解決率の高いFAQサイト(ページ)の特徴とは?作成ポイントを解説!

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FAQサイト(ページ)とは、商品の使い方や故障時の対応方法の説明、修理受付、サービスの利用方法の説明など、商品・サービスに関わる情報や商品仕様、規格の公開によく使われるものです。

FAQはQ&A(Question and Answer:質問と回答)の一種であり、Q&Aの中からよくある質問を抽出してまとめたものがFAQになります。FAQは1980年頃から商品に付属してくる取扱説明書の中に記載されたのが始まりで、1990年代にインターネットの普及と共にデジタル化され、2000年代に入るとIT技術の進化と共にシステム化されてきました。

多くの企業がFAQを自社サイトに掲載していますが、効果的に運用できていないケースも多いでしょう。そこで、この記事ではFAQサイトを設けるメリット、解決率の高いFAQサイトの特徴を整理し、FAQサイトを作成する時のポイントについて解説します。

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目次

FAQサイト(ページ)の基本知識

FAQサイトがあることで、ユーザーは問い合わせをすることなく、自力で課題を解決させることができます。同時に、企業側も問い合わせの対応数を削減できる利点があるため、現在は業務の効率化・生産性の向上のためにFAQサイトの設置が主流となっています。

まずは、そんなFAQサイトの概要からQ&Aとの違い、背景などを詳しく解説していきます。

FAQサイト(ページ)とは?

FAQサイトとは、「Frequently Asked Questions」の略で、頻繁にくる質問とその回答をまとめたページを指します。事業を展開する企業には、毎日さまざまな問い合わせがあります。

寄せられる問い合わせの内容を調査してみると、似たような質問が大多数を占めている傾向があり、いかにそういった類似の質問を削減できるかが効率化のカギとなっているのです。そこで、FAQサイトを設置する企業が増えています。

企業のサイト上にFAQページを作成し、よくある質問と答えをまとめることで、ユーザーは問い合わせをすることなく、疑問点を自己解決できるようになります。

「同様の問い合わせが何件もある」というケースでは、FAQサイトの活用は有効な解決策になるといえるでしょう。

Q&Aとの違い

FAQとよく似たものとして、Q&Aがあります。

Q&Aは「Question and Answer」の略であり、「一問一答」という意味があります。過去に実際に企業へ寄せられた質問を元に回答を載せたり、質問がありそうな内容を予想し、前もって回答を用意したりするものです。FAQが「頻繁にくる質問」に応えるものであったのに対し、Q&Aは「網羅的」に質問に対応しようとする点で違いがあります。

とはいえ、FAQは頻繁に寄せられる質問というだけで、Q&Aの中から厳選したということでもあるため、「FAQはQ&Aの一部」といえるのです。

FAQサイト(ページ)の作成が進む背景

FAQサイトが浸透する背景を理解するには、まずFAQの産まれた経緯を知ることが先決です。もちろん、初めからFAQサイトがあったわけではありません。

1980年代に、電化製品などに取扱説明書が添付されるようになりました。というのも、技術が発展したことから電化製品の機能が充実し、説明書なしでは使いこなすことが難しくなったためです。開発企業は紙ベースの取扱説明書を同封して、ユーザーが扱いやすいよう工夫しました。

しかし、ここで問題が一つ発生します。機能が充実すればするほど、取扱説明書の内容も多くなり、購入者が説明書のどこを読めばいいのか戸惑うケースが多発したのです。こうした背景から登場したのが、「よくある質問(FAQの原型)」になります。ユーザーから問い合わせの多い内容を重点的に解説することで、こうした課題を解消するようになりました。

そうした状況と共に時代も変化し、次第に紙ベースの取扱説明書からインターネット上に「FAQサイト」が設置されるようになったのです。

FAQサイト(ページ)を設けるメリット

FAQサイトを設けるメリットとして、ユーザビリティの向上、問い合わせ件数の削減、ナレッジの共有などが挙げられます。以下で、それぞれについて解説します。

ユーザビリティの向上

FAQサイトを設けるメリットとして、まず初めに挙げられるのはユーザビリティの向上です。ここで言うユーザビリティとは、有用性、使いやすさ、もしくは使い勝手を意味し、ある一定の状況下において、商品やサービスを利用する顧客によって当初の目的を達成する際に、その有用性や効率性、および顧客の満足度を示す度合いです。

例えば、商品を購入した顧客が使い方で分からないことがあった場合、メーカーのカスタマーサポートに、電話やメールをして問い合わせることが予想されます。しかし、「わざわざ問い合わせるのが面倒」だと感じ、不便に感じるユーザーも多いでしょう。

そのような事態を避けるのに、FAQサイトは有効です。顧客はわざわざ電話やメールで問い合わせなくても、FAQサイト上で当てはまる質問と回答を確認することで、すぐに問題を解消することができるようになります。

顧客の疑問に対して、素早くかつ適切に解消できるようになっていれば、顧客満足度の向上につながるでしょう。

問い合わせ件数の削減

企業に寄せられる質問は似たような内容のものが多く、それらに対して1つひとつ電話やメールで回答するのは効率的とはいえません。また、それらの対応に時間を取られてしまうと、FAQでは解決が難しい問い合わせに対応する時間が充分確保できなかったり、顧客への回答が遅れてしまったりと、満足度が低下につながる恐れがあります。

このような問題に対して、FAQサイトを設置することは有効な解決手段です。よくある質問に関しては、FAQサイトを活用して顧客に自己解決を促すことができれば、問い合わせ件数が削減され、カスタマーサポートに余裕が生まれます。

顧客にとっては、自己解決できれば問い合わせの手間を省くことができ、カスタマーサポートスタッフも、より重要な業務に注力できるようになります。このように、FAQサイトの設置は、顧客とカスタマーサポートスタッフ双方にとってメリットがあるのです。

ナレッジの共有

FAQサイトは顧客の課題の自己解決に役立つだけでなく、カスタマーサポートスタッフのナレッジ共有にも役立ちます。これは、過去に問い合わせのあった内容をFAQサイトに追加しておくことで、スタッフはサイトを参考にしながら対応ができるためです。

寄せられる問い合わせの内容によっては、詳しい知識を持つスタッフでなければ回答が難しいというケースもあるでしょう。

そのような時に備えて、対応履歴をFAQサイトにナレッジとして蓄積・共有しておけば、知識がないスタッフでも、FAQを参考にしながら対応することができます。経験を積んだベテランに質問が集中してしまうことも避けることができますし、ベテランの配置転換や退職により対応できる人が誰もいなくなる、というような属人化の問題も回避可能です。

また、FAQサイトでナレッジを共有することで、カスタマーサポートのサービスの品質を担保できるようになります。

画像や動画を用いた情報提供が可能

電話で問い合わせ対応をする場合、オペレーターが音声を通じて課題解決のサポートを行います。口頭の案内は、ユーザーに寄り添った対応ができる反面、音声形式でしか情報を提供できないデメリットがあります。

その点FAQサイトであれば、ページに画像や地図を配置することで、視覚的に課題解決を図ることができます。また、企業によっては動画を導入することもあるでしょう。

一聞は一見にしかずという言葉がありますが、説明しづらい内容でも、画像や動画を置くことで一気に解決へ導くことが可能です。

応対時間の削減

カスタマーサポート・ヘルプデスクの担当者は、問い合わせの内容によってはマニュアルの調査や周囲への質問が必要となり、回答に時間がかかる場合があります。

問い合わせ対応用の情報が集約されたFAQサイト(社内向け)を作成しておけば、回答に必要な情報を速やかに得ることが可能となり、応対時間を短縮することができます。

チャットやメールといったテキストでの回答を行う場合には、FAQサイトの説明文を引用することもできるため、回答文を作成する時間・手間を削減することも可能です。

サポート品質の向上

オペレーターが行うサポートは、スタッフの経験・知識・スキルといった個人差があるため、どうしてもサポート品質にバラつきが生じます。FAQサイトを活用すれば、常に「正確な回答」が用意されている状態を実現できるため、オペレーターがFAQサイトの情報を基準として対応を行うことで、サポート品質の均一化を図ることが可能となります。同時にオペレーターの教育時間・教育コストを削減することも可能です。

また、FAQサイトはユーザーが思い立った時に速やかに問題・疑問を解決できるため、対応漏れの防止やサポート品質の向上も図ることができます。利便性・満足度の向上によるリピート率向上・解約防止も期待できるでしょう。

このようにカスタマーサポート・ヘルプデスクのサポート品質全体の底上げに繋がることも、FAQサイトを活用するメリットです。

時間を問わずサポートが可能

FAQサイトは一度作成して公開しておけば、24時間365日自動でユーザーの問題・疑問を解決することができるというメリットもあります。

有人対応であれば、カスタマーサポート・ヘルプデスクの営業時間内でしか対応を行うことができませんが、FAQサイトであれば時間や曜日を問わずサポートを提供することができます。

問題や疑問を抱えているユーザーは日時に関わらず少しでも早く解決したいと考えるため、FAQサイトを公開して問い合わせニーズに対応することで、サポート品質や顧客満足度の向上にも繋げることが可能です。

マーケティングに活かせる

FAQサイトではユーザーの疑問を解決することが第一ですが、利用データ分析してマーケティングに活かすこともできます。

「どのFAQのページがよく閲覧されているのか」「FAQサイトを設けたことで、どのような問い合わせが減った・増えたのか」など、データを分析することで、今まで気付かなかったユーザーのニーズを発見できることがあります。データ分析で明らかになった情報を、商品・サービスのマーケティングにうまく活かすことで、顧客満足度の向上や売上増加が期待できるでしょう。

また、FAQサイトを構築する際は、一般的にツールを活用することが多いです。現在リリースされているツールの中には、分析機能が搭載されているものも多く、より効率的に細かく分析することができるようになっています。そのため、ツール選びの際は、分析機能の有無もしっかり確認するといいかもしれません。

FAQサイトを設置し、カスタマーサポートの効率化を図りつつ、自社商品・サービスの品質向上も実施していきましょう。

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FAQサイト(ページ)の構築ステップ

FAQサイトの構築を失敗なくスムーズに進めるためには、構築フローを細分化して各ステップを着実にクリアしていくことがポイントとなります。

ここでは、FAQサイトを構築するための推奨手順・構築ステップについてご紹介します。

目標の設定

FAQサイトを作成する際には、まずはFAQサイトを運用する目標を設定しておくことが

重要です。ゴールを先に設定しておくと、効果測定・優先順位付け・到達方法の発見を行うことができるため、成功確度を高めることができます。

目標設定を行う際には、以下のビジネス指標を用いて具体的に数値で設定することがおすすめです。

  • KGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)
    例:問い合わせ数20%削減・対応時間30%削減・対応コスト30%削減・顧客満足度20%向上 など
  • KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)
    例:今月末までに問い合わせ数10%削減・翌月末までに問い合わせ数15%削減

KGIが最終目標であるのに対して、KPIは先行目標・中間目標として活用します。段階的にKPIを達成していくことで、着実に運用成果を伸ばしていくことができます。

FAQの作成

はじめに、サイトに掲載するFAQを作成します。

おすすめの方法としては、まずは過去の問い合わせ内容から掲載すべきFAQをピックアップ、そのあと他社のFAQを参考にする方法です。

では、ステップ毎に詳しく確認していきましょう。

過去の問い合わせ内容を参考

まずは、過去の問い合わせ内容を参考にして、自社にはどのような質問が多く寄せられているのか、再認識しておくことが大切です。

自社に寄せられた質問をカテゴライズするのに役立つだけでなく、ユーザーが自己解決しやすい問い合わせと、そうでないものを選り分けるといった目的もあります。

一般的に、質問の多くはWebフォーム・メール・電話・チャットに蓄積されます。しかし、場合によってはデータとして保存されていない場合もあるでしょう。そういった場合、コールセンターや担当者にヒアリングを行うと効率的です。

また、改めてユーザーにアンケートやインタビューを行う方法も考えられます。アンケート・インタビューでは、対話を通じて、これまで触れることのなかったユーザーの声を集められるかもしれません。

他社のFAQサイト(ページ)を参考

FAQを作成している商品・サービスが新しく、まだ寄せられている質問もそう多くないケースもあるでしょう。その場合には似たような商品・サービスを提供している事業者のFAQを参考にしてみましょう。とはいえ、あくまで自社のサービスとは別のものになるため、参考程度におさえるようにしてください。

またそのとき、自社で蓄積されたものと集めた情報を分けておくと、後の工程をより効率的に進めることができます。実際にFAQを設置しているページの中でも、関連企業や子会社から集めた質問を掲載する際、違いがすぐ分かるように「他社マーク」を用いて掲載している企業もあるようです。

FAQシステムを選定する

よくある質問がある程度蓄積されてきたら、次にFAQシステムを選考しましょう。FAQシステムとはFAQを効率的に管理・更新・検索することができる、利便性の高いシステムです。近年は、こうした専用のシステムを活用してFAQページを構築することが増えています。

ちなみに、FAQシステムにはノウハウ蓄積型や、チャットボットタイプなどさまざまなものがあります。そのため、自社の商品・サービスを考慮し、最良のFAQシステムを選定することが何よりも肝心です。

情報を蓄積することで、問い合わせ対応の品質向上・業務負荷軽減に役に立つだけでなく、新人教育にも役立ちます。「人手が足りずに新人教育ができない」「常に社員が何らかの対応に追われている」といった課題改善に大きく貢献してくれるでしょう。またチャットボットタイプでは、あらかじめ入力したデータやユーザーの利用データを人工知能が解析したり、あらかじめ設計しておいたシナリオをベースに最も適切な回答を提示したりできます。

FAQサイト(ページ)を公開

よくある質問が蓄積され、FAQシステムを選定し終えたら、いよいよFAQサイトを公開します。

サイト公開後は、ユーザー情報を分析し、改善と運用を繰り返すことでPDCAサイクルを回していきます。例えば、ユーザーの解決率を測る計測ボタンを設置してみる、解決率をもとにしてFAQコンテンツの内容を改良するなど、さまざまな工夫ができるはずです。質問項目のカテゴライズや導線設計、UIUXなどの観点も含め、コツコツと運用を重ねていきましょう。

解決率の高いFAQサイト(ページ)の特徴とは?

解決率の高いFAQサイトの特徴として、ここでは3つの観点から解説します。

FAQのカテゴリ分けがされている

顧客から多種多様な問い合わせを受けていたり、FAQサイトを長期に渡って運用していたりすると、FAQの数が相当なものになることが予想されます。それらをただ羅列しておくだけでは、顧客は探している情報になかなか辿り着けず、また情報が見つからないと、顧客はFAQサイトから離脱してしまうことが予想されます。

顧客にとって使いやすいFAQサイトにするには、FAQを整理し、しっかりとカテゴリ分けすることが必要です。例えば、通信プロバイダー会社の場合、「契約内容の確認・各種手続き」「料金・支払いについて」「インターネット接続サービス」「メールサービス」…など、サービス項目別にFAQを分類する方法が考えられます。さらに、そこからさらに詳しく分けて「新規加入・申し込み手続き」「契約情報の紹介・変更」「移転の手続き」などと分類するといいでしょう。

このように、FAQを階層的な構造にしておけば、顧客は探している情報に効率よく到達することができます。

検索機能が優れている

FAQサイトを展開して問い合わせ対応の効率を上げるには、顧客がFAQサイト内で自己解決できるような環境を整える必要があります。そのためには、顧客の求めている情報が素早く見つけられるように「検索しやすいもの」でなければなりません。

求められる検索機能としては、直接キーワードを入力して検索できたり、キーワードが思いつかない顧客のために、よく検索されるキーワードをピックして表示しておいたりするといいでしょう。

ある家具メーカーのFAQサイトでは、顧客が購入した商品について検索できる他、トピックスをカテゴリごとに分類し、注文する前、注文してから商品が到着するまで、商品が到着した後の、それぞれのステータスに合わせて検索できるようにして、利便性の向上を図っています。

難しい用語が使われていない

FAQサイトは、「分からないから見るサイト」という前提のもと、専門用語などの難しい用語を使うのを避け、誰が見ても分かるような表現で記述する必要があります。

平易な表現が徹底できていないと、FAQサイトで欲しい情報を探すのを諦めてしまったり、改めて電話やメールで問い合わせたりする手間を顧客にかけさせてしまことになります。

回答に専門用語を使うのは控え、どうしても専門用語を使わなければいけない場合は、それを解説するページへのリンクを貼り、理解を助ける工夫をするといいでしょう。加えて画像や表、イラストなども活用して、顧客が最も理解しやすい形で回答を作成します。

このように、FAQサイトを機能させるには、そこに掲載されている回答を読んだ顧客がサイト内で必要な情報を理解し、疑問が解消できるものであることが重要です。

図や画像が用いられている

検索機能や用語分かりやすさと同じくらい大切な要素が図と画像です。電話などの口頭での問い合わせ窓口では、実際に商品を見ながら説明をすることはできません。そのため、製品のトラブルシューティングや機器に関するテクニカルな内容、専門性の高い問い合わせなどは解決しづらい課題があります。しかし、FAQページには画像や図を設置することができるので、解決率やユーザー満足度を高められるはずです。

実際に、家電メーカーなどのFAQページには図やイラストがふんだんに組み込まれており、分かりやすく解説することで、導入前よりも満足度が大幅に向上したという実績もあるようです。

見やすいレイアウト

FAQサイトでは、FAQ(質問文と回答)を充実させることが重要となりますが、同時にサイト全体のレイアウトも見やすく分かりやすいものを用意しておくことが重要です。

FAQサイトのレイアウトはサイトの使いやすさや情報の見つけやすさに大きく影響するため、レイアウトの質が低いと利便性・利用率・解決率も損なわれてしまうためです。

FAQサイトは機能性が重視されるサイトであるため、デザイン性よりも以下のようにユーザビリティを重視してレイアウトを行うのが重要なポイントとなります。

  • 同じ系統の質問をカテゴライズ
  • 閲覧頻度が高い質問をトップページ上部にまとめる
  • 階層はできるだけ浅くする(3階層が目安)
  • できるだけ少ない操作で情報が得られるように設計
  • 質問をまとめてチェックできるようにアコーディオンパネルを実装する

リリース後もユーザーからフィードバックを行い、より便利で使いやすいレイアウトへと改善を行っていきましょう。

最新の情報が掲載されている

商品・サービスはもちろん、システムなどの改定により、解決方法なども日々新しいものに変化しています。そのため、不要な古いデータが残っていると解決の妨げになるうえ、検索性も悪化します。FAQページに公開されている情報は、現在の環境に適しているものなのか否か、常に注視するようにしましょう。

逆に、FAQに掲載されている情報が古いものであれば、却って利用する人の満足を低下させてしまいます。特に、対ユーザー向けのFAQ活用を考えている場合には、注意しておきましょう。

ユーザーからのフィードバックを受けている

先ほどもご紹介したように、直接アンケートをとり、フィードバックを収集することも大切です。FAQサイト内にアンケートを設けて、「問題は解決しましたか?」など質問することで、効率的にユーザーの反応をキャッチすることができます。解決率が低いデータを分析し、それらのFAQを見直しする担当者を決めておくと、改善から再導入までスムーズに行えるでしょう。

また、寄せられたフィードバックをサイト内に掲示している企業も多くあります。絶えずユーザーからさまざまな声が届きやすい環境づくりを意識しましょう。

FAQツールの選び方

FAQツールはさまざまな製品がリリースされており、どの製品を選べばよいか分からない方もいるのではないでしょうか。

ここでは、FAQツールを選ぶ際にチェックすべきポイントとツールの選び方について解説します。自社の目的・用途に合ったツールを選ぶためにも、ぜひ参考にしてみて下さい。

検索機能が充実しているか

FAQツールを導入する際にまず確認すべきポイントが、搭載されている検索機能です。検索機能はFAQツールを利用するユーザーの利便性に大きく関係しており、検索機能が使い難いとユーザーは目的の情報を見つけられず、徐々にFAQを利用しなくなるためです。

特に、FAQの数や情報量が多い場合においては、ファイル内検索・タグ検索といった充実した検索機能を持つFAQツールを選ぶことが重要となります。

FAQを導入したものの問い合わせ件数が減らない場合や既存のFAQが利用されていない場合は、FAQツールの検索機能が原因である場合が多いため、ツール選びの際には慎重に検討するようにしましょう。

レポート機能が充実しているか

問い合わせ件数削減・対応品質向上・商品サービスの改善など、FAQツール運用の明確な目的がある場合は、レポート機能・分析機能が充実した製品を選ぶ必要があります。

このような目的がある場合には、運用データをもとに地道にPDCAを回していくことが成果に繋げるポイントとなるため、レポート機能を活用して利用動向・ユーザーニーズを分析する必要があるためです。

レポート機能・分析機能が充実したFAQツールであれば、自動でデータを収集・集計・視覚化したり高度な分析・多角的な分析を行ったりできるため、的確な改善施策をスムーズに実施することが可能です。

データ移行ができるか

FAQツールをお試しで導入する場合や、将来的により高度なFAQツールへの移行を考えている場合は、データ移行の可否もツール選びの重要なポイントとなります。データの出力形式が限定的であったり、一括での出力ができなかったりすると、別のツールへの切替作業が難航するためです。

また、FAQツールをCRMやチャットボットなどと連携させて活用する場合においても、データの移行性は重要なポイントとなります。将来的な予定が不明瞭な場合は、あらかじめデータ移行が可能なツールを選んでおくとよいでしょう。

FAQツールを選ぶ際には、自社の用途や利用計画を踏まえて、データ移行についてもチェックしておくようにしましょう。

FAQサイト(ページ)を作成するときのポイント

ここでは、FAQサイトを作成する時のポイントを解説します。

まずは主要なFAQから集める

FAQサイトを作成する際には、「最初から完璧を目指さない」という考え方が重要なポイントとなります。完璧を目指すあまりFAQの網羅性や質にこだわりすぎると、作業がなかなか進まずFAQサイトのリリースが遅れるためです。

そのため、まずは主要なFAQの収集を行い、ある程度の段階でFAQサイトの運用をスタートさせ、運用を行いながら徐々に完成度を高めていく方法がおすすめです。

FAQサイトはどのみちPDCAを回してFAQの充足や質を行う必要があるため、ある程度アバウトな状態でも素早くリリースすることを目指した方が、効率的にサイトを作り込むことができます。

カテゴリーで整理する

FAQサイトを作成する際には、ユーザーの利便性を高めるためにも、FAQをカテゴリー別に分類・整理して表示することも重要なポイントです。

単にFAQが羅列しているサイトよりも圧倒的に分かりやすいため、ユーザーはスムーズかつスピーディーに目的の情報を探すことができるようになります。

FAQの分類・整理を行う際には、運営側の視点ではなくユーザー側の視点で考えることがコツです。ユーザーがどのようなワードでどのように情報を探すのかをシミュレーションしながら、分かりやすいカテゴライズを行いましょう。

よく閲覧されるQ&Aを上に表示する

FAQサイトを作成する際には、カテゴライズを行うほかにも、よく閲覧される質問をトップページの目立つ位置に表示しておくと、より利便性が高く使いやすいFAQサイトを作成できるためおすすめです。

具体的な方法としては、運用データを参考に閲覧頻度の高い質問の抽出を行い「よくある質問」「よく見られている質問」「質問ランキング」といった形式で配置を行います。ユーザーが検索を行う機会や手間を省くことができるため、より簡単でスピーディーに問題や疑問を解決できるようになります。

FAQサイトは利便性・利用率を高めていくことが運用成果を向上させるポイントとなるため、ぜひ実施しておきましょう。

定期的にFAQを見直す

FAQサイトを立ち上げても、その後メンテナンスを実施しないために、掲載しているFAQが役立たないものになっていたり、利用されることが少なくなっていたりというケースは多々見受けられます。

顧客にFAQサイトを適切に利用してもらうには、よくある問い合わせの質問に対して回答が網羅されているか、質問・回答が分かりやすいかなど定期的にFAQサイトを見直すようにしましょう。利用状況を鑑みながらさまざまな観点に立って分析と改善を行い、より使いやすくて役に立つものに更新していく努力が必要です。

FAQサイトを、「作成→利用→分析→メンテナンス」というサイクルで管理・運営していけば、よりカスタマーサポートへの負担が軽減できるでしょう。

FAQサイトを見直して改善していくためには、FAQサイトにアクセスしてきた顧客の動きを把握して反映することです。それには、検索結果のヒット数を確認し、検索のキーワードに対応するFAQがなかったり、不足していたりする場合は新しい情報を作成して掲載することでヒット率を上げるようにしましょう。

さらに、クリック数を検索結果の表示回数で割ったクリックスルー率を確認し、クリックスルー率が低い場合はFAQの内容が分かりづらいことが考えられますので、内容を見直して適切なものに作り直すなどの改善を実施します。

関連するFAQを表示させる

FAQサイトを訪れるユーザーは、多くの場合複数の疑問を抱えているものです。一つひとつのFAQを独立させておくのではなく、関連するFAQを相互リンクで繋いだり、レコメンドしたりすれば、さらなる解決も促すことができます。

そのため、FAQを構築する際にはユーザーの問い合わせ傾向が分かるよう、あらかじめ分析しやすい素地を整えておくことが大切です。例えば、質問Aを閲覧しにきているユーザーの多くは、同時に質問Bの回答も確認しているなど、ユーザーの遷移状況や読了率・解決率などを確認できるよう準備しておくと良いでしょう。

細かな分析が難しいような場合は、同様のカテゴリ内に属する、閲覧数の多い質問などを見やすい位置に表示させておくのも良いかもしれません。ユーザーニーズに即した回答が多数用意され、こうした導線なども整備されていれば、顧客からの信頼感も高まるでしょう。

FAQサイト(ページ)内に問い合わせ導線を設ける

FAQサイトを設置しただけで、全顧客の抱えている疑問すべてを解決できるわけではありません。FAQサイトを見ても解決が難しいケースもあるため、メールや電話による問い合わせの案内を設置しておくべきです。顧客がすぐにアクションを起こせるように、問い合わせページへのリンクやカスタマーサポートの電話番号を表示させておくといいでしょう。

また、FAQサイト内でも想定した顧客の行動に合わせて導線を設ける必要があります。例えば、初めて商品を購入した顧客は基本的な商品知識が少なく、自分でも何が分からないのかもよく分からないという状況が考えられます。したがって、初めて使う時に知っておくと役立つポイントをまとめた導線を設置し、検索をしなくても容易に使い方が分かるようにしておくと効果的です。

さらに、問診のような分岐選択式のFAQにして、クリックしていくだけで顧客が欲する情報に辿り着けるようにしたり、導線の入口に噛み砕いた表現や直感的に分かりやすいイラストを配置したりといった工夫をすることも考えられます。

他にも、まだ商品やサービスを購入していない潜在顧客向けに、FAQで疑問が解決した後に購入手続きのページへ案内する導線を設けておくと販売促進に役立ちます。

スマホ表示に対応する

近年ではユーザーはPCよりもスマホでWebサイト・Webサービスを利用する機会が増えつつあるため、FAQサイトにおいてもスマホ表示に対応しておくことは必須です。

スマホで閲覧しても読みやすいデザインでFAQサイトの作成を行うことはもちろん、縦長のスマホ端末でも操作しやすいシンプルなレイアウトを行うことも重要となります。

PC・スマホ両方のページを個別に用意すると管理の手間が増えるため、あらかじめレスポシブデザインに対応したFAQツールを導入しておくと、FAQサイトの管理・運営をスムーズに行うことができるためおすすめです。

チャットボットを活用する

ユーザビリティの高いFAQサイトを作るのに、チャットボットを活用することも有効な手段です。チャットボットは、自動会話システムのことを指し、ボット上で入力、または選択された質問に対し、自動で回答を送信することができます。

FAQサイトにチャットボットを設置することで、顧客はボット上で会話を進めれば、該当の情報に辿り着けるようになります。慣れ親しんだチャットコミュニケーションで、かつスムーズにFAQを見つけられれば、顧客の満足度向上も期待できるでしょう。

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運用時に注目すべき指標

FAQサイトは、運用データをもとにFAQの改善や追加を繰り返し、回答精度や解決率を高めていく必要があります。ここでは、FAQ運用時に特に注目すべき重要な指標について解説します。

FAQサイトの改善を行うにあたって必ず意識しておくべき指標となるため、ぜひご参考下さい。

検索時の「0件ヒット」

0件ヒット率とは、ユーザーがFAQサイトでキーワード検索を行った回数に対して検索結果のコンテンツが表示されなかった割合のことです。例えば、あるキーワードで500回検索が行われ、検索結果が表示されなかった件数が100件であった場合は、0件ヒット率は20%となります。

0件ヒット率が高ければ高いほど、ユーザーは入力したキーワードに対する回答を得られず問題を解決できなかったと判断されるため、FAQサイトの解決率を高めるには0件ヒット率を可能な限り引き下げることが重要です。ユーザーが入力するキーワードと既存FAQの質問文に含まれるキーワードの分析を行い、できるだけヒット率が高くなるようにキーワードの見直しや追加を行っておきましょう

検索結果におけるFAQリンクのクリック率

検索結果におけるFAQリンクのクリック率とは、ユーザーがFAQサイトで検索を行い、検索結果に表示されたFAQをクリックした割合のことを指します。

クリック率が高ければ、ユーザーは自身が求めている情報に辿り着けた可能性が高まり、逆にクリック率が低い場合はユーザーニーズと表示される質問文が合っていなかったりFAQの質や内容に問題があったりする可能性が高まります。

クリック率はFAQサイトのパフォーマンスを示すバロメーターであるため、キーワード別にチェックを行い、ユーザーにクリックされるように細かい調整を行っていくことが重要です。

FAQサイトと組み合わせて使いたい「チャットボット」

FAQサイトは単独で活用しても、ユーザーの疑問や問題の解決に貢献することができますが、チャットボットを組み合わせて活用することで更に利便性や有用性を高めることができます。

ここでは、FAQサイトとの併用におすすめとなるチャットボットツールについて、概要・組み合わせる効果・おすすめ製品をご紹介します。

チャットボットとは

チャットボットとは、「チャット」と「ボット」を組み合わせたワードで、ユーザーと自動的に会話を行うことができる自動会話プログラムのことです。雑談を目的としたものから問い合わせ対応を目的としたものまでさまざまな製品がリリースされており、多くの業界・業種で活用が進められているITツールとなります。

近年ではAI搭載型のチャットボットが主流となっており、高度な対応や人間に近い自然な対応を行うことも可能となっており、ビジネスの分野では特に大きな注目を集めています。

FAQサイトとチャットボットを組み合わせる効果

FAQサイトは、情報を充実させておくことで、ユーザーが多くの問題を自己解決することができる優れたビジネスツールです。しかし、ユーザーは自身でサイト上から情報を探さなければならないため手間と時間が必要となり、リテラシーの低いユーザーは上手く回答を得られないという課題があります。

チャットボットとFAQサイトを組み合わせれば、以下のような特性からFAQサイトが持つデメリットをカバーすることが可能です。

  • 会話を通じてスムーズに情報を探せるため手間や時間を省ける
  • ITスキルやリテラシーに左右されず誰でも手軽に利用できる
  • チャットボットのサポートにより受け身の姿勢でも回答へ辿り着くことができる
  • 回答を見つけやすくなるため利用率や解決率を向上できる

チャットボットは利便性や効率性に優れている反面、情報の網羅性や一度に表示できる情報量に乏しいことがネックですが、FAQサイトと組み合わせることでカバーすることができます。

欠点を相互にカバーして相乗効果を発揮できることが、FAQサイトとチャットボットを組み合わせることで得られる最大の効果です。

FAQサイトと組み合わせて使いたい「メール配信システム」

FAQサイトはチャットボットの他に、メール配信システムとの相性も良いです。

なぜならFAQを確認するユーザーは自社のサービスに興味がある可能性が高いからです。このようなユーザーに対してメルマガを配信するなど、定期的な接触を実施することで見込み顧客に引き上げることができます

メール配信システムとは

大量のメールアドレス宛に一斉にメールを配信できるシステムのことです。

メールの大量配信は一般的にスパムメールに似た行為のため、迷惑メールフォルダに入ってしまったり、文字通りメールが届かない可能性があります。

メール配信システムにはこれらを回避するための技術が使われており、安心安全に大量のメールを届けることができます。その特性から、メルマガ配信や社内向けの一斉メール等に活用されています。

FAQサイトとメール配信システムを組み合わせる効果

ユーザーがFAQサイトで問題を解決できることは素晴らしいです。しかし、そこでユーザーとの関係性が完結してしまうという事実も存在します。

問い合わせフォームの設置や資料ダウンロードにあえて誘導することで、ユーザーのメールアドレスを取得し、そのメールアドレス宛にメルマガ配信をすればユーザーと定期的なコミュニケーションを図ることができます。

セミナー情報やお得情報などを発信し、信頼関係を築くことができれば将来的にユーザーはあなたのサービスを購入してくれるかもしれません。

このようにFAQサイトとメール配信システムを組み合わせることで、効果的な販促活動ができるのです。

シェア1位のメール配信システム「ブラストメール」の活用

ブラストメールのキャッチ画像

FAQサイトと組み合わせて使うのに最適なメール配信システムはブラストメールですブラストメールは13年連続顧客導入シェア1位のメール配信システムとなります。

ブラストメールの特徴は、シンプルな操作性と、コストパフォーマンスの高さです。様々な業種や官公庁の導入もあり、定番のメール配信システムと言えるでしょう。

セグメント(ターゲット)配信や効果測定、HTMLメールエディタなど、基本的な機能は全て揃っており、最も安いプランであれば月額4,000円以下で導入できます。

シンプルかつ安いので、初めてメール配信システムを使ってみたい方にもおすすめです。無料トライアルも可能となっているので、まずは試してみてはいかがでしょうか。

関連記事:【3分で分かる!】ブラストメールとは?ブラストメールのトライアル期間を使って徹底レビュ

まとめ

本コラムでは、FAQサイトを作成するメリットや作成する上でのポイントを解説しました。

FAQサイトは、カスタマーサポートに寄せられる電話やメールでの問い合わせの件数を減らし、スタッフの負担軽減の役割を担います。また、有人によるカスタマーサポートは、対応可能時間に限りがありますが、FAQサイトは曜日や時間にとらわれることなく、顧客の疑問解決を促すことができます。また、企業内でナレッジ共有ツールとして活用することもでき、対応品質の安定・向上が見込めるのです。

さらに、本コラムの後半でご紹介したチャットボットやメール配信システムをFAQサイトと組み合わせてうまく活用することで、顧客の利用率・問題解決率の向上が期待できるでしょう。

近年では、カスタマーサポートの人手不足も深刻化しているという背景もあるため、FAQサイトやチャットボットをうまく活用し、効率的な対応の実現を図ってみてください。

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この記事を書いた人

Email Rising編集部です。Email Risingではメール配信システムやメールマーケティングについてのお役立ち情報を発信しています

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