーザーにとっては該当のFAQを見つけやすい、また気軽に利用できるため、検索ツールとしてチャットボットを活用することは両者にとってメリットがあるといえます。

    FAQチャットボットを作成する

    もうひとつは、FAQの内容をインポートしたチャットボットを作成する方法です。

    検索ツールとして活用する方法同様に、FAQの検索性が向上することにあわせて、FAQの確認までチャットボット上で簡潔できるようになるため、スムーズに課題解決を図ることができるようになります。

    また、FAQページだけでなく、すべてのページにチャットボットを設置しておくことで、ユーザーはその場で質問を投げかけることができるようになります。

    FAQチャットボットを活用するときのポイント

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    実際にFAQチャットボットを活用するときは、どのようなことに気をつければよいでしょうか。以下、4つのポイントをご紹介します。

    対応範囲を考える

    AI型とルールベース型にはそれぞれ一長一短があるため、まずは自社でどのようなFAQを構築したいのかを明確にして、目的にふさわしいタイプのチャットボットを導入することが大切です。その際に必要になってくるのが、どこまでをチャットボットに任せるのかといった対応範囲を考えておくことです。

    ユーザーからよく寄せられる、比較的簡単に解決できる質問への対応を任せたいのであれば、あらかじめ設定したシナリオに沿って回答へと導くことができる「ルールベース型」が向いているといえます。単純な質問であれば、シナリオ作成に手間はかからず、比較的コストを安く抑えることが可能です。また、オペレーターの業務と心理的負担を減らすことで、生産性と業務へのモチベーション向上効果も期待できるでしょう。

    一方、よりユーザーに合わせた柔軟性のある回答をしたい場合には、機械学習機能が搭載された「AI型」がおすすめです。あらかじめ設定したFAQのデータの中から、最適な回答を選び出す術を自ら学習していきます。そして、曖昧表現や表記のゆれなどにも柔軟に対応できるので、多様なユーザーからの複雑な問い合わせ内容にも的確な回答ができます。

    ただし、導入コストが高い、AI学習には手間と時間がかかるといった懸念ポイントがあることには注意が必要です。

    選択肢を増やしすぎない

    FAQチャットボットでは、ユーザーに提示する選択肢を増やし過ぎないように注意しましょう。質問に対する選択肢が多すぎたり、条件設定が細かすぎたりするなどの複雑な導線設計は、ユーザーの離脱率上昇リスクを高めることにつながります。

    離脱を防ぐための対策としては、まずは選択肢を増やしすぎないこと、具体的には3~5個に抑えることがおすすめです。そして、回答も会話を意識した文体にしつつ、疑問が解決できる範囲で簡潔な内容にすることを意識してみてください。

    解決できなかった場合のステップを用意する

    FAQチャットボットを活用すれば、たしかにユーザーサポートの効率化を目指すことができます。

    しかし、AI型が高性能とは言っても決して万能ではありませんし、より高度なAI型チャットボットにしたいと思えばその分だけコストもかかってしまいます。したがって、チャットボットだけでは解決できなかった場合に備えて次のステップを用意しておき、利便性に配慮することでユーザーの離脱を防ぐことが大切です。

    たとえば、FAQ形式の回答では解決が難しい問い合わせに対しては、URLを提示して問い合わせフォームに誘導することが考えられますし、電話番号を載せておけば営業時間内でのオペレーターへの引き継ぎも効果的です。

    また、有人によるチャット応対と組み合わせるやり方もあります。すでにチャットボットによる自動応答によって簡単な質問は解決が図られていることから、有人チャットにリソースを割けばより複雑な質問に対応を集中させることが可能です。もちろん、ユーザーにとってもチャットボットでは難しいきめの細かい回答によって満足感が得られるので、質問する側・される側双方にとって多くのメリットをもたらします。

    利用データを分析する

    FAQチャットボットは、日々ユーザーに使われることでさまざまなデータを収集しています。したがって、導入に満足せずに、利用データについての分析を通じて常に改良を重ねていくことが重要です。

    管理画面を見れば、選択肢の選択率や質問・回答からの離脱率を確認することができます。選択率が低い選択肢を見直したり、逆に選択される頻度が高いものに関連するコンテンツを充実させたりというようにブラッシュアップをこまめに行います。離脱率が高いのであれば、質問の仕方を変えたり、回答の中身を見直したりする必要があるでしょう。

    また、サービスや商品によっては、ユーザーからの問い合わせの内容は時季や環境の変化によって変わってきます。的確な対応をしていくためには、管理画面に搭載されているレポート機能の活用が必須です。たとえば、履歴表示を参照することで、問い合わせの多いユーザー層や問い合わせ内容についての詳細を明らかにすることができます。

    データとして社内で共有して運用チームで話し合いながら分析を加えていけば、よりターゲットにふさわしく、精度の高いFAQシステムに作り変えていくことが可能になるでしょう。そのため、分析結果に合わせて柔軟に更新することができる運用体制をあらかじめ構築しておくことが大切です。

    使われないFAQをチャットボットが復活させます

    社内ヘルプデスクにも活用?

    このように、FAQチャットボットは顧客サポートの場面で広く活用されていますが、近年は社内のヘルプデスクの業務支援を目的として使われることも多くなってきています。

    FAQチャットボットが注目される背景には、ヘルプデスクが置かれる情報システム部門などのバックオフィスにかかる業務負荷の増大があります。ビジネス環境のデジタル化が進行する一方で、IT人材が不足する現状は改善されていません。また、限られた経営資源と時間を有効活用するためにも、ヘルプデスク業務の効率化を最重要課題の1つとして取り組まざるを得なくなっているのです。

    FAQチャットボットの導入により、こうした課題の多くをクリアすることができます。たとえば、社内業務にまつわる重複しやすい定型的な問い合わせに対しては、ボットに組み込んだ回答を参照してもらうことで、ヘルプデスク業務が多忙であるか否かに関わらず、いつでも自己解決を促すことができます。

    一方、質問者にとっても、電話で問い合わせたいもののすぐにつながらない、対応時間外で目的が果たせないといった事態から解放され、スピーディーかつストレスなく必要な情報を入手することができるでしょう。

    このように、社内ヘルプデスクの導入により、顧客サポートの時と同様、ヘルプデスク業務の場面においても質問する側・される側双方にメリットがもたらされるため、注目が集まっているのです。

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    チャットディラーロゴ

    この記事では、FAQチャットボットの概要と実装方法について解説しました。

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    • 執筆者:ボットマガジン編集部
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      ボットマガジン編集部

      ボットマガジン編集部です!チャットボットについて、タイムリーでお役立ちな情報をお届けします。

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